Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

普及モデルを戦後日本のデータに当てはめる

2021-04-10 13:07:37 | Weblog
ウェブサイトBusiness Journalでの連載「マーケティングの進化学」はほぼ年に1回の更新というペースになって、ほぼ開店休業状態。このペースに従って新たな記事を寄稿しました。しかし、流石にこの調子でいいとは思っておらず、ことしは2〜3ヶ月に一度(いやもっと?)更新していきたいと考えています。

復活第一弾は「60年前と今、新商品“普及の仕方”は同じか?ロジスティック曲線とバス・モデルより読み解く」。普及モデルに関するきわめて入門的な解説ですが、戦後日本のさまざまな耐久財に当てはめてみましたので、グラフを眺めるだけでもいろいろ気づきがあるかもしれません。ご関心があればここをクリック!


プロ野球ファンのツイート分析

2021-04-10 12:52:31 | Weblog
佐野幸恵さん(筑波大学)、 笹原和俊さん(東京工業大学)との共著論文「熱狂するファンダム― プロ野球ファンのツイートを分析する ―」が『マーケティング・ジャーナル』40(4) (2020-2021) に掲載されました(ここからどなたもダウンロードできます)。

プロ野球各球団のファンのツイート(投稿やRTの量、感情)と、試合やチームの状況などの関係を1時間(hour)単位で分析したものです。問題意識は、ファンの熱狂はどのような条件下で起きるか、ということにあります。

より詳しい内容は『プロ野球「熱狂」のメカニズム』(仮)というタイトルで、他の研究者たちの寄稿も合わせて7月に出版予定です。乞うご期待!

経済物理学でブランド間競争を分析

2021-04-10 09:36:57 | Weblog
2月の話になりますが、青山秀明さん、藤原義久さんとの共同論文がPLoS ONEに掲載されました。TwitterやFacebookではお知らせしたものの、BLOGでは忘れていたのでここに掲載します:

Untangling the complexity of market competition in consumer goods—A complex Hilbert PCA analysis, PLoS ONE 16(2): e0245531

オープンアクセスですので、ここからダウンロードできます。ご高覧いただけましたら幸いです。

経済物理学の手法(ヒルベルト複素主成分分析)をマーケティングの多次元時系列データに適用し、日本のビール市場における競争構造に新たな光を当てています。マーケティング的には、従来のカスタマージャーニーが自分のブランドだけに注目していたのに対して、競合ブランドとの競争も視野に入れて拡張したという点が新しさです。

日本語での要約として経済産業研究所のノンテクニカルペーパーがありますので、手っ取り早く把握するにはそちらをご覧ください。