Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

マーケティング・モデルとAIの架橋

2019-02-19 13:43:14 | Weblog
マーケティング・サイエンスの世界でも機械学習を用いた研究が増えているが、マーケティングの実務では、機械学習(あるいは広義のAI)の普及はもっと急速かもしれない。それを担うのはマーケティングの現場で増えている理工系の学位を持つデータ・サイエンティストだ。

しかし、機械学習等で開発された汎用的なデータ解析手法が席巻すると、独自に研究を蓄積してきたマーケティング・サイエンスの居場所はなくなってしまうのではないか…本書を眺めるとそれが杞憂であることがわかる。選択モデルにも然るべきスペースが与えられている。

AIアルゴリズムマーケティング
自動化のための機械学習/経済モデル、ベストプラクティス、アーキテクチャ (impress top gear)
IIya Katsov
インプレス

本書の冒頭では、マーケティングの自動化・最適化(原題を直訳すると「アルゴリズミック・マーケティング入門」)の歴史的背景の1つが、オペレーションズ・リサーチを源流に持つマーケティング・サイエンスであることに言及している。そこは類書にない特徴だと思う。

著者はデータ解析を専門とする実務家である。アルゴリズミック・マーケティングの様々な適用場面について、様々な手法を基本的な数式をきちんと示しながら解説している。その意味でデータ・サイエンティストだけでなく、マーケティング・サイエンティストにも勉強になる。

選択モデルや生存時間モデルを紹介し、価格設定からカテゴリーマネジメンやイールドマネジメントといった話題まで取り上げるという奥の深さから、マーケティング・サイエンス(あるいは経済学)の研究者がこの領域で仕事をするときの参考書にもなる。役立ちそうな予感。
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