Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

30周年記念パーティ

2006-10-28 23:20:11 | Weblog
30年前,ぼくの職場「社工」は創設された。原野を切り開いてできた空間に,一騎当千の研究者が集められ,ユニークなカリキュラムが作られていった。当時,それが画期的であったことは間違いない。もちろん,その後の30年の社会の変化はあまりにも大きい。

なぜか実行委員に加えられ,本日は会場で「思ひ出の品」記録係の仕事。ホテルでのパーティなのにワインが出ない。おかげで酒を飲まない立場に何の苦痛も生じなかったことは幸いか。上司・同僚を除き知らない人ばかりのなかで,近経研の後輩,芹田,舘両君と会えたのはよかった。

この「仕事」に一緒に関わったある先生が,ぼくと二人のときぽつりと,こういう催しは大学の将来にどういう効果があるんでしょうね,と呟いた。OBの方々に楽しい時間を過ごしていただいたとは思うが,それ以上に何があるか…何かあるかもしれないとは思うが,すぐには思い浮かばない。

研究室に戻って少し仮眠し,そのあと11月に没頭すべき研究の資料を読む。11月も研究に専念とはとてもいえない日々になりそうだ。だが…まあ…そうだよな。そして部屋に戻って,やっとワインにありつく。

論文生産工学 II

2006-10-27 01:45:12 | Weblog
10:00から15:45までびっちり,住田,鈴木両先生と論文生産缶詰作業。スクリーン上でびしびし文章が決まっていく様は壮観というしかない。さすが「世界の・・・」だといまさらながら感心する。論文生産にはいろいろな流儀があるだろうけど,とにかくこれはすごいの一言に尽きる。

夜,東京で実務家の方々と会食。伊藤園+タリーズに関して非常に面白い解釈を聞いた。別に機密ではないが,すごく刺激的なのであえて伏しておく。そして,あまりに頻繁に繰り返されるマーケティング戦略失敗の定石パタンに関する話も,なるほど,やっぱりそうだと。これは行動経済学的に説明がつく?

こういう素晴らしき人々に囲まれ,支えられていることに感謝,の一日だった。




カフェとコンビニ

2006-10-25 23:28:07 | Weblog
「スターバックス」ブランドのチルドカップコーヒーがコンビニで販売されると聞いたとき,ぼくはスタバのブランド力が希薄化すると予想した。1年ほど前のことである。そのときウル母さんから,そうならないと予想します,というコメントをもらった。今日,伊藤園が(日本の)タリーズの(親会社の)筆頭株主になったというニュースを聞いて,そのことを思い出した。

コンビニのスタバはかなり売れているようだ。カフェのスタバも一時期の低迷を抜け出しているらしい。1年ぐらいじゃわからんと言い張りたい気もするが,まあ,とりあえずはうまくいっていることを認めましょう。よく考えると,カフェなんてそんな高級なもんじゃない,などというのは悔し紛れの暴論か。もうちょっと真面目にいうと,ハーゲンダッツがショップとスーパー/コンビニでの販売をうまくミックスしているように,やりようはある,という感じかな・・・。

ただ,伊藤園が自販機で「タリーズ」缶コーヒーを売るようになったら,さすがにタリーズにとってまずいんじゃないかと思う。この予想も外すかな・・・。

お茶目な研究

2006-10-25 01:36:52 | Weblog
ロングテールに関連し,実態を調べたいことがある。オンライン系でもオフライン系でも,小売の顧客データにアクセスできないかと考えている。ツテがあればいいが,そうでなければ研究のアイデアは夢と消えてしまう。だが,少々の困難に屈することなく,知恵を使って,思わぬ方法でデータを入手する研究者たちがいる。

アマゾンは扱っている本のタイトル別販売部数を公開していないし,研究者へデータ提供することもない。ただ,タイトル別の順位は公開している。そこでBさんたちは,ある出版社の協力を得て,そこの出版物のアマゾンへの出荷部数の情報を入手,それと公開されている順位の関係を推定。それを他の本にも適用して,アマゾンのロングテール(ジップ)分布について分析した。

もっと面白いのがCさんたちだ(B,Cとも名前がややこしいので頭文字で表す)。彼らは10分以内にアマゾンから本を10冊買い,順位の変動を見て,売上と順位の関係,すなわち上述の分布を推定した(ふだん順位の変動が小さい本を対象としている)。どれだけ研究費がかかったか知らないが,頭がいい,という以上に,ある種のお茶目さを感じる。

BさんたちもCさんたちも,アマゾンからデータをもらえなくてもめげることなく,他の小規模なオンライン書店に対象を変えるのでもなく(実際はそちらもチャレンジしたかもしれないが),頭を使ってアマゾンのタイトル別売上分布を推測した。こういうことも,研究上重要なスキルまたは才能だろう。

生涯最高の恋人

2006-10-22 11:01:53 | Weblog
気晴らしに読んでみた柴門ふみのエッセイ集『四十雀の恋もステキ』だが,はっとさせられる箇所が多い。売れっ子漫画家にして40代・子あり・兼業主婦の視点は鋭く,かつ暖かい。著者は,10歳以上年齢の若い恋人を持つ女友達について語りながら,次のように書く:

「私は、今度恋をするなら、息子以上に私を愛してくれる男じゃなきゃ嫌だ、と思っている。つまり一日のでき事を細かく報告し、電話をする私にぴたりと張りつき、こたつの正方形の天板の同じ一辺に座って身体を寄せてくる男じゃなきゃ嫌なのだ。」

あるいは別の箇所で:

「私が羨ましいもの、私が今一番ほしいものは十歳未満の子供なのだ。私が失ってしまったもの。そしてもう永遠に手に入らないであろうもの。二千万のダイヤよりも、私はそれを求めている。/いや、待てよ。孫がいるではないか。」

子育てが終わりかけ,あるいは終わってしまった女性にはこういう感覚があるのか・・・いや,男性もそうじゃないか。孫を待てばよい,といっても晩婚化・少子化の今日,あまり期待できない。かといって,よそ様の子どもを勝手に抱き上げたりしたら,逮捕されるのが落ちである。孫が持てない中高年のための市場・・・なんてものをふと想像した。

柴門さんが老人介護の研修に行ったときのエピソードも印象に残る。汚れたオムツの臭いに「ああ,この臭いは,確か昔ウチにもあった」と彼女は感じる。老人と赤ん坊の類似性を感じながら,老人から罵声を浴びたり,つねられたりした苦労も書かれている。

子どもとのふれあいが消えたあと,「家庭」は次第に別のフェーズに入っていく。自分が老いていく以上に,すでに老いてしまった親の問題が出てくる。何とか元気に自立している場合はいいが,誰もそんなことが保証されていない。痴呆の老人は赤ん坊のように無邪気だとしても,子どもような未来に向けた希望がない(もちろんそれは本人以外が勝手に思うことだが)。過去に楽しい想い出があっても,それが現実の前で風化していく日々である。こうした重みも,さりげなく登場するエッセイであった。

本三と神保町の間

2006-10-21 23:44:49 | Weblog
昨日は睡眠不足でふらふらながら,まずは現場の人たちにロングテールの話をした。これについては賛否両論あり,それ以前に様々な誤解・無理解に見舞われ,ちょっと調べると本質的に新しいところがないように見えるが,よくよく調べ,かつ考えると,実はきわめて面白い論点を含んでいる・・・ということを繰り返し語った。どこまで真意が伝わったかわからないが,コメントをくれた数人からは,まずまずの評価を得たように思う。

そのあとものづくりセンターで,ようやく届いたデータについて打ち合わせる。これから追加されるデータも含め,すごい情報量を含むデータセットだと,いまさらながら感じる。優秀かつチャーミングな(そういう言い方ってセクハラ?)博士課程の院生2人と話していると突然所長が現れ,数分だが今後について話す。全体像は依然としてよくわからない。楽譜を持たないで,ビッグバンドのセッションに参加したミュージシャンのような気分・・・? 

そのあと元同僚数人と,最近評判の御茶ノ水の焼肉屋に行く。聖橋から靖国通りに向かう通りは昔とかなり変わっている。それにしても神保町界隈で働いていた頃は楽しかった。企業内の研究で外向けにほとんど何も残しておらず,いまの職場では全く評価されない時間だが・・・。ふと,明治大学で教えている友人を思い出し,こういう場所で働けることをうらやましく思う。

追記: 神保町で働いている頃,会社を辞めるなんて全く頭になかった(といっても定年までいるつもりだったかどうか,全く思い出せない・・・)。学位のため本三まで通い始めた頃もそう。神保町の本屋を毎日巡り,溢れる知的刺激を浴びるだけで楽しい日々だった。あの辺で働くとなると,メージかデンキダイかなーなんてつい。

科研費申請で思うこと

2006-10-20 09:57:10 | Weblog
科研費申請の関係書類を事務に提出。作成に2日間,トータルで15時間以上はかかったのではないか・・・といっても,時間があればもっと書き直したい。こういう研究をしたいということがてんこ盛りになっていて,本人はいたって真剣だが,審査員の先生から見ると訳がわからないかもしれない。

こういう書類を書くといつも感じるのは,学術的には,何であれ「一つ」のことを黙々と積み上げていくのがよい,ということだ。「消費者選好の変化」というテーマでは広すぎる。購買履歴あるいは意識調査データの計量分析,相互作用のシミュレーション,官能検査的な実験・・・これらが,研究集団「ひとり」が行なう,一つのテーマに含まれていること自体,信じがたいことになる。

何てこった・・・

2006-10-18 23:31:20 | Weblog
今日~明日で金曜のセミナーの準備をしよう(何とかなるだろう)と思いながら,午後はずっと会議に出ていた。そこで衝撃の事実を知った! 科研費申請書類の学内提出の期限が,何と金曜に迫っていると。何で気づかなかったか,あああ・・・。今夜は久しぶりにジムに行こうかと思っていたが当然中止。今日はこれで徹夜,明日はセミナー準備で徹夜・・・何てこった。

こういう書類を数時間で書き上げて,かつ通してしまう人っているんだろうか。

講義のリストラ急務か?

2006-10-17 23:44:44 | Weblog
今日はつくばで,MBA向けマーケティング講義の日・・・といってもケースを中心にしたBスクール・スタイルではなく,数量分析を軸に教えている。「現場」でぎりぎり使われているレベルの手法を,直感的にわかる形で理解してもらうのが狙いだ(それに成功しているという自信はないが・・・)。

ふと,大岡山でも同じような講義をすべきなのでは,と思った。理工系の院生だといっても,マーケティングの研究をしたいというより,社会に出るときに備えて,マーケティングがどんなものか知っておきたい,という気持ちの受講者が多いように思える。とすると,マーケティングサイエンスの(現実にはあまり使われていない)モデルを紹介してもしかたないか・・・?

一方,つくばのほうは留学生が多いこともあり,もう少しグローバルな話題を増やしたほうがよさそうだ。全く経験がない領域とはいえ,昨年から今年の前半にかけて少しは調査したわけだし,これからも・・・という意味では,何回か話すことぐらいできるだろう。あと,eマーケティングの話題も現場をよく知らないとはいえ,避けて通れない。

来年は,「研究者の卵」向けのデータ解析の講義が新たに加わる。そこでは離散的選択モデルの理論と応用を教えることが要請されている。したがって,大岡山の院向けに用意したノートを土台に,内容をより拡充し,かつ実習のための教材を用意しなくてはならない。

それぞれの講義のターゲットのズレを修正し,内容を玉突き式に組み替え,かつ新しい話題を(主に自分の研究から)いくつか追加する・・・と考えると,何とかなるかな。

非常勤@大岡山

2006-10-16 23:28:00 | Weblog
2年目になる大岡山での非常勤初日。学部と大学院を連続で教える。学部のほうの受講生はほとんどが2年生だ。ただし,見た目がシニアというのか,貫禄のあるというか,そんな感じの学生が何人かいて,ふうむ,と考えさせられる。

大学院のほうは,経営工学,技術経営の学生は半分ぐらいで,あとは原子とか化学とかいう本格的理工学の院生だ。こういう学生と接する機会は,さすがにここでしかない。用意しているシラバスで誰が満足するのか,いささか自信がない。もう少し少人数になれば,もっとインタラクティブにできるのだが・・・。

ここで教える魅力もあるのだが,非常勤を続けるのはそれなりにしんどい。来年は本務校でのティーチングロードが増えそうだし,研究時間も確保したいし・・・などなど,いろいろ考えるところがある。そういえば長崎から来年に関する問い合わせが来ていた。長崎・・・故郷でも何でもないのに,なぜ惹かれるのか・・・。

ニッチ再考

2006-10-14 00:50:58 | Weblog
昨夜,ある大手小売業の方とお話していたとき「ニッチ」ということばが出た。ニッチということば自体はずっと以前からマーケティングの世界で使われてきた。いわば手垢がついたことばだ。しかし,ロングテール論以降,そのことばはより生き生きした意味を持ち始めている。夕べ「ニッチ」ということばを取り巻いていた文脈もまた,そちら側に属する。

今日,Preference Dynamics という大げさなタイトルの投稿用アブストラクトを書きながら,心の奥底で,新たな(動的)ニッチ論のイメージがうごめいていた。アブストラクト自体にはそれを明示的に盛り込めなかったし,現段階でそうすべきではないと思うが,自分の研究テーマのいくつかをつなぐ,地下水系があることがはっきりした。

ニッチがいかに微細化していくか・・・という問題意識は,バブルの頃によく聞いた,無限の差異化プロセスなどという議論とどう違うのか・・・という話になれば,岩井克人氏の「キャベツ人形の資本主義」(『ヴェニスの商人の資本主義』所収)が思い起こされる。そこでいう差異化とは,他者に対する差異化であるが,ロングテールにおけるニッチの動的生成は,それだけで説明されない何かであるように思う。

いくつかのアイデアが頭のなかを駆け巡る・・・というと聞こえはいいが,要は整理されていない。いずれにしろ,ニッチということばが新しい意味を持ち始めたことに,マーケティングあるいは消費者行動の研究がもっと反応しなくてはならない。

しつこくていいと思います

2006-10-11 21:23:28 | Weblog
12月の国際ワークショップの申込み期限が迫っている。共著者の一人,片平先生に分析をやり直して投稿したいとお伝えすると「なかなかしつこくていいと思います」とのコメントをいただいた(とりあえずお褒めのことばと受け取る)。またメールの文末に「「さん」で呼んでいただけるとうれしいです」とも…うーん…実際に指導を受けた「先生」なので「さん」とは呼びにくいなあ。外人と一緒のとき,ファーストネームでお呼びしたことはあるが…(汗)。

実際「しつこく」やっているかというと,もう一人の共著者芳賀さんと打ち合わせてから2週間経つが,その間この論文について,ほとんど何もできなかった。それでほんとに間に合うのか,という不安。先日お会いした里村さんに,ドタキャンはありかなというと,それはだめですよと言下に否定された。プロシーディングスに間に合わないのは,仕方ないとしても…ああそうか,それなら何とかなるか…。

明日~明後日は東京でいろいろ打ち合わせがあり,土日は大学が全館停電だ。来週のセミナーの準備もある。月曜から非常勤2コマが始まる。どこかで集中できる時間を取らないといけない。あとは夜中に MCMC を走らせるだけだ。しゃべるだけなら文献サーベイはほどほどでいいだろうし,などと不埒なことを思う。

と,某研究会から,年末に2泊3日で合宿をやるぞ,というメールが届いた。1泊2日というのがぼくの常識だったが,さすが工学系,ビール片手にがんがん議論するのを,二晩連続でやろうというのだ。それで何が得られるのかわからないが,しつこくていいと思います。




好かれる方法

2006-10-09 23:54:35 | Weblog
好かれる方法』という新書をタイトルに引かれて読んでみた。理由はいうまでもなく選好形成の研究に何か参考にならないかと思ったからである。本の帯には,著者である矢島尚氏は,昨年の総選挙での自民党の大勝に貢献したPR会社のトップだと書かれている。そこで,世論誘導のプロがその極意を明らかにするのかと期待させられる。

しかし,本書の冒頭(p.11)で著者は以下のように述べる・・・

 私たちは魔法の杖を振り回してカボチャを馬車にすることは出来ません。また一般の人に催眠術をかけて「このカボチャは馬車だ」と信じ込ませることも出来ません。
 その代わりに,顔中が灰で汚れている女性の顔を拭いて,本来の美貌を見出すことは出来るかもしれません。さらに彼女をお城まで連れて行って,「この人は王子のお妃に向いています」とお勧めすることのお手伝いもできるかもしれません。
 つまり私たちが出来ること,やっていることはあくまでも,対象が本来持っている魅力を最大限にアピールするためのお手伝いなのです。

・・・著者は,さすがに一流のコミュニケータだけあって,自分たちの力を誇示せず,かつ批判を避ける見事な表現をしている。また,これが当事者としての実感であろうとも思う。現実には,思ったようにコミュニケーション戦略が成功しないことは多々あるはずだから。

だが,灰で汚れた顔を拭いてあげたあと,素顔に化粧を施すことはないだろうか。あるいは,いくつもある「素顔」のどれを出すかを戦略的に操作することはないだろうか。いうまでもなく,そこがコミュニケーションビジネスの極意となる部分のはずだ。

選好の形成/変容についても同じことがいえるだろう。誰にとっても美しいものは美しく,魅力的なものは魅力的だ。それは決まりきった,一種のルーティンといってよい。ただ,多数ある美しいもの,魅力的なものから特定のものを選び,あるコンテクストを構成することで,人間はある方向へ「誘導」され得る。

そう考えると,矢島氏がPRの機能をメルヘンの比喩で語るのは意味が深い。それがまさに,コンテクスト操作の例といえるだろう。

大学ブランドランキング

2006-10-09 10:10:12 | Weblog
今日の日経MJに大学のブランド力調査の結果が紹介されている。実施したのは丸の内ブランドフォーラム,対象者は大学進学希望者,親,企業の採用担当者の計3,600人。掲載された表から見る限り,入学意向度,採用意向度,推奨意向度,好意度の4指標(1位回答率)の合計から総合ポイントが計算されている。

関東圏での調査の結果では,やはり東大がダントツに高く,少し離れて慶応,早稲田,京大となる。興味深いのは,それに続くのが一橋や東工大ではなく,上智,青学であること。また,関東以外に立地する大学で,関東圏の回答者が上位20位以内に挙げたのは,京大以外は北大だけであること(残りの旧帝大は入っていない)。ちなみにわが勤務先は7位なのだが,そのあたりは団子状態なので「たまたま」ともいえる。

入学意向度というのは,入れるなら入りたい,という意味だろう。とすると,関東圏の大学進学希望者の3割近くは東大,5割近くが東大早慶のいずれかに「理想としては」行きたいが,「現実には」それ以外の大学に行くしかないという構図になる。そういう意味では,2位以下の回答を分析すると,どんな構造が浮かび上がるのか興味深い(選択集合が変わっても,大学間の選好順位自体は不変なのかどうか・・・)。

ちなみ関西圏では京大がトップで面目を保っているが,東大が2位につけている。そして阪大,関学と続く。慶応も比較的ランクが高く,関西人は東京ブランドにも高い評価を置いているようだ。

記事の見出しでは,芸術系大学の順位が比較的高かったことに注目している。関東圏では東京芸大が10位,関西圏では大阪芸大が12位に入っている。大阪芸大は確かに広告をよく見かけるし,企業努力しているのだろう。その結果,関西圏でそれなりの地位を築いたということか。

WOM Mktg in Practice

2006-10-07 09:55:31 | Weblog
昨夜の消費者間相互作用研究会では,電通でWOMコミュニケーションの研究,実践にあたる宮本さんのお話を聞いた。テーマは,広告実務におけるWOMマーケティングの位置づけ,日本での実際のキャンペーン例,効果測定の試み,倫理規定など多岐にわたる。広告ビジネスはグーグル的な自動化の流れと,消費者自身が自律メディア化する流れのなかで,より複雑になっている。自分自身の授業の内容は,なかなかそれに追いつかない。

この研究会では,マーケティング研究者の参加者は多いときでも4~5人で,大半は理工系の研究者で占められる。彼らはクチコミや消費者間相互作用のモデル化に強い興味を持っている。こちらサイドからも研究が進んでいることを示したいが…。