「マーケティング・リサーチの寺子屋」の最新投稿を読んで,意外と身近なところに「事業仕分け」の影響が及んでいることを知った:
「日本版CSI」は廃止か?!
ここで話題になっている「サービス産業生産性向上支援調査事業」には,よく存じ上げるマーケティング研究者が多数参画されている。そこで気になって,ある先生のブログを見ると,このことに関連するコメントが掲載されていた:
民主党の事業仕分け
自らが関わるプロジェクトの予算が削減されたり廃止されたりすることに,本当は忸怩たる思いをお持ちにちがいないが,非常に冷静に,客観的に事態の推移を見ておられるのはさすがである。自らの研究費が削られようとするとき,冷静でいられないのがふつうで,今回,期せずしてそうした姿を見せてしまった高名な科学者たちもいた。社会科学者は自然科学者に比べて,自らの研究の社会的側面に対して,科学的な見方ができるということだろうか。
上述のプロジェクトについては,仕分け人から,民間に任せればよい,という指摘もあったという。たとえば,企業横断的な顧客満足度調査は民間でもできないことはない(ブランド資産の調査など)。しかしその場合,誰もがその結果にアクセスできるかたちにはならないだろう。そのことが,中小企業が多いサービス産業の支援につながらないとしたら問題だ。もちろん,そうしたデータがサービス産業の生産性向上に役立つのかという論点が別にあるわけだが。
いずれ来年度の科研費の予算総額も決まるはずで,自分が研究代表者として申請したプロジェクトはもちろん,分担者として申請中のプロジェクトの行く末が気になる。これは「世論」と政策決定の相互作用を問うもので,参院選のある来年度に一回目の調査ができると大変うれしい。この研究は,世論の支持が大きい事業仕分けという仕組みを評価するうえでも,非常に有用なはずだ。しかし科研費の予算総額が減ると,採択はより難しくなるかもしれない。
それは個人的な思いだが,それを離れていえば,この際,科研費等の競争的研究資金のあり方を徹底的に見直してほしいと思う。期末に無理矢理予算消化することで,集計すると相当のムダが生じているはずだ。大型プロジェクトが開く豪華な国際会議はどこまで意味があることなのか。特定企業の利権化していると噂される超大型プロジェクトについては,その真偽を精査してほしい。一方,若手研究者の研究活動に資する費用は確保していく必要がある。
結局は,科学技術政策のグランドデザインはどうなっているのか,というよくいわれる議論に行き着く。そこで有識者を集めて・・・などとやっていると時間がかかりそうだ。ただ,それ以前に,常識の範囲でムダをなくし,フェアな配分の仕組みを作ることは可能ではないのだろうか。・・・偉そうなことを書いていると,来年お前の科研費が不採択になったのは,ムダをなくしフェアな配分を行なった結果だと宣言される目に遭うかもしれない。ああ・・・
「日本版CSI」は廃止か?!
ここで話題になっている「サービス産業生産性向上支援調査事業」には,よく存じ上げるマーケティング研究者が多数参画されている。そこで気になって,ある先生のブログを見ると,このことに関連するコメントが掲載されていた:
民主党の事業仕分け
自らが関わるプロジェクトの予算が削減されたり廃止されたりすることに,本当は忸怩たる思いをお持ちにちがいないが,非常に冷静に,客観的に事態の推移を見ておられるのはさすがである。自らの研究費が削られようとするとき,冷静でいられないのがふつうで,今回,期せずしてそうした姿を見せてしまった高名な科学者たちもいた。社会科学者は自然科学者に比べて,自らの研究の社会的側面に対して,科学的な見方ができるということだろうか。
上述のプロジェクトについては,仕分け人から,民間に任せればよい,という指摘もあったという。たとえば,企業横断的な顧客満足度調査は民間でもできないことはない(ブランド資産の調査など)。しかしその場合,誰もがその結果にアクセスできるかたちにはならないだろう。そのことが,中小企業が多いサービス産業の支援につながらないとしたら問題だ。もちろん,そうしたデータがサービス産業の生産性向上に役立つのかという論点が別にあるわけだが。
いずれ来年度の科研費の予算総額も決まるはずで,自分が研究代表者として申請したプロジェクトはもちろん,分担者として申請中のプロジェクトの行く末が気になる。これは「世論」と政策決定の相互作用を問うもので,参院選のある来年度に一回目の調査ができると大変うれしい。この研究は,世論の支持が大きい事業仕分けという仕組みを評価するうえでも,非常に有用なはずだ。しかし科研費の予算総額が減ると,採択はより難しくなるかもしれない。
それは個人的な思いだが,それを離れていえば,この際,科研費等の競争的研究資金のあり方を徹底的に見直してほしいと思う。期末に無理矢理予算消化することで,集計すると相当のムダが生じているはずだ。大型プロジェクトが開く豪華な国際会議はどこまで意味があることなのか。特定企業の利権化していると噂される超大型プロジェクトについては,その真偽を精査してほしい。一方,若手研究者の研究活動に資する費用は確保していく必要がある。
結局は,科学技術政策のグランドデザインはどうなっているのか,というよくいわれる議論に行き着く。そこで有識者を集めて・・・などとやっていると時間がかかりそうだ。ただ,それ以前に,常識の範囲でムダをなくし,フェアな配分の仕組みを作ることは可能ではないのだろうか。・・・偉そうなことを書いていると,来年お前の科研費が不採択になったのは,ムダをなくしフェアな配分を行なった結果だと宣言される目に遭うかもしれない。ああ・・・