最近コ・クリエーションとか(価値)共創とかいったことばをよく目にする。そのきっかけを作ったのはプラハラードとラマスワミで,プラハラード亡きあとは,ラマスワミが第一人者ということになるのだろう。本書では,共創という視点から,現実に起きている興味深い実践が次々と紹介される。
最初に出てくるナイキ(Nike+, NIKEID)やスターバックス(My Starbucks Idea)の例については,すでに何らかの形で知っている人は少なくないと思う。それらは確かに素晴らしい共創の実践だが,ナイキやスターバックスの強力なブランド体験を前提にして成り立っているともいえる。
そうしたグローバルブランドの事例以上に面白いのが,欧州やインドで活躍している,われわれにはなじみのないサービス産業や非営利団体の事例かもしれない。特に最近注目されている CSR 活動やソーシャルビジネスにとって,共創戦略はほぼ不可分といってよい関係にある。
ひねくれ者のぼくとしては,共創の成功例ばかり聞かされると,共創にはリスクもコストもあるはず,逆にどういうときにうまくいかないかに興味がある。さらにいえば,共創概念が経済学における交換概念とどう違うのか,どう超えているのか・・・なんてことも気になったりする。
「とある事情」で本書を読むことになったが,予想した以上に面白く,ためになった。理論的なことよりは,実際に使えるアイデアを日々探している実務家にとっては,いろいろ刺激になる箇所があるはずだ。それを,共創ということばで捉えるのがよいかどうかは別だけれども。
生き残る企業のコ・クリエーション戦略 ビジネスを成長させる「共同創造」とは何か | |
ベンカト・ラマスワミ, フランシス・グイヤール | |
徳間書店 |
最初に出てくるナイキ(Nike+, NIKEID)やスターバックス(My Starbucks Idea)の例については,すでに何らかの形で知っている人は少なくないと思う。それらは確かに素晴らしい共創の実践だが,ナイキやスターバックスの強力なブランド体験を前提にして成り立っているともいえる。
そうしたグローバルブランドの事例以上に面白いのが,欧州やインドで活躍している,われわれにはなじみのないサービス産業や非営利団体の事例かもしれない。特に最近注目されている CSR 活動やソーシャルビジネスにとって,共創戦略はほぼ不可分といってよい関係にある。
ひねくれ者のぼくとしては,共創の成功例ばかり聞かされると,共創にはリスクもコストもあるはず,逆にどういうときにうまくいかないかに興味がある。さらにいえば,共創概念が経済学における交換概念とどう違うのか,どう超えているのか・・・なんてことも気になったりする。
「とある事情」で本書を読むことになったが,予想した以上に面白く,ためになった。理論的なことよりは,実際に使えるアイデアを日々探している実務家にとっては,いろいろ刺激になる箇所があるはずだ。それを,共創ということばで捉えるのがよいかどうかは別だけれども。