Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

ブログからのトレンド予測

2006-07-31 20:16:41 | Weblog
届いたばかりのマーケティング・ジャーナルNo.101に,CGM関係の論文が出ている。1つは前田邦弘,山本浩一「消費者メディアを活用した新しいトレンド予測メカニズムの可能性」。ブログでの書き込み数をトレンドの代理指標とし,それを「予測市場」の対象としようという提案だ。

もう1つは森岡慎司,長谷川想,山川茂孝「AISASモデルによる口コミの形成過程におけるプランニング作法の提案」。電通バズリサーチ powered by GALA によって測定されたクチコミの事例が紹介されている。そういう例を選んだということだと思うが,TVスポットなど,マスとのきれいな連動が示されている。

予測市場の話を読みながら,ちょっとばかし悔しい心境になる。5~6年前,市場メカニズムこそ入ってないが,予測コンペティションを通じて精度の高い予測システムを作ろうとした。それから時を経て,より発展した形で,別の会社で花が咲こうとしている。もちろん,深くコミットしてこなかった自分が悪いのだ。

データ解析とABMに共通する問題

2006-07-31 18:29:49 | Weblog
データ解析に用いられる最新ツールの多くは,大局的な最適解への収束が保証されていない。そこで初期条件をいろいろ変えるなどの工夫をするものの,計算時間にも限りがあり,どこかで妥協するしかない。これはまさに H. Simon のいう満足化(satisficing)にほかならない。

得られたモデルが,何らかの比較モデルに対して,予測精度をある程度改善している。もっと計算を続ければ,さらにいい解が見つかるかもしれないが,そのコストを考えて,この水準で満足しよう…という判断の根拠をどこに求めるのか? 満足化が許容されるには,知識は漸進的,試行錯誤的に「進化」するという観念,全体は部分(Building Block)の積み上げによって連続的に形成されるという前提が必要だと思われる。 

満足化という考え方を受け入れるのが難しいのは,ビジネスあるいは純粋な学術研究より,公共政策の分野ではないかと思う。失敗するぐらいなら,何もしないほうがいいという世界だから。そこで,一意な解への収束が保証されているという理由だけで,現実から遠ざかったモデルが使われるとしたら,本末転倒な話だ。

真のパラメタに到達したという保証がないこと,さらには定式化の誤りがつねにつきまという点で,データ解析と ABM は共通の悩みを抱えている。だとすると,両者の間にもっと対話があっていいはずだ。蓋然性よりは,起きたときの重要性に注目するシナリオ発想やチャンス発見も然り。追求する世界が Likely-to-be World と Could-be World とで違うといっても,世界としては連続していると考えられないか。そう考えるべきだ。

KISSからKIPPへ

2006-07-30 10:17:06 | Weblog
「ゲド戦記」を観てから専修大学@神田神保町に行き,Agent-Based Modeling (ABM) に関するシンポジウムに出席。ぼくの報告は,ABMのビジネス利用に関する思い出話と,今後の可能性に関する与太話。

従来の Keep It Simple, Stupid(KISS)原理に基づくシミュレーションでは,蟻のような知能のエージェントの相互作用からマクロ的な秩序を「創発」させるのが醍醐味であった。理論研究としてその意義はあるが,実用目的(ビジネスののためのフライト・シミュレータ)を目指すには Keep It Plausible, Practical が必要だというのがぼくの主張だ(KIPP原理と名づけたが,いまいちかな)。ただ,このへんは,少なくとも寺野さん,出口さんあたりは織り込み済みだったようだ。

構造計画の服部さんを加え,高橋さんの司会でパネルディスカッション。なかなか面白かった。ぼくは偉そうに,Maximum Likelihood だけでは ABM は生きてこない,Sufficiently Possible & Critical Scenario を潜在的に含むような計測をどう行なうか,という問題提起をした。もちろん,その答えはない。まさにシミュレーションで試したいところだが,いつ着手できるか…。

聴衆のなかに鳥山さんがいた。消費者の予測能力,CGMや検索連動型広告によるメディアの適応エージェント化といった話題に関心を持ってもらったようだ。懇親会で熊倉さんから「老いてますます盛んですね」といわれる。老いて口はますます達者だが,ふだん,ぐたー,ぼけーっとしているのが真実だ。だが偉そうな発言をし,誰かがそれを覚えていることで,体面を保つためにぎりぎりの仕事をする。最近は,そういう生き方になっている。

北中さんによると,京都の学会,そろそろホテルを予約しないとやばいようだ。その前に,来週から長崎で集中講義が始まる。ぐたー,ぼけーっとしていられない。


やっぱり,なるほど,ずっと

2006-07-29 00:04:54 | Weblog
WBSに前・アップルコンピュータ代表取締役の前刀禎明氏が出演,ヒットの秘訣は「やっぱり」(ブランド),「なるほど」(バリュー),「ずっと」(リテンション)だと語った。ブランド,バリュー,リテンションというのは,Roland T. Rust がいう Customer Equity の三要素だが,前刀氏は独自の解釈を与えている。

前刀氏は「やっぱり」→「なるほど」→「ずっと」というステップとその繰り返しがヒットを生むという。「いろいろあるけど,やっぱり iPod だよね」というカットオフがあって「ほれほれ,背面の鏡面加工は…だから少々…でも」というトレードオフがくる,と考えるならば,それはまさに二段階選択モデルである。

ぼくが興味を持つのは,iPod が最初に「やっぱり」といわせるブランド力をなぜ持ち得たかである。つまり,最初の一撃は何だったのか。従来の Mac ファンがそのまま移行したわけではない。以前聞いた講演では,Mac 支持者が多いアーティスト,ミュージシャンたちがインフルエンサーになったと示唆されていたと記憶するが…。

最後に前刀氏は,ヒットを起こしたければ,他社のヒット製品に追随するなという教訓を述べた。当たり前のようでいて実践するのが難しいことは,研究者の世界にもはっきり示されている。このことを,いま痛切に感じている。自分は非常に面白いと思うのに,周りがそう思ってくれないということは,チャンスと考えたほうがいい。

ストライクゾーンと内角高め

2006-07-28 23:28:00 | Weblog
某社・製品開発のリーダー,K専務への取材。ブランド戦略を「ものづくり」に反映させる方法論をお聞きする。カテゴリやマーケットごとに,属性空間上のストライクゾーンが違うが,そのなかでどこを狙うか,ど真ん中か外角低めか,はたまた内角高めかを,全社的なブランド戦略に基づき一貫させるという。そのほかにも,興味深いお話を伺った。

顧客満足あるいは競合への優位を総花的に高めるのでは,ブランドとしての個性や統合性が生まれない。そのための開発の方法論や成果の評価をどうするか。デザインのような,計量が難しい要素をどうするか。現場の進化に,研究が追いつかねばならない。

気持ち分析

2006-07-27 07:40:41 | Weblog
テレビで「気持ち分析トーク」というサービスを紹介していた。携帯電話の会話から,相手の感情を識別し,数分後にそのレポートを返す。相手が会話に集中しているか,自分に期待しているか,から始まって,愛情の度合いまで判定する。

元々は,イスラエルで軍や警察の尋問用に開発されたという(尋問される容疑者が刑事に愛情を抱いているかどうかを判定する?…ということはさすがになくて,音声による嘘発見器が原型,ということのようで)。

音声の波形と感情の関係を何らかの方法で学習させているのだとして,感情のほうはどう測るのか? 被験者の自己申告だろうか? 「無意識」の感情はどうする? マジに興味あります。

相手の心を読もうとするのは,人間の本性だと思う。それを支援してくれる装置。ぼくには,ジョーク以上に興味深い。この装置がさらに発展し,補聴器のように耳につけられるようになったら…。

一般的な反応は「どうせ分りっこない」と「分ったら,かえって困る」に二分されると思うが,気持ち分析の効用を考えるのも面白い。人間用バウリンガルで,自分という,よくわからない動物の「心」を解読するというゲーム。

広告の電子取引市場

2006-07-26 18:16:21 | Weblog
全米広告主協会と広告業協会が,広告の電子取引市場を開発するタスクフォースを発足させたというニュース。広告業協会も加わっているというのが,日本的感覚からするとすごい。もちろん「TVネットワークなど大手メディア会社では、広告のコモディティ化につながるということで参加できないという意向を示しているようだ」とのこと。

広告の電子取引市場については,阿部さんが2002年にその可能性を理論モデルで示している(日経広研所報,202号)。かなり先駆的であったといえる。その後,検索連動型広告が登場し,消費者が生成するメディアが広告枠になってくるなど,阿部モデルで扱われていない要素が現れている。

ABM の実用性に関するプレゼンを準備しながら,少し気になってきた(その前にやるべきことがいっぱいあるはずだぞ!)

経済学ですべて解明?

2006-07-26 13:39:52 | Weblog
伊藤元重のマーケティング・エコノミクス』という本が本屋に平積みされていた。日経MJに連載されていたコラムをまとめたもの。帯に「消費者の行動も企業の戦略も,経済学ですべて解き明かせます!」とある。これは出版社が考えた文章だろうけど,世のマーケティング研究者たちに「皆さん,それでいいの?」と問いたくなる。

マーケティング・サイエンスを研究する上で,(ミクロ)経済学や産業組織論の知識があったほうが望ましいのは事実だ。しかし,心理学だって同じぐらい(あるいはそれ以上?)大事なはず(それは,行動経済学でカバーしている?)。

もちろん,この本は,そんなにゴリゴリの経済学ではないし,「すべて解き明か」されているわけでもないので,マーケティングの研究者にちゃんと仕事は残されている。TVのニュース番組で国際金融や景気の動向を解説することは無理でも,マーケティングの問題で,実務家向けにわかりやすい本を書くことぐらいはできないと。

ゼミ合宿@那須

2006-07-25 19:15:44 | Weblog
朝8時半出発→宇都宮IC近辺でカーナビがフリーズ→那須IC近くのそば処深泉(うまい!)→ゼミ→ホテルサンバレー那須,水着を着て露天風呂→リストランテ・アリア・デリ(パスタはなかなか,ワインもよし)→学生の部屋で二次会(いいちこCCレモン割り)→朝寝坊して朝食逃す→殺生石やら吊り橋やら…→寿々木食堂(サイコロステーキ1,000円は確かに安い)→カーナビの命じるまま外環経由で帰る(2時間強…)

ゼミでは,各人の研究計画を発表してもらった。B4の三宅君は学生向けバイト広告の成功要因を研究したいという。グルーピング評価グリッド法が使えないかと考える。上原君は男性向けファッション誌の記事をテキスト・マイニングをするという。ただ,他のどういうテキストと比較すべきか,読者の意識をどう取り入れるか,なかなか悩ましい。

飯塚君は,バイラル・マーケティングをABMしたいという。そうはいっても範囲は広いので,どこに焦点を当てるか。時間かけてブレストしなければならない。紅一点石川さんは,消費者とファッションリーダーの関係をABMすることを目指す。そこにブランドという要素を組み込み,トライアドモデルにすると面白いのでないかと助言。

M2の池田君は消費者間影響関係を,購買履歴データから探る研究を行なっている。現在,アルゴリズムのチェックを継続中。影響関係と単なる時間的先行との識別も視野に入れる。今年は論文と無縁のM1水野君はRを使ったABMを披露した。何も発表しなかったのは,指導教員ただ一人。温泉に浸かり,美味しいものを食べて飲んだ。あまり勉強しないゼミ合宿を始めて3年目になる。

自己紹介します

2006-07-23 18:44:32 | Weblog
8月末にある「若手」同僚との研究会に,自己紹介文を書かなくてはならない。他の参加者のそれと比べてあまりに情けないのが「主要論文」の欄。昨年以来,投稿した論文のうち,不採択2,返事待ち2,好意的と思われる回答1という状態。せめて forthcoming とか in press とか書けるものがあればいいのだが…。

で「現在進行中の研究テーマ」という欄には(概ね)次のように書いた:

1)消費者の選好がどのように形成され,変化するか(させられるか)を理論化することが研究上の「夢」です。最近特に,社会的相互作用(影響,学習,模倣,差異化…)の役割に注目しています。パネルデータを用いた計量分析や実験的研究のほか,エージェントベース・モデリング(ABM)なども行なっています。
そうした研究に関連する方法論として,消費者の多段階の選択ヒューリスティクスをどう測定するか,経験的なABMがどこまで可能か(局所的な情報で相互に学習し合うエージェントがどこまで「全体」を再現できるか)なども研究している。

2)マーケティング実務に近いテーマとして,仕事まわりのライフスタイル(クリエイティブ/パワー志向)によるセグメンテーションの研究。

3)ものづくりとブランディング。自動車の技術属性とブランド戦略の整合性に関する研究プロジェクトに,最近関わるようになりました。

1番目には,実はいろんなテーマが含まれている。こうまとめて書くと,自分の問題意識としては,どこかでつながっていることがわかる。いつか,本当につながり始めるとうれしいが…。

明日から那須へゼミ合宿。今日は睡眠を十分とる必要があるが,火曜までの原稿が一つある。

3週遅れの投稿

2006-07-21 13:55:49 | Weblog
「日本人の階層帰属意識とその生活・消費意識へのインパクト」  自らの階層(相対的生活水準)に関する意識が消費に大いに影響し,セグメンテーションに新しい視点をもたらすことを示した(つもり…ただ,変数が多すぎてわかりにくいかも)。エリアエディター,レビュアーの意見にできるだけ沿うべく大幅に改稿し,本日やっと再提出。「格差」の問題はいま関心を集めているので,何とか早く掲載されるといいのだが…。

Assessing the Short-term Causal Effect of TV Advertising via the Propensity Score Method" w/ T. Hoshino  傾向スコアという新手法で,TV広告に短期的な販売効果があるかどうかを検証。広告露出と購買の双方に影響する共変量の影響を取り除くと,広告から購買への影響が違って見えてくる。原稿はできていたのだが,本日ようやく電子投稿した。どんなレビューが届くだろう…。『TVCM崩壊』という本が明日発売されるそうだが…。

いずれも6月中に終える目標を立てていたので,約3週間の遅れ。すでに7月の後半に突入している。次に何をしなくてはならないか。来週早々ゼミ合宿で,週末はシンポジウム。きついが,まだ破綻してはいない。

消費者調査 進化の方向

2006-07-20 08:17:10 | Weblog
昨夜のワールドビジネスサテライトでは,ITを使った消費者調査が紹介されていた。まずはインタースコープの「チャット評価グリッド法」。従来,半構造化インタビューの対象者になりにくかった層へのアプローチを図っている。

番組のなかで,モニタの女性が「自分の回答が実際の製品開発に反映されたりするとうれしい」というようなコメントを言っていた。だから調査に積極的に参加するという話になると,従来の消費者調査における,ランダム・サンプリング→代表性(スープはかき混ぜてから飲め)という論理から見て,かえって困ったことになるかもしれない。しかし,従来の調査においても,調査に協力する/しないというフィルターは実は存在したし,その重要性を指摘する研究もあった(と記憶する)。

それを考えると,対象者の能動性・積極性をむしろ前向きに評価し,活かしていく発想が必要かもしれない。自分の意見が反映されるという喜び,楽しいインターフェースで回答することの快感が「調査の質」をいかに改善するか。世界は広いのだから,そのへんを示した研究がすでにあっても不思議ではないが,どうなんだろう。

調査の質という考え方はあいまいに聞こえるが,現場感覚としては確かに存在する。その考え方を推し進めると,調査対象者の選択についても,面白い展開が出てくるだろう。マーケティング・リサーチには,社会調査とは違う進化があり得る。

ところで初耳だったのが,タナックスという会社の店頭購買プロセス調査システムだ。商品にICタグをつけ,買い物客が何秒その商品を手に取り,結局棚に戻したのか買っていったのか,などを測定している。動線追跡システムと組み合わせると,店内行動はますます立体的に測定できるなあという印象。そうしたデータから何を掘り起こすか。

心脳コントロール社会

2006-07-18 02:18:32 | Weblog
最近出たばかりの小森陽一『心脳コントロール社会』。自分にとって「緊急度」が高い本だと感じたので,他の本より優先させて,すぐに読んでみた。

著者はザルトマン『心脳マーケティング』の紹介から始まって,脳科学を基礎にした「マインド・マネジメント」(=心の調教)手法が,ブッシュや小泉政権などの政治的プロパガンダに使われていると批判する。いわく「…その人が何が好きで何が嫌いか…という,個人の尊厳の最も要となる人格を形成する価値観(感)自体を,本人にそうとは意識させずに組み替えてしまおうとしているのですから…人間それ自体を崩し,動物化させる犯罪なのです」。

率直に感じるのは「心脳マーケティング」はそこまでパワフルなのかという疑問だ。日本近代文学の研究者である著者は,脳科学の入門書を引いたり,フロイド流発達心理学に依拠して議論する。そこには仮説として面白い部分がいくつかあるものの,概念的にあいまいで,実証的根拠のない話が多いように感じる。確かに,キャンペーンを見事に展開するコンサルタントはいるだろうが,それを支える「科学的」基盤が確立しているとは,残念ながら思えない。先の総選挙における自民党・世耕議員らの活動にしても,神話化されすぎである。

マインド・マネジメントが可能だとしたら,それは人間の意識や選好が可塑的であるからだろう。それは,政治やビジネスに限らず,あらゆる場面で利用されてきた。この本自体,心脳マーケティングの実力を過大視した上で,善悪二分論を展開しているから,プロパガンダのテクニックを見事に実践している。そういう意味では,岡田斗司夫『ぼくたちの洗脳社会』 は,より深いところを突いていた。

少数の「権力者」が一方的に「心脳コントロール」しているかどうか別にして,様々な勢力がお互いに影響を与え合い,相手の知覚,記憶の想起,さらには選好を変容させようと「努めている」こと自体は確かだ。この本に不満があるなら,マーケティングあるいは消費者行動の研究者として,それに代わる答えを用意すべきだろう。時代は思ったより早く動いている。少し焦りを感じる。

サンタフェを思い出す

2006-07-16 17:04:09 | Weblog
ここ数日,計測自動制御学会のシンポジウムに向けて,発表資料を準備してきた。いただいたお題は,Agent-Based Modeling (ABM) の課題を実務の立場から語ること。そこで,1990年代後半から2000年にかけての一時期を振り返ることになった。

あの頃サンタフェ研究所には,ノーベル賞級の研究者から一攫千金を狙うビジネスマンまで,いろんな人間が出入りして,夢が語られていた(最近はどうなんだろう・・・)。メガ・コンサルティング・ファームがポスドクを何人も雇って梁山泊のような組織を作り,何台もWSを並べて予測やシミュレーションのビジネス化に乗り出していた。

検索すると,当時のセミナーの様子を伝えるウェブページ[1][2]がまだ残っていたりする。そこで活躍していた人々はいまどうしているのだろう。なかにはまだ頑張っている,あるいは成功したケースもあるようだ。複雑適応系のロジックどおり,淘汰が行なわれたということだろう。よく考えれば,まだ5~6年しか経っていない。

当時の熱気を思い出しつつ,ABM の今後の課題について考えた。原稿の提出期限までに,完全にクリアにはならなかったが,もう一つの宿題(WEB2.0! ロングテール! この俺が?)と合わせて,漠然とこれじゃないかと思うものはある。5年前の気持ちを思い出しつつ,この5年間に経験し学習したことも大事にしたい。残された時間はあまりないのだ・・・。



ジャズという通貨

2006-07-16 10:42:21 | Weblog
今朝の日経によると,モントゥルー・ジャズ・フェスティバルでは「ジャズ」という通貨が流通しているという(1ジャズ=1スイスフラン)。残ったジャズのコインを持ち歩きながら,来年また参加するのを楽しみにする,とお客さんの声。

ラーメン屋のポイントカードもそうだが,中身が伴ってこそ,あと一押しの仕組みとして有効になるのだろう。

モントゥルーは気候がいいらしい。参加者の6割がスイスのフランス語圏,2割が同・ドイツ語圏,残り2割が「世界中」ということらしい。通貨はジャズだとして,通用する言語は何なのだろう(…やっぱりジャズ?)。