Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

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金融工学は使えるかも

2008-01-31 22:59:27 | Weblog
昨日,午前中はやはり卒論発表会。聴講した発表のいくつかは,金融工学関係の研究だった。使われている方法論はヒューリスティクスから数理計画法まで様々だが,現実の市場で「勝てる」プログラムを作ろうとしている点では共通だ。そうか,金融工学とは「ゲーム」プログラミングなんだと感じる。

午後は授業。補講のせいか,小テストをしないと事前に宣言したせいか,いつもの半分ぐらいの出席率だ。そのあと,急いで東京へ。

夜はJIMS部会。今日のスピーカーは駒澤大学の山口さん。「リアルオプション」から始まり「予測市場」そして「仮想経済」へと話が続く。リアルオプション・・・つまり,金融工学が実物的な投資プロジェクト,R&Dから広告まで幅広く応用されようとしている。マーケティングサイエンスの広告研究は,不確実性を減らす方向で努力をしてきたが,リスクをリスクとして管理しようとする方向もあるわけだ。ううむ・・・高度な数学に脅えて避けてきた金融工学だが,使えるかもしれないという気がしてきた・・・。

「予測市場」は前から関心があって,かつて,その「もどき」に挑んだ時期もあったが,すでにこんなに広がっているのかと少し驚く。ただ,市場が効率的に情報を集計し得るというのは,行動経済学的にどうなんだろう・・・アノマリーやバブルはないのか・・・山口さんは(経済学者ではないので?)このあたりは柔軟な立場を取っている。個人的には,合理的期待のようなトップダウン的設定でなく,もっとボトムアップ的な立場から,市場の機能を解明できないかと思う。

「仮想経済」が成長し,現実経済にも影響を及ぼし始めているという話も刺激的だった。ゲームのポイントと実際の貨幣との交換のような直接的な関係以外に,仮想経済が人々の時間をどんどん浸食するという間接的な関係もある。二次会でも議論が続き,最後は国家とは何かという,マーケティングの研究会らしからぬ話にまで膨らんでいった・・・。

そして今日は,しこしこと明日の授業の準備。眼鏡屋。そして夜,調査設計のための実務家インタビュー。いくつか貴重なヒントをいただきました。

昨日入手した本

Oz Shy, How to Price: A Guide to Pricing Techniques and Yield Management, Cambridge UP ... 著者は産業組織論の経済学者と思っていたが,こういう本も書くんだ。確かに両方とも応用ミクロではある。

管賀江留郎,戦前の少年犯罪,築地書館 ・・・戦前の少年犯罪のほうがより凶悪であったと。 「戦後」手に入れたよきものを失うべきでない。
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遠回りした1月だった

2008-01-29 23:29:16 | Weblog
午前中,卒論発表会。アフィリエイト広告が,金銭目当てでないブロガーに支えられているという主張に,ロングテールとの関係を問う質問。ブロガー間の関係にスモールワールド性を入れよというコメント。いずれもごもっともで,MAS コンペまでの課題としたい。途中でいろいろ躓きはあったが,最後はけっこう面白い結果になった(・・・他の先生たちはどう思っているか知らないが)。努力は必ず報われる(多分)。

そのあと卒論の最終提出日や校費の執行期限を勘違いしていたことを知り,ドタバタする。大学という組織は,2月に入るか入らないかという時期に年度末モードに入っていく。3月になってプリンターのトナーがなくなったら,どうしよう・・・買い置きするか,しないか。納期が不確実な MacBook Air は来期購入する(かどうか検討する)ことにしよう。

昼過ぎから MBA の「マーケティング」講義。久々に小テストをやると,長い眠りから目覚めたように学生たちが「活気づく」(といってもポジティブな意味かどうかは・・・)。もっと対話を誘発せねばと思いつつ,用意した講義内容をこなすのに時間いっぱい使ってしまう。来年は,「サービスイノベーション」のデータが用意されるので,もっと参加型の授業になるのでは・・・。

そのためにも,というわけで,今夜も銀行利用者調査企画に取り組み,一段落。だけど,これでイノベーションに役立つのだろうか・・・という,いまさらながらの問いかけが頭をもたげる。専門家,実務家を回って教えを乞うしかない。そして,もう一業種の調査も準備しなくては・・・年末に描いた1月の研究計画と全く違う姿になってしまったが,これはこれで,今後の重要な布石になるのだ・・・。

本日入手した本

週刊東洋経済,1/26号(実は先週号)「スポーツビジネス完全解明」特集 ・・・数日前書いたように,スポーツビジネスは選好形成,サービスイノベーション,いずれの観点でも面白い素材だ。ただし,この特集の冒頭にあるような世界的競争より,地域に根ざして低コストで強力な人気を獲得している例に興味がある。
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本を読めない別の理由

2008-01-28 18:53:09 | Weblog
原稿を送り,教材を少し作り,卒論を打ち合わせ,夜は銀行調査仕様の文書化。何とか今日中に・・・と思う。新年会?が1つキャンセルに。

最近急速に,小さな字を読むのに苦労するようになった。遠近両用のコンタクトレンズは,効くか効かないか個人差があるという。1枚3万円。それとも,単に老眼鏡を買えばいいのか?

本日入手した本:

盛山和夫(編著),リーディングス戦後日本の格差と不平等1 変動する階層構造1945-1970,日本図書センター ・・・読みにくい。

浜田宏,格差のメカニズム 数理科学的アプローチ,勁草書房

佐藤博樹,小泉静子,不安定雇用という虚像 パート・フリーター・派遣の実像,勁草書房

村井俊哉,社会化した脳,エクスナレッジ

・・・最初の3つはどれも「格差」に関係がある。自分の研究上,そうプライオリティが大きいテーマではないのに,つい買ってしまう。社会のありようは,消費に大きな影響を与えるという思いがある。競争の結果,勝者と敗者が生まれ,富者と貧者が生まれるのは「必然」かもしれない。しかし,人間がそれをどう知覚するかには,もっと自由度がある。そうした知覚が現実の格差にフィードバックする。消費は基本的に知覚の上に成り立つから,格差の影響は一筋縄にはいかないはずだ。
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遠い過去としての大阪

2008-01-27 23:41:10 | Weblog
昨日,クリニックで花粉症の薬を入手したのち眼鏡屋へ向かう。そして高校の同窓会・・・帝国ホテルに大阪弁が飛び交う。三次会まで参加したため,今日は夕方まで二日酔い(昼の3時から飲んでいたわけで・・・)。大学に着いたとき,自宅に携帯電話を置き忘れたことに気づく。しばらく電話のない生活となる(あるのは研究室の固定電話のみ)。

B4と卒業研究の打ち合わせ。論文は提出済みだが,明後日の発表会に向けた準備が必要だ。今回のシミュレーションでは,アフィリエイト広告は,利益目的でないブロガーが一定以上いないと拡大しない・・・最後になって面白そうな結果が出たようだ。数理や情報工学の先生方にどういわれるか・・・それはそれで楽しみである。

明後日に迫った原稿を書き始める。テレビで大阪府知事選に「タレントで弁護士の」橋下氏が当確と報じている。二位の元阪大教授・熊谷氏を倍近く引き離しての「圧勝」だ。インタビューで橋下氏は,小泉元首相のように,改革には細かいことをいうより,大きなスローガンを掲げることが重要だと語る。大阪人は彼にどんな「改革」を期待しているのだろう・・・。
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「広島化」からの脱却

2008-01-26 11:49:40 | Weblog
FAでカープからタイガースへ移籍した新井が「先輩」金本と自主トレで談笑している写真。カープからドジャーズに移籍した黒田は,LAにキャンプにくる金本との会食を楽しみしているという記事。広島カープ出身のスター選手たちは,強いネットワークで結ばれているようだ。てことは,それがさらなる「流出」を招くのか・・・(次は栗原をいただくという阪神ファンがいたなあ)。

無名の選手を「一流」に育てたところで,他のお金持ち球団に奪われてしまうパタンが続く広島カープ。しかし,似たような関係が,日本のプロ野球と米メジャーリーグ(MLB)の間にも成り立っている。これを,日本球界全体の「広島化」と呼んだのが,江本孟紀である(昨年末のアエラによる)。

企業でも,金をかけて留学させたら,MBAを土産に転職されてしまったとか,広島化に似た現象は少なくない。留学までいかなくとも,人材育成にはコストと時間がかかる。育った人間が出ていってしまう損失を考えると,内部で育成しないで,外部からすでに完成された人間を取ったほうがよいと考える企業が増えるだろう。そうなれば,逆に「安く買った」人材を育てて「高く売る」戦略もあり得るかもしれない。

一方,内部に優れた人材を持ちながら,ひたすら外部からスタープレイヤーを採り続けるのが「巨人化」現象だ。ふつうなら,自分の活躍する余地が奪われてしまった内部出身の人間がどんどん流出しても不思議ではないが,そうならないのは,圧倒的な名声とリソースのおかげだろう。ベンチウォーマですら,引退後は「元巨人」の肩書きで食っていける。同じようなことが,一部の大企業や有名大学にあるのでは・・・。

広島化と巨人化には,ともにポジティブ・フィードバックが働く。広島からは人気選手がいなくなって観客収入が減り,選手の給料を上げられなくなり,ますます選手が流出する。一方,巨人は潜在力のある人材を抱え込んで離さない。人材の流動化といっても,観客の少ない球場でレギュラーになるより,観客の多い球場でベンチウォーマでいるほうが選好される。弱小球団に優れた人材が回らないから,相対的優位を維持できる。

だから,winner-take-all なのだと結論して終わるわけにはいかない。それは,独占が進行して資本主義が滅びるという,現実によって裏切られた予想の焼き直しにすぎない。他の産業の経験は,閉塞がイノベーションによって破られることを示している。それを起こすのは企業・・・つまり,弱小球団がイノベーションを起こして生き残るか,死滅して新たな参入者に道を譲るしかない(プロ野球産業自体が衰退するというシナリオもあり得るが・・・)。

パリーグの日ハム,楽天,ロッテを見ると,それぞれイノベーションの萌芽が感じられる。最近マスコミで話題になる選手は,パリーグのほうが多いように見える。しかし,それが持続するビジネスとして成功しているかどうかは,まだわからない。現実には,親会社の持ち出しが多いはず。スポンサーシップの効果はあがっているのか・・・その測定が難しいだけに,議論を進めにくい。

結局,最後の鍵を握るのが,ファンの選好がどうなっているかだろう。どのチームを応援するかに合理的な理由はない。それゆえ,幼少期に形成された野球チームへの好みを変えることは,そう簡単ではない。消費者選好の形成と変容の研究にとって,スポーツビジネスはけっこういい研究材料になる(いまさら,ではあるが・・・)。経営戦略,組織(マクロ,ミクロ),会計,マーケティング・・・といった諸分野の学際研究にもいいテーマだと思う。

無名の選手が努力を重ねて頂点に立つとか,弱小チームを立て直してチャンピオンを倒すとか,ハリウッド映画に多いストーリー。現実には「長いものに巻かれ」がちの日本人も,そうした話は好きである。それが現実のスポーツビジネスにとって参考になるかというと,そんなに甘くないだろう。だが,稀な現象であれ,既存の秩序を覆す行動を研究することは,社会的な価値が大きい。たとえそれによって厳密な科学から遠ざかるとしても。

やっぱりこういうことをやるべきだな・・・それに着手する前にやるべきことが山ほどあるが・・・。
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逆説的な幸福もある

2008-01-24 21:37:30 | Weblog
昨日は東京で打ち合わせ二件。雪がたいしたことなくて助かった。行き帰りの電車のなかで「日経トレンディ」2月号「攻めるマネー術」特集を読む。銀行サービス調査の設計の参考にしたいが,銀行,証券会社,保険会社のシームレスな競争にどう対応するのかが難しい。だが,「執行」までのタイムリミットが迫っている・・・。

今日は,手帳に何も予定がない。しかし,コマゴマした仕事が続く。ここ数年使ってきたメーラー Shuriken の調子がおかしい。バックアップを取ろうとするとエラーが出る。メールを印刷しようとすると,デフォルトでは1ページ分しか印刷しない。アドレスを直打ちすると,入力の先を予測して候補アドレスを出す機能(非常に便利!)が,2文字の入力しか受け付けない。

最初の問題について数日前にベンダーにメールを送ったところ,今日回答が届く。指示通り実行したが,残念ながら解決しない。その旨返事すると,今度は即座に返事。再び指示通りの作業をするが,うまくいかない。再インストールしたほうが早いのだろうか・・・。過去のデータを上手く読み込んでくれるだろうか・・・。

気分転換に「クーリエ・ジャポン」2月号を読む。「未来へ。」という特集。シナリオ・プラニングの第一人者ピーター・シュワルツへのインタビューで,バクテリアから石油を作る技術が研究されているという話が面白い。そんなのが実用化されたら世界の政治と経済が大衝撃を受けるだろう。つまり,研究がそのまま容認されるのか,また実用化したとして誰が覇権を握るのか・・・。

もうひとつ「フランスの哲学誌と考えた幸福の世界地図」という記事も面白い。マクロ指標を合成して各国の幸福度を評価するのに,有名な哲学者(あるいは学派)に対応づけて指標を選択している。たとえば,ストア派的幸福では,南米のコロンビアがトップになる。犯罪や内戦で苦しみながら,国民の主観的な幸福感はそこそこ高い。「どんな逆境にあっても,自分は幸福だと考えるのがストア派」だと。

それ以外の哲学に基づく幸福度では,北欧諸国が上位になることが多いが,たまに日本が上位になることもある。幸福の高低は「哲学」次第なんである。もちろん「一流」経済学者のように「効用の異個人間比較は不可能」などと切って捨てることも可能だが,大方の尺度で北欧が高い得点を得ているということは,幸福という概念に何らか客観的な要素があるのではないか・・・そう考えるほうが前向きだ。

本日入手した本

マイケル・ドリアン,ギャビン・ルーカス,誰かに先を越された広告-ゲリラ広告事例集,東急エージェンシー出版部 ・・・デカい本・・・いや作品集というべきか。それにしても,広告表現を「クリエイティブ」と呼ぶからといって,それらがすべてクリエイティブである保証はないのだなあと,しみじみ思う。これまた「クリエイティブ・マーケティング論」で取り上げるべきテーマだろう。画像がCDで提供されていたら,授業に使えるのに・・・。

C.M.ビショップ,パターン認識と機械学習 上,シュプリンガー・ジャパン ・・・本来ならこういう題名の本を買うはずがないのだが,なかを見るとベイズ統計学が軸になっており,カラーの図などもあって魅力的に見える。骨太の理論書であり,いつか読むあてもないのに,つい買ってしまった。
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いま,私を見ましたね

2008-01-22 18:51:00 | Weblog
街を歩いていると,突然見知らぬ人間に呼び止められる。「いま,私を見ましたね」「いや,そんなことは・・・」「モニターに映ってます,ほら,しっかりこっち見てますよ。私に関心あるんでしょ」「あ・・・」「これ,あなたにぴったりの製品です。ぜひ使ってみて下さい」「はあ・・・」なんて光景が繰り広げられる世の中になるのだろうか・・・

・・・と思わせるニュースがある。それによると「案内板を見ている人の視線から、どの広告を見ているのかを読み取り、その広告内容をぬいぐるみのロボットがさらに詳しく説明するロボット広告」のデモが,近々大阪であるという。ATR が開発した,見ている人間の顔の特徴から眼球の中心位置を推定,その人間がどこを見ているかまで推定してしまう技術が使われているという。

人間には,視線を感じるという感覚がある。視線という物理的実体が肌に触れたかのように感じるが,実際は周辺視野で,遠方にいる人間の顔(あるいはその他の身体)の動きを見て,推定しているのだろう。この技術が,離れたところにいる人間にも適用できるならば,看板広告の接触効果を計測できるようになる。いやそれ以前に,テレビ受像器に付けて,より正確な視聴率を測ってみたら,という声が上がるかも・・・。

今日入手した本:

林幸雄(編著),ネットワーク科学の道具箱,近代科学社 ・・・複雑ネットワークや社会ネットワーク分析について,いくつかアルゴリズムが紹介されるなど,かなり役立ちそうな本。著者8人のうち,誰がどの章を担当しているかの情報が見当たらない。全体が7章からなるので,どこかの章が共著なんだろう・・・。

竹村彰通,共立講座 21世紀の数学14 統計(第2版),共立出版 ・・・まえがきに「数理統計学の理論展開とコンピュータによる統計計算を組み合わせ」ることを目指したと書かれている。後者のために,R のプログラムが添付されている。入門書とはいうものの,文系が初めて読む統計学の教科書とするのは辛そうだ。むしろ再入門書と位置づけるべきか。

林信行,スティーブ・ジョブズ,アスキー ・・・写真集。ジョブズとゲバラは絵になる。

水野和夫,人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか,日本経済新聞出版社 ・・・昨年刊行されたビジネス書のなかで非常に高い評価を得ていた本。著者は,今週のサンデープロジェクトで,榊原英資氏とともに世界経済の「歴史的転換」を説いていた。あと50年は生きないと「反証不能」だが,だからそうした議論はしない,という姿勢はつまらない。
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どんどん書籍届く

2008-01-21 16:01:27 | Weblog
本を買うことは,知的生産の代償行為なのだろう。にしても「時節柄」本がどんどん届く・・・

Motor fan illustrated vol.1-15 ・・・クルマの技術面を少しは勉強しようと。もちろん「学術」研究のためである。

ポール・ブルーム,赤ちゃんはどこまで人間なのか,ランダム・ハウス講談社 ・・・「選好形成」の研究には発達的な基礎づけが必要だ。

理化学研究所脳科学総合研究センター編,脳研究の最前線 上・下,講談社ブルーバックス ・・・そして脳科学的基礎づけも必要だ(ただし限界はある・・・合原氏によれば,脳科学が解明したことはまだ僅かであり,断定的にいろいろ語っている人は,脳科学者としては二流だという)。

吉川徹(編著),階層化する社会意識:職業とパーソナリティの計量社会学,勁草書房 ・・・ぼく自身は職業自体より,職業に何を求めるかという選好(意識)を重視している。

佐藤俊哉,宇宙怪人しまりす医療統計を学ぶ,岩波書店
粕谷英一,生物学を学ぶ人のための統計のはなし,文一総合出版
Alan Grafen and Rosie Hails,一般線形モデルによる生物科学のための現代統計学,共立出版
 ・・・統計教育は医学・生物学から学ぶべき,という仮説は検証されるか。

ジェイムス・M・アターバック他,デザイン・インスパイアード・イノベーション,ファーストプレス ・・・こちらは,もう一つの「新」授業の資料。

チェン・シャオ,ミクロ計量経済学の方法:パネル・データ分析,東洋経済 ・・・これも必要かなと。
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最近論文書いてない

2008-01-20 19:17:18 | Weblog
今日は大学で修論,卒論の打ち合わせ。提出まであと1週間を切った。

自分についていえば,昨年,過去に投稿したいくつかの論文が採択されたものの,新たな学術論文を書いていない。春頃,ある研究会のために8ページほどの予稿を書いたぐらいだろうか・・・。2/15に WCSS の予稿の期限がくるが,どうなるか・・・。いずれにしろ,このままでは,また空白期間が訪れてしまう。4月から新たな授業がいくつも始まり,ティーチングにかなり時間を奪われる。今年は研究上,かなり厳しい年になりそうだ。
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顧客への委譲と社会脳

2008-01-19 19:47:47 | Weblog
一昨日,六本木で「イノベーションとマーケティング」セミナー。MOTの専門家,丹羽先生の講演で Finke の創造的認知の話が紹介された。彼らの実験では,用途を考えさせないで発明させたほうが,結果的に顧客に満足いくものができるという。これは,Rogers のいう re-invent や,鷲田さんの「価値転換」の話とも通じる。つまり,製品の価値形成を顧客に委譲したほうが,より効果的な場合があると。

昨日,日本橋でDB-S&RM研究会。まずはコールセンターの現状と今後の課題に関する報告を聞く。企業が顧客とのインタラクションを深めていくのは不可逆的な変化だが,その損益計算をきちんと行うことが重要であることを実感。次に,某社顧客コミュニティサイトの成功事例の報告。製品使用にまつわる問題をつねに企業が解決するのではなく,顧客どうしの議論で解決するという仕組み。これまた顧客への委譲の例といえる。

今日午前中は,丸の内でカオスの権威,合原先生の脳科学に関する講義を聞く。本筋から離れるが,数学の話が面白かった。ギリシャ時代に生まれた素数の概念が現代になって暗号理論に結実した例のように,研究がいつ実用化されるかは全く予想がつかない。そして,数学の定理の「発明」(と数学者は呼ぶらしい)はしばしば,集中的に考えているときではなく,しばらく経ったあとの日常の一コマで突然閃いたりする。

脳内の情報処理のうち,人間が意識している部分は限られている。新しい知識とは,意識の光が当たっていない部分に隠されている。さらに,科学の新たな発見が同時多発的に起こるように,脳の情報処理は社会的レベルでも行われる(社会脳!)。だから,個人も企業も,モニターできている限られた範囲内ですべて処理しようとしないほうがいいということだ。

一方,銀行調査の準備が重くのしかかる。参考のため読んだ,戸谷圭子『隠されてきた銀行の真実』は,顧客サービスを犠牲にした銀行の陋習を次々と俎上に挙げていく。企業としては異常ともいえる,極端なリスク回避志向。逆にいえば,銀行ほどイノベーションの余地が大きい産業はないだろう。最後で紹介される優れた実践例は,すべて地銀や信金の話である。

もう一冊の参考書は,勝間和代『お金は銀行に預けるな』。こちらは,消費者としていかに「金融リテラシー」を身につけるかを説く。戸谷さんも指摘するように,顧客が変われば銀行も変わるかもしれない。そのためには,金融サービスの一部を顧客に re-invent させるような試みが考えられないか・・・なんてことをいう前に,自分の金融リテラシーを何とかしなくてはならない・・・。

上述の本以外に最近入手した本:

Peter Dalgaard, Rによる医療統計学,丸善
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どーする?

2008-01-16 23:49:28 | Weblog
昨日 会議,労務(マル秘コピー作業),授業,修論打ち合わせ
今日 会議,会議,卒論打ち合わせ,ワークアウト

・・・という隙間のない状態がしばらく続く。この第1四半期になすべき研究課題について語るのも虚しい。まずは「サービス」プロジェクトのために,××××という未体験の行政手続きを乗り越えなくてはならない。そして,早々に・・・とか・・・とか・・・さあ,どーする?

今朝のワイドショーで MacBook Air を取り上げていた。サンフランシスコの Macworld で発表されたのが15日,翌日にはお茶の間の話題になっている(か?)。少なくとも今日の会議で Macユーザたちは,みんな欲しがっていた。Mac から Win に転じて10年以上経つぼくも,これはムチャクチャほしい。

だが値段が微妙である。出たばっかりの製品には不安もある。しばらく様子を見て,まずは値段がリーズナブルな従来の MacBook を自室用に買うという手もある(DVDドライブ内蔵だし)。1台を持ち歩くよりは,要所要所に置いておきたいので,これはあり得る戦略だ・・・だが,いま買わないでいつ買うんだという「潔い」考え方もある。どーする?

もう一つの悩みは,6~7月の学会戦略だ。ワルシャワに行くぞと意気込んでいた ESHIA/WEHIA の日程が JIMS と重なった。どーする? その前週には,INFORMS Marketing Science Conference がバンクーバーである。ここも行ってみたい土地だ。だが,6月に2週続けて海外出張できるだろうか? 日程的に・・・経済的に・・・体力的に・・・さーて,どーする?
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三つ子の魂と神経経済学

2008-01-14 23:27:36 | Weblog
三連休・・・予定していた「仕事」の半分もこなせなかった。大体できたのは,今年新たに始まる3つの授業と,改訂を迫られる1つの授業のシラバスだ。新たに始まる授業の1つが,学部1~2年生向けの統計学。ぼくがその年齢の頃,初めて聴いた統計学の講義がちんぷんかんぷんで,全く興味を持てなかったことを思い出す。だから,一見抽象的だが実は役に立つのだと期待させ,統計的推測の「特殊な」発想になじんでもらう・・・ことができればいいのだが。

教科書には南風原朝和『心理統計学の基礎』を使う予定。「純粋な」統計学の教科書では,統計学をどう使うかのイメージを持つ前に,いきなり確率分布の話が始まってしまい,興味を惹かないと思うからだ。その点で,いくつかの医学・生物学系の統計学入門書が,興味を喚起し基本を理解させることに腐心しているようだ。人体とか生命とか,より具体的なことに関心がある学生は,理系とはいっても,統計学の学習を辛く感じる面があるのだと思われる。

統計学の教育では,理論の講義だけでなく,統計ソフトを使って実際に分析させることも必要だろう。最近の統計学の教科書では,Rに依拠したものが増えている気がする(たとえば竹村彰通『統計』など)。いま大学院で教えているデータ解析の授業では,多くの受講生がRを使えるという(ココ特有の現象?)。この授業の次回の準備のため,今日は他人様が作ったRのコードを眺めていた・・・(自分じゃ使ってないからなあ)。

閑話休題。今日の日経・経済教室で,大竹文雄氏が「脳の特性から経済を解明」について書いている。そこで面白かったのは,ノーベル経済学賞をとった計量経済学のヘックマンが,神経生物学者と共同で書いた論文の話だ。介入実験の結果では,恵まれない家庭に育った子どもが3~4歳のときに教育支援を受けると,そうでない場合に比べ有意に,40歳になったときの所得や生活水準が高く,逸脱的な行動が減る。なぜそうなるかは,脳科学的に裏づけられるという。

長く行動経済学を無視してきた主流派経済学者たちが,神経経済学には敬意を払うのは,心理学より生理学に説得力を感じるというだろうか・・・。それはともかく,多くの認知能力は特定の年齢までに発達しないと,その後発達することはないという。だから,幼少期の子どもたちへの援助は,経済学的に有効な政策となる。これを捉えて,ニューロマーケティングを唱える人々は,幼少期までにブランド・ロイヤルティを構築せよ,などと主張するだろうか。

もちろん,嗜好は認知能力ではない。だが,認知能力のある部分と深く関連しているように思う。何を好きなるかが幼少期にどこまで決まるか分らないが,好きになるなり方がそこで形成される可能性はあるのでは・・・。全くの当てずっぽうでしかないが,発達心理学者や脳科学者はどう答えるだろうか。
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突然3Dの妖怪の顔が

2008-01-12 23:12:31 | Weblog
朝起きて,たまった新聞を読む。1/9の日経MJに「米国広告最新事情 進化するゲリラ・マーケティング」という記事がある。NYCの道を歩いていると,突然「そのにいるのは誰?」という声がする。そこで使われているのは,オーディオ・スポットライトという技術で,特定の場所にいる人にだけに音を届けることができるという。

もっとスゴい技術もある。LAでは「車が走り過ぎる時に突然3Dの妖怪の顔が飛び出す技術」が同じキャンペーンで使われたという。実際どんなものなのか,よくわからないが,それってヤバくないすか・・・驚いて事故を起こす運転手が続出するのではないか。ゲリラの破壊力は認めるが,そのしっぺ返しもこわい。

午後はひと気のない大学で,卒論の打ち合わせに3時間以上を費やした。エージェント・シミュレーションの仮説設定を「何でもあり」ではなく,より「一般的」で「自然な」にすることに「異常に」こだわりたい。MASコンペに参加できるかどうかは,学生の事情で微妙な情勢。過去3年続いたわが研究室の伝統は,風前の灯火なのか・・・。

そのあと,クルマ調査票改訂作業など・・・。この連休にこなすべき課題リストに,数本だけ取消し線が入った。
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「病」に惹かれる

2008-01-11 23:32:56 | Weblog

「仕事(≠研究)始め」からまだ1週間経っていないが,落ち着いて研究に取り組む時間は当面とれそうにない。卒論・修論,入試といったこの時期特有の要因もあるし,年度内に「執行」ないし「納品」しなくてはならない「業務」もある。そう考えると,いろいろな意味で,昨年暮れは奇跡のような日々だった・・・わずかな期間だったが・・・。

それでも,本だけは届く(そしてまた注文する)。

Andrew Hargadon, How Breakthroughs Happen: The Surprising Truth About How Companies Innovate, Harvard Business School Press

Mihaily Csikszentmihalyi, Creativity: Flow and the Psychology of Discoverr and Invention, HarperCollins

スティーブン D.ストラウス,世界のヒット商品はどんな「ひらめき」から生まれたのか? 主婦の友社

いずれも『イノベーションの神話』で薦めていた,事例中心の書。特に最初に本は,イノベーションは少数の天才の閃きから生まれるのではなく,様々な人間が関わり,一つひとつはありふれたアイデアが混合されて起きる,と主張している(ようだ)。

マイケル・マーモット,ステータス症候群 社会格差という病,日本評論社

金子義保,病み情報社会,新書館

この2冊のいう「病」は,比喩ではなく文字通りの病気のことだ。いずれも,社会が病気に大きな影響を与えているという。後者の著者は,東大病院の内科外来医長という,バリバリの臨床医だ。日経の書評で知ったのがきっかけだが,結局,何で買ったんだろう・・・だんだん,病気話が好きな年代に入ってきたということか。

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現場はクリエイティブ

2008-01-10 23:22:36 | Weblog
東京でいくつか打ち合わせ。大きな本屋を何軒か回る。そして「ものづくり寄席」で「イトーヨーカ堂の経営の特徴と現場事例」を聞く。演者は同社元常務取締役の邊見敏江氏。イトーヨーカ堂の単品管理は,パートタイムの従業員も含む現場への大幅な権限委譲によって実行される。前例に従うことを拒否し,新たに仮説を立て,実践を通じて検証する。パートの主婦たちが自らの創案で惣菜の売り方を次々に変え,売上を大幅アップさせた事例などが紹介された。

仕事の段取りを自分で決められることが,Richard Florida のいうクリエイティブ・クラスの条件である。現場が発注の権限を持ち,パートの主婦が商品を創意工夫できるということは,クリエイティブ・クラスの条件を一定程度満たしている。限られた範囲内の権限かもしれないが,米国流経営ならマニュアル化されるべき部分で,従業員にクリエイティビティを発揮させるのが,日本流なのだろう。ただし,仕事におけるクリエイティビティの定義を広げすぎると,その意味が希薄になることに注意を要する。

帰りの電車で,切通理作『失恋論』を読む。自らの失恋経験が赤裸々に?語られ,かなり「イタイ」本だ。コラムでは,失恋に関する文学や哲学書などが多数紹介される。失恋とは,客観的に見れば,男女のマッチングの失敗にすぎない。失恋したなら,別の相手を探せばいいじゃん・・・で済む人もいるが,済まない人も多い。進化はなぜ,人に失恋を一大事とする形質をもたらしたのか・・・。

本日入手した本

宮川公男(編),シナリオ2019:日本と世界の近未来を読む,東洋経済新報社 ・・・統計研究会,健在なり。

平山譲,ファイブ,幻冬社文庫 ・・・先日見たNHKのTVドラマの原作。さすがに東京では平積みしていた。アイシンのバスケチームの実話だという。
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