Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

iBook 到着・・・しかし

2008-02-28 10:47:45 | Weblog
iBook 到着・・・しかし Air ではない。まず,これを「母艦」として使いつつ,いずれ Air を導入する予定。しかし,一昨年に買った Let's Note はまだまだ健在で,隠居させるには惜しい。Windows 用 b-mobile を更新したばかりなので,今後120時間のデータ通信ができる。だったら,状況に応じたダブル・モバイル体制でいくか・・・だけど混乱しそうだなあ・・・さらに iPod touch もほしいし・・・と思い悩む今日この頃だ。

昨日の授業では,先週に続き実務家から現場の最先端の話を聞く。インターネットやモバイルがキャンペーンに欠かせない要素になるにつれ,メディア・プラニングとクリエイティブ・プラニングが融合する方向での進化が起きている。前者だけで閉じておれば,伝統的なORの問題だが,後者が入るとそうではなくなる・・・そこに新たな研究のチャンスがある(つまり,まだ確たる方法論はない,ということ)。

そのあと最終レポートの説明。基本的に,クロス表ベースの分析をしてもらい,解決のアイデアを出してもらう。クロス表ですむなら多変量解析やマーケティング・サイエンスはいらないが,クロス表から情報を読み取れないようでは,高度な分析を使いこなせないだろう。だから,学生たちがどんなレポートを出してくるか楽しみだ。あるいは,どんな「落し穴」がありそうかも興味深い。

分析がうまい人とは,物語がうまい人だ。したがって,優秀なマーケターはいくつものクロス表やグラフを駆使して,物語を綿々と語れなくてはならない。だが,それは,「合成の誤謬」や「過剰な解釈」を招き,判断を誤らせる危険もある。そこで,同じデータから別の物語を何万回も構成して,いくつかの異なるシナリオを提示するようなことができないか・・・それがシミュレーションに期待されていることだろう。
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人生を分けるテーマ設定

2008-02-26 23:51:40 | Weblog

会社に勤務しながら博士号取得を目指す「後輩」から学位論文が送られてきた。まさに現代的なテーマを捉えた力作。一般向けに書き直して出版すれば売れるのではないか。博論でわけのわからない迷路にはまりこんだ自分とは大違いだ。テーマの設定・・・それが人生を分ける。

だが,そういうグジャグジャを楽しみたいという自分がいたりして・・・。

3時から,エスプレッソをいただきながら「エンタテイメント科学」に関するプロジェクト申請をめぐって,同僚たちと議論。PSP, Wii, iPod touch ... 話はあちこちに飛ぶ。究極的には,日本企業はなぜ iPod を生み出せないか,という問題なわけだが,それをサイエンスなり工学なりにどう落とすか,にテーマ設定の鍵がある。これは,ぼくにとっては当面の「大問題」であり,かつ,いまのところ何も答えを見いだせない問題でもある。あっという間の2時間。

そのあと,久しぶりにMASコンペ作戦会議・・・いよいよ来週である。しかし,それまでになすべき「業務」多数。Shuriken 問題は,結局再インストールせよ・・・という結末になったが,それをする時間(心の余裕?)がない。それでダメならマシンごと預かるというが・・・。今日も研究室で深夜零時を迎える。終電とか深夜帰宅交通費とかを気にしないでよい生活に幸あれ。

本日入手した本

Claes Fornell, The Satisfied Customer: Winners and Losers in the Battle for Buyers Preference, Palgrave Macmillan ・・・著者は大規模な顧客満足調査プロジェクトを率いてきたことで有名。だが,この本にはほとんど図表が出てこない。

マイケル・ルイス,マネーボール 奇跡のチームをつくった男,ランダムハウス講談社 ・・・『その数学が戦略を決める』で薦められていた本。サービス科学あるいはエンタテイメント科学の対象がプロ野球になったとたん,気分が違ってくる。

週刊エコノミスト3/4号「テレビの憂鬱」 ・・・副題に「広告頭打ち/視聴率低下/ネット乗り遅れ」とある。

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ずるずる延びるの法則

2008-02-25 23:23:27 | Weblog

日曜のうちに銀行とGSの調査票を仕上げるつもりだったが,GSのほうは間に合わなかった。大体いつも,予想よりは多少時間がかかる。そうすると,新たな用事が加わって,期限の迫ったものが優先される。そうすると,手つかずのものがずるずると先延ばしになり,堆積していく。このパタンはいつまでたっても変わらない。

Watts and Dodds 2007 が influential marketing を攻撃した研究の紹介文を,今日中に数枚書かねばならない。これもずるずる伸びるかも・・・といっても明日が期限だし,書くと約束したら書く! にしても,Watts はその後,フィールドで実証を進めているらしく,スゴイの一言。物理学者の参入でマーケティングの研究はどう変わるだろうか・・・日本でも,同じ流れになるのだろうか。

長年にわたって(読まずに!?)貯めてきた論文のpdf化を画策中。今日見た範囲(選択理論関係)では,Marketing Science と Journal of Consumer Research が意外と多い。これらは過去に至るまで,オンラインで入手できる。問題は,1999年以前の Journal of Marketing Research だ(書き込みのある論文もわずかにあり,ほーこれを読んでいたのかと・・・)。

これらは残すもの(→pdf化するものと,そのまま「死蔵」させるもの),捨てるもの(仮に再度探す可能性を考えた期待コストが保管費用より低いもの?)に峻別する作業を,仕事と並行して進めていく。これは,自分のこれまでの関心の流れと,今後の行き先を見つめ直す機会になるだろう(手伝ってくれている学生に感謝・・・今度,がーんとご馳走するよ)。

昨日入手した本

その前日,本屋で腰が引けた本たちである。

塩沢由典編,経済思想① 経済学の現在1,日本経済評論社
吉田雅明編,経済思想② 経済学の現在2,日本経済評論社

・・・2004~2005年に出た本。いまさら経済学(思想)でもあるまいと思いながらも,②に収められた,金子邦彦,安富歩「経済学から歴史学中心の社会科学へ ―複雑系科学の立場から見たブローデルの歴史学」に瞠目。カオス研究で有名な物理学者が経済学にもの申す。しかも,歴史学だ!

となると,塩沢由典:複雑系経済学,吉田雅明:マルチ・エージェント・ベースの経済学,西部忠:進化経済学・・・もまた,お互いの違いを吟味しながら(いつか)読んでみたい,と思ってしまう。特に塩沢論文・・・むさぼり読んだ時期があったなあ。

川越敏司:実験経済学と鈴村興太郎:厚生経済学・・・気鋭と重鎮による価値の高い寄稿だが,いずれも横書きなのは,他の執筆者との距離感なのか・・・いやー,くだらないことを書いてしもうた。

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本屋で腰が引ける

2008-02-23 23:37:41 | Weblog

授業の課題用データの整理と英訳で一日終わった。唯一「知的」だったのは,夕食後に立ち寄った本屋で,いくつか面白い本を見つけたことぐらい。 科研費や校費を使い切ったので,あとは自腹で買い続ける。買わないでおくと,あとで入手できなくなったとき後悔するから,といいつつ,今日腰が引けて買わなかった本もある。ああ,臆病すぎる・・・。

本日入手した本

Martin A. Novak, 進化のダイナミクス 生命の謎を解き明かす方程式,共立出版 ・・・有名な数理生物学者による進化ゲームの教科書だが,最終章は「言語の進化」にあてられている。 多色刷りで美しい。

大谷和利,iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス,アスキー新書 ・・・こちら方面も着々と買い続ける。

DIME5月号「やっぱりMacが気になる!」

創3月号「広告界の徹底研究」 ・・・何か画期的なことが書いてあるわけではないと思いつつ,毎年つい買ってしまう。まあ一種の年中行事ということで・・・。

Novakの本を眺めつつ,3月に集中するエージェントベース関係の行事を思い起こす。まずMASコンペ@新中野があって,国際非線形科学会議@お茶の水,そして進化経済学会@鹿児島,SIG-KBS@茗荷谷と続く(さらにいえば,ネットワーク生態学@京産大があるが,今回はスキップ)。わがJIMS部会でも次回はエージェントベースの研究が発表されるし,お招きいただいている研究会もある(日程未定)。

このなかでMASコンペとSIG-KBSについては発表準備が必要。ESHIA/WHEIAへアブストラクトの投稿も忘れてはならない。一方で,4月から始まる,新たな授業の準備もそろそろ始めないと・・・特に学部1~2年生向け「統計学」の講義は初めての経験だけに,時間をとられるだろう(統計学再学習の機会と前向きに捉えているが・・・)。

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「出来ない」リストの重要性

2008-02-22 23:33:08 | Weblog
昨日は「出来ない」ことがあると悪いようなことを述べたが,それは正しくない。何でもかんでも出来るはずがないことは,企業も個人も同じ。出来ないことを明確にすることで,出来ること(すべきこと)が明確になる。この点で,ぼくに自慢できる点は全くない。

ロバート・R・H・アンホルト『理系のための口頭発表術』(講談社ブルーバックス)。評判がいいので読んでみたが,確かに役に立ちそうだ。研究者の卵はもちろん,経験を積んだ研究者もまた,自分のプレゼンを振り返るために読む価値はある。個人的には生物学中心の事例を読むのが辛かったが,本書の多くのメッセージは社会科学の分野にも適用できる。

意外だったのは,米国人の学会発表でよく見かける,Tシャツにサンダル,ポケットに手を入れながら・・・といったスタイルが,米国ですら好感が持たれない状況があること。また,先人の業績をきとんと引用したり,共著者との役割分担を言及しないと,研究者としての誠実さが疑われるという。米国でさえ,いつもカジュアルで,ただただ自己主張すればよいというわけではなさそうだ。

いまさら驚くようなことではないが,特にアジア出身者の英語の発音は英語になじんだ欧米の人々にとって聴き取りにくく,そうした発表を聴くのは苦痛だと正直に書かれている(著者はネイティブスピーカーではなくオランダ出身・・・英語をネイティブ並みに話す人が多い国だ)。では,どうすればいいのか。英語力を徹底的に鍛えるというのが模範解答だが,現実の壁は厚い。

著者は次善の策として,より多くの情報をスライドに記すことを薦める。これは,一般にはよくない方法だが,英語が下手な場合にはしかたない。あとは・・・当たり前すぎるので書かれていないが・・・ひどい発音を我慢してまで聞きたくなるような内容を話すことだろう。だがこれは,監督が打者にホームランのサインを出しているようなものだ。

いずれにしろ,出来ることと出来ないことを見極めて,出来る範囲でベストを尽くしかない。最近,英語が下手なことに慣れてしまったが,それは出来ないことをきちんと自覚していないという点で問題だ。

今日,2週間ぶりにジムに行く。忙しくとも週に1~2回ジムに行くことが「出来る」ような時間管理能力を持ちたい。
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マーケティングの出来ない日本

2008-02-21 23:49:37 | Weblog
夕方,丸の内に出かけ,ものづくり寄席で阿部先生の「ものづくりを諦めたアメリカ、マーケティングの出来ない日本」を聴く。会場は立ち見が出るほどの混みようで,関心の高さを伺わせる。なかなか挑戦的なタイトルであり,聴衆の多くを占める(だろう)日本の企業人から堂々たる反論が出るのを期待した。だが,司会者が「参加人数が多いので・・・」という全く理解不能な理由で質疑応答をスキップしてしまい,彼らの反応を聞くチャンスは封じられてしまった。

日本企業はマーケティングができていない,という批判は,これまでもあった。ぼく自身,グローバル市場において,日本企業がモノの価値を超えたブランド価値を構築する能力で劣っているという仮説を持っている。ただし,それが客観的に検証されたわけではないので,本来なら論争があって然るべきだ(たとえば神戸大学のマーケティング研究者たちに聞けば,きっと違った見解を表明するに違いない・・・)。

欧米のグローバル企業を見ていると,彼らのマーケティングやブランディングは,ある種の思想なり信念を,普遍的なものとして世界に布教する活動に近いと感じる。日本は歴史上海外を侵略したことはあっても,思想や信念を持続的かつ成功裡に普及させたことは全くなかったと思う・・・カラオケやマンガといった文化が輸出されたといっても,それが戦略的に行われたとはいいがたい。そのあたりに,日本の歴史的・文化的制約がありそうだ。

「文化論」ですべて説明する気はないが,日本企業がグローバルなマーケティング展開を不得意なことには,かなり根深い理由がある。だとすると,日本でマーケティングを教えたり研究したりすることは,どこまで可能かという疑問がわく。経営学・・・社会科学・・・あるいは学問全般のなかで漢字に翻訳できず,カタカナのままなのはマーケティングぐらいだ。それはそもそも,日本語による思考には存在しない概念だからなのか・・・。

それにしても,これだけの聴衆を集めながら,一方的な「啓蒙」で終わらせてしまうのは,もったいないことだ。阿部先生は「顧客」と「ブランド」が現代マーケティングのキーポイントだと語っていた。それにもう一つ付け加えるとしたら,「対話」ではないかと思う。司会者は,自由に質問を!といっても誰も手を上げないと判断したのかもしれない。聴き手の振る舞いも含めて,こうした公開講座のあり方に進歩がないと,日本の「出来ない」リストは増える一方だ。
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イノベータを育成できるか

2008-02-21 10:38:33 | Weblog

昨日,芝公園で社会人向けに選択モデリングの講義。2時間という枠内で目一杯話したため,初めてこうした話題を聴く方々は,消化不良を起こされたかもしれない。もう10年以上この講義を続け,毎年こちょこちょ講義内容をいじっているものの,そろそろ限界が来ている。だが,あと1年は続けることになった。

自分の不満がどこにあるかというと,どうせなら研究の最先端を話したい,そしてそれがマーケティングの研究である限り,実務に役立つものであってほしい,だがその2条件を満たすことが非常に難しい,ということだ。先端的でなくても,役に立つことを話すという手もあるが,いい話題を思いつかない。最近「役に立つこと」をしていないということか・・・。

そのあと,霞ヶ関に向かい,サービス・イノベーション人材育成の委員会を聴講する。各大学の報告者に知っている顔をいくつか発見(あの人もそうだったんだ・・・)。委員の先生方からは手厳しい指摘が相次ぐ。要は,そのプログラムで,サービスのイノベーションを起こせる人材が育ちますか?ということ。そもそも,そんな人材を大学(院)教育で育てることができるのか,という疑問もわいてくる。

だが,諦めるのは簡単だが,そこにチャレンジする価値があることは確かだ。イノベーションは,企業のなかで日々取り組まれていることで,特別なことではないのではないか。華やかで劇的なイノベーションの一方で,地味で目立たないが,確実に役に立っているイノベーションもある。サービスの場合,画期的な科学的発明よりは, 地道な工夫の積み重ねが重要のように思える。だとすると,それを教育の対象にすることは不可能ではない。

一方,Google の成功の背景には高度な数理科学がある。そうしたタイプのサービス・イノベーションも考えるべきだという指摘をされた委員もいた。確かにサイエンス型サービス産業というものだって,あり得るだろう。その場合,研究自体がイノベーションの起爆剤となり,研究者が起業を目指すことになる。

日常的で漸進的なイノベーションについては,大学(院)で教える・・・というか,学生にそれを生み出させる触媒になることが可能だと思う。だが,そのための最大の関門は,大学自体,あるいは教員のマインドセットのイノベーションだろう・・・。既存の学問やら授業に,無理やりサービス・イノベーションを押し込んだところで,教育のイノベーションは起きそうにない。

では,お前はどうなんだ,自分の授業でイノベーションを触発することができるのか,という問いに行きつく。目下の課題は,データの分析からイノベーションを構想させることができるかどうか。データ「だけ」からそんなことは不可能だと,多くの人がいう。そりゃそうだが,データ「も」使って,何かできないか・・・ということ。この難問が解けたら,ぼくもまた,イノベーションを成し遂げたといっていいだろう。

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統計学って役に立つんだ

2008-02-19 22:07:40 | Weblog
今日は,某外資系食品メーカーの社長をお招きして,ぼくの授業で日本市場の特殊性と一般性,そこでいかに競争するか,グローバル企業の経営の特質などを話してもらう。複雑な流通経路や物流費・メディア費用の高さなど特殊性はあるが,健康志向,ローカル性の重視,といった食のトレンドは世界共通だ。そのなかで,世界で得た経験を共有し,相互に steal with pride することがグローバル企業の強みだという。

ふだん,ぼくの授業では抽象的な話が多く,うんざりしていたであろう学生諸君には,マーケティングの面白さを実感するいい機会になったと思う。忙しいなか,「ついに」来てくれた友人に感謝。学生からもう少し質問やコメントが出ればよかったんだが・・・いや,それでもふだんよりは,出たほうかもしれない。

イアン・エアーズ『その数学が戦略を決める』読了。データマイニングや統計的手法がいかに世の中で役立てられているかについて,面白い事例を次々と紹介する。統計学の授業の初日に,こうした話を紹介すると学習意欲がわくのではないか。データマイニングといえば「紙おむつとビール」の話だけという時代は終わった。

個人的に気に入ったのは,カジノのお客さんがいくらスッたら二度と来なくなるかを予測,そうなる寸前に,今日はツキが悪いみたいだから,そろそろやめてバーで一杯・・・などというメッセージを出す話。だが,こうした高度なCRMが進むと,予測のベースとなるデータが手に入らなくなるのでは・・・と心配になる。

驚いたのは,公共政策の事前評価に無作為化された実験が用いられているという話。たとえば,「負の所得税」を,無作為に抽出された人々にだけ適用し,対照群と比較する。そんなふうな政策の実験が,米国はもちろん,開発途上国などでも行われているという。政府がそこまでするのだから,企業はもっとやっているはず・・・日本ではどうなんだろう。

月末に向け,いろいろな用事が目白押しだが,電車に乗る機会が増えると,読書の時間も増える。あとは近くを見るメガネ・・・だ。

ここ数日中に入手した本

P.グリッツマン,R.ブランデンベルグ,最短経路の本 レナの不思議な数学の旅,シュプリンガージャパン ・・・対話形式で,最短路問題や巡回セールスマン問題が丁寧に説明されている。色刷りの絵が楽しそう。ネットワークを分析に使う以上,最低限のグラフ理論の理解は欠かせない。

三品和弘,戦略不全の因果 1013社の明暗はどこで分かれたか,東洋経済新報社 ・・・重いタイトルである。
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前向きに前のめり

2008-02-16 14:30:12 | Weblog
昨日,データ解析の授業で,消費者の異質性の扱い・・・選択モデルにおける潜在クラス分析と階層ベイズ法を講義。最後の数十分は息切れした。体調のせいか,歳のせいか・・・。いずれにせよ,150分でしゃべるには盛りだくさんすぎたかもしれない。そのあと東京に向かい,大学院の「同窓会」@神楽坂で豚とろろ鍋。No.1ホステスさんとチーママさんと同伴出勤した雰囲気だが,やり手の黒服さんがきっちり仕切る。

今日は大学で「アフィリエイト広告」予稿執筆,そしてシミュレーションの分析結果を聞く。けっこう面白い結果が出てきた感あり・・・MASコンペに留まらずもう一発!という気がしてきた。夜は遠方より来たれり山川さんを囲む会。帰り道,もう少し話したかった(飲みたかった)なあ・・・と後悔するが,次の機会に(いつや?)。ともかく明日全力で論文を仕上げないと。

今日入手した本

Dan Ariely, Predictably Irrational: The Hidden Forces That Shape Our Decisions, Harper ... 著者の肩書きは行動経済学者となっているが,元々心理学者で,その後消費者行動領域でも研究を重ねてきた。MIT Sloan School と Media Lab の両方に籍を置く俊英。この本は,彼がこれまで行ってきた研究の集大成だが,論文集ではない。すべて一般向けに書き直している。したがって,学部レベルの消費者行動論の教材にうってつけだ(そうでないと困る)。

実はだいぶ前,著者にインタビューしたことがある。MITのキャンパスにある,小さなビル。広い共有(ディスカッション)スペースの周りに小さな研究室が連なっている(こういうレイアウトは日本の大学にはないなあ・・・)。彼はMacを使い,2つのディスプレイの間でカーソルを行き来させながら,ぼくの質問に丁寧に答えてくれた。そして一定の時間が経ったとき,これから妻と約束があると,急に話を打ち切った。このメリハリが,アメリカっぽい。
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石に打たれながら

2008-02-14 23:50:53 | Weblog
昨夜の願いが通じたのか,WCSSの論文締め切りが3/1に伸びた。しかし・・・実は,そちらは諦めようという気になっている。最大の理由は時間である。今年は去年より教務が相当厳しくなるので,やはり無理だと・・・欲の出し過ぎでここ数年繰り返した「失敗」からそろそろ学ばなくてはならない(George Mason がDC郊外だってのもあるが・・・)。当面,MASコンペ一本に絞る。論文の締め切りは明日だが,ということは月曜朝まで,と勝手に解釈(でもそうでしょ?)。

中澤君が取り組むシミュレーションが思ったほど進まないのは,いまさらいうのも何だが,研究室のPCの能力不足が最大の原因だ。余裕があれば,2~3日走らせとけば,で済むが,ギリギリになってくるとそうはいかない。そのなかで,何とか「局所最適」戦略を探りながら,何とか形にしようと,ない知恵を絞る。今回のコンペ(部門2)の出場者は例年より少なく,去年の和泉さんような大御所の名前も見あたらない。しかし,伏兵がいるかもしれないし,審査員の「コワイ」先生方の顔を思い浮かべると・・・参加することに意義を見いだそう。

一方,石はあちこちから飛んでくる。某プロジェクトで,お上から来週に来期計画と予算を出せという突然のお達し。下々は月曜までに出さねばならぬ。そのあと,例の発注業務がやってくる。科研の新学術領域が動きそうだとの報もあり,こちらも慌ただしくなりそうだ。そこへ講演依頼・・・魅力的なメンバーだからぜひ行きたいが,彼らの前で話せることが何かあるのか? 予想ではそろそろ飛んできそうな石が,他にいくつかある。これをくぐり抜けて3月になると,すっきり青空が広がる,と根拠なく思うのだが・・・。
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創造的資本主義って・・・

2008-02-13 22:28:16 | Weblog

アフィリエイト広告関係の文献に目を通す。アフィリエイト広告に参加する人を「アフィリエイター」というのは和製英語で,英語では affiliate(s) という。ふーん・・・というレベルからの出発。それにしても間に合うのか・・・ MAS コンペや WCSS の論文提出期限が延びてくれないかと切に願う。

Shuriken 問題解決の旅も終わらない。サポートの方もひるむことなく,どんどん探求し続ける。いつか問題が解決したとき,ぼくのこの製品ないし会社へのロイヤルティは以前より高まっているのだろうか・・・よくいわれる「サービス・リカバリーのパラドックス」を身をもって実験中・・・。

ところで,ビル・ゲイツがダボスで語った「創造的資本主義」という考え方がちょっとした議論になっている。ここで「創造的」というのは,世界の貧富の格差を縮小するように働く,これまでにない資本主義の機能を「創造」する,という意味といっていいだろう。自然淘汰による「進化論」を排する「創造論」,といったらおちょくり過ぎか。また,MS の製品をもっとクリエイティブにしたらどうかという,ありがちな突っ込みもやめておこう。

経済学者からは,(公正な競争を通じて)利益を稼ぐことこそ企業の社会貢献だという声が聞こえてくる。一方,膨大な利益を稼ぎ出したゲイツやソロスは,市場メカニズムの限界を説く。面白い対比だと思う。ある高みに立った人しか見えないものがあるということか,それとも巨万の富を手にした人間が最後に欲しがるのが人々からの尊敬だということか,いずれにしたって,それにチャレンジしてもらうのは,悪いことではない

ただ「創造的資本主義」ということばがゲイツがいうような意味で使われるようになると,クリエイティブ,クリエイティブと,バカのひとつ覚えのように繰り返してきた人間としては,ちょっと困った立場に追い込まれる。では,あんたのいう創造的=クリエイティブとは何? 何となくの雰囲気で捉えるのではなく,もっと意味を突き詰めていかないと,そのうちガツンと批判を食らいそうだ。

本日入手した本

O.W.メイヤー,林信行,アップル・コンフィデンシャル 2.5J,上・下,アスペクト ・・・こちらはあくまで,ものづくりでクリエイティブたらんとする企業の歴史をまとめている。最近アップル系の文献が急に増えており,どこかでまとめて読む必要がある。

T.B. Ward, R.A. Finke, & S.M. Smith, Creativity and the Mind: Discovering the Genius Within, Perseus Publishing ・・・創造性=クリエイティビティの心理学に関する啓蒙書。Rogers に訳本があることがわかったため,来年度の教材候補。

木嶋恭一,中條尚子,ホリスティック・クリエイティブ・マネジメント ・・・東工大のCOE「エージェントベース社会システム科学の創出」の成果の一つ。新たなシステム論からどんなクリエイティブ・マネジメントが生まれるのか,お手並み拝見(何てエラそうなことがいえる立場じゃないが・・・)。

N.N. タレブ,まぐれ:投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか,ダイヤモンド社 ・・・原題は"Fooled By Randomness: The Hidden Role of Chance in Life and in the Markets." ・・・最も楽しみな本。クリエイティブ論への応用を密かに期待。

ルカ・トゥリン,香りの愉しみ、匂いの秘密,河出書房新社 ・・・同じ著者の『香りの帝国』を買ってから,どれだけ時間が経っただろうか・・・パラパラめくると,あちこちに化学式があり,少し不安になる。

近江政雄(編),講座<感覚・知覚の科学>4 味覚・嗅覚,朝倉書店 ・・・こちらは生理学や心理物理学の教科書。 こういうのもいつか読まねばといつも思う。

D.C. ギアリー,心の起源:脳・認知・一般知能の進化,培風館 ・・・最近,向かうところ敵なしの?進化心理学の大著。興味がある選好,嗜好の話は出てこなさそうに見えるが果たして・・・

谷岡一郎,仁田道夫,岩井紀子(編),日本人の意識と行動:日本版総合社会調査JGSSによる分析,東京大学出版会 ・・・8,000人規模の調査を学術目的で実行し続けているのはすごい。

いろいろ本が集まるのはいいが,細かい字が読みにくい状況からの脱皮が最重要。遠近両用コンタクトレンズを試しているが,効果はいまいちだ。これも早く決着をつけないと,仕事にならない。

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ぼやきたくなる一日

2008-02-12 23:58:12 | Weblog
午前中,アフィリエイト広告に関する既存研究を探す・・・思ったよりあるじゃないか・・・にしても Google Scholar は強力だ。真っ先に見つかったのが,Hoffman, Novak 夫婦の "How to Acquire Customers on the Web" (HBR 2000 May/June)。Diamond HBR では「アフィリエート・マーケティングの技術」と訳されている。

他にもいろいろあるが,なかでも Libai が参加している論文に興味を惹かれる。CRM と複雑系の二刀流。しかし印刷を始めたら,しばらくしてトナー切れでプリンターが動かなくなる。かすれたインクで健気に印刷し続けるということを,いささか高めのプリンターはしないらしい。微動だにしない態度は全く可愛げがない。

MBA「マーケティング」では最後の小テスト。数学(算数)の基礎が全く欠落している学生が少なくない・・・これで必修科目のミクロ経済学の単位を取れたのか疑問になる。そして統計学もさっぱりだとなると,先行き心配だ。さらに,講義の間机に突っ伏して寝ていたり,べらべら私語を交わす姿を見ていると,ここは大学院なのかと疑問に思えてくる。

MBAなんだから,数学は関係ないでしょう,という考え方もあるだろう。マネジメントはアートであると。だとすると,大学で座学をやっていても仕方ないんじゃないか・・・。数学といっても,微積分や線形代数までいかない,せいぜい2次関数の形状を考える程度の問題だ。中学生でもわかる問題に全く手が出ないなんて・・・高等教育とは何なのかと考えてしまう。

夜になって久しぶりに Shuriken のトラブル調査に取り組む。別のPCにインストールし,バックアップしたデータを読み込み,同じ症状が出るかどうか調べる・・・という指示通り行うが,そこまで行かないうちに新たなエラー。他にもいろいろあって Shuriken は最近満身創痍。使いやすいと気に入っていただけに残念。

ああ・・・こんなことで一日が終わっていいのだろうか・・・。
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「バカな」「なるほど」

2008-02-11 19:53:19 | Weblog
生活には食事や睡眠はもちろん,洗濯や布団干し,掃除など,逃れることができない行為に費やす時間がある。そして,稀にしか起きないといっても,メガネの柄が折れてしまったりすると,またまた時間を費やさねばならない。気がつくと,それやあれやであっという間に時間が経っていく。今週は一本論文(国際学会用の8頁の予稿)を書かねばならないが,最も時間があるはずの今日・・・それ以外のことで終始する。

最近読了した三品和弘『経営戦略を問い直す』(ちくま新書)は,冒頭で興味深いデータを掲げる。日本の製造業の大企業について,実質営業利益の経年変化を個別に見ると,ここ20年間,ほとんど変わっていない。企業の利益の分布は,物価の影響を除くと,おそろしく定常的なのだ。しかし,約5%ほど,実質営業利益を拡大した企業がいる。そのわずかな企業こそ,戦略が機能した例だと著者はいう。多くの企業が何らかの戦略を掲げているが,実際にはほとんどの場合機能していない=戦略不全だと。

そして,経営とはきわめて属人的なもので,一般化は難しく,サイエンスというよりはアートに近い,と主張。そこで紹介されるのが,吉原英樹氏の戦略の本質とは「バカな」と「なるほど」だということばだ。成功した戦略は,その時点で一般に受けいられている常識から見れば「バカな」と感じられるが,事後的に「なるほど」と気づく合理性がある,と。

「なるほど」・・・しかし,そういう意味では,戦略は少なくとも事後的には「科学」になり得るのではないのか? もっとも,その科学はこれからの成功を何も保証しない。なぜなら,状況が変わればかつての成功戦略は,全く有効でなくなる可能性があるからだ。

本書の後半は,より具体的で,属人的な話にどんどん進んでいく。それはそれで面白いが,ぼく自身は方法論を論じた冒頭部分をより面白く感じた。三品氏の書かれた専門書のほうを読むべきなのだろう・・・。

自分の話に戻る。毎日同じことを繰り返し,毎年同じ課題を掲げ,永遠に書き終わらない(書き始めない)論文を抱え続ける限り,「バカな」と人を唸らせることはない。「バカだ」「やっぱり」じゃ困るしなあ。
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研究室OB会

2008-02-10 14:35:05 | Weblog
一昨日は,授業の後川越に向かう。南流山から武蔵野線に乗り換え,途中でさらに埼京線に乗り換える。1時間半で着くはずが,途中でトイレに寄って一本逃したため,20分の遅刻。ビジネスパーソン向けの研修で,異なる会社から参加した人々が新事業のプランを練っている。そこで僭越にもコメント。すき焼きをご馳走になる。

昨日は,MASコンペ打ち合わせのあと,夜はわが研究室のOB会だ。初代が6人,二代目が2人,三代目が5人,現役が1人・・・九州からの参加者も。たった5年ほどだったが,いろいろな学生との出会いがあった。たいした教師ではなかったが,何ほどかの思い出づくりを手伝えたとしたら,うれしいことだ。

予想された雪は降らず,今日は快晴である。
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Obama' s Mac, Hillary' s a PC

2008-02-07 22:55:17 | Weblog

見積書が2通届く。あとは事務方にお任せすべくメールを・・・だが,何の応答もなく,一抹の不安を覚える。明日確認しよう・・・。そして,ガソリンスタンドの調査設計へ。ローンや資産運用よりは,給油や洗車のほうが経験が深い。今夜中に仕様書を作り,早く見積もりを取らねばまずい。

Shuriken のバグは未解決のまま。ベンダーのテクニカルサポートからのメールで,他のマシンにインストールしてチェックしてくれといわれた時点で,ストップした。いま,そんなことをしている時間も余裕もない。技術的には正しいアドバイスなんだろうけど,顧客の立場や感情を無視している。

という点で思い出したのが,今日また Acrobat が認証を要求してきたことだ。1回目は長い文字を入れろとか電話しろとか,それだけで30分はかかりそうなことをいう。後回しにしようとキャンセルすると,また現れる。今度はネット上の認証が通って,姿を消した。だが,いつまた現れることやら・・・。

忙しいのに,そんなのやってられねえ,という要求を遠慮なくおしつけてくるベンダーには,潜在的な敵意が蓄積していく。そちらは,スウィッチングコストを高くしてあるから平気,とたかを括っているかもしれないが,こちらは機会さえあれば,ライバルに乗り換えてやろうと虎視眈々としている。

顧客の感情を無視したサービスを行っていると,負の顧客資産が蓄積していく。それは,顕在化したキャッシュフローの蓄積としての顧客資産を,裏で食い尽くしていくのだ。昔,日本史における「怨霊」 の重要性を指摘する梅原猛の本を読んだことがある。マーケティングでも,「怨み」の価値を計量分析すべきかもしれない。

だが,それは怨みをはらしてくれるものがないと実在化しない。

今日入手した本:

リーアンダー・ケイニー,The Cult of Mac,エスアイビー・アクセス ・・・変な人たちっているもんですなあ・・・。素晴らしい。

この著者のブログを見ていて,面白い記事を発見。いわく,"Obama' s Mac, Hillary' s a PC" だと。米民主党の大統領候補争いは凄まじいことになっているが。そこにこうした「文化」の違いがあるわけだ・・・。人を Mac-PC scale で判断していくと面白そうだ。日本の政治家で Mac 度が高いのは誰だろう?

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