Rust and Chung, Marketing Models of Service and Relationships, Mktg. Sci., 25(6), 2006. サービス・マーケティングの研究といえば,サービス品質,顧客満足,顧客資産・・・はもちろんだが,それだけでないことがよくわかる。特に,サービスの価格設定に関する研究は多岐にわたっていて,なかなか興味深い。そこで扱われている問題は狭義のサービス業だけでなく,顧客との長期の関係作りを目指す製造業を含むあらゆる企業にあてはまる。
著者たちは過去の研究を広範に概観したあと,今後の研究課題について述べる。そのなかに Dynamic Interaction and Customization という項目があるのだが,彼らはそこで「顧客の選好を固定したものと考えるのでなく,時間とともにいかに変化するかをモデル化する」と述べている。固定した選好へのカスタマイゼーションではなく,変化する選好との対話と適応。まさに自分の研究テーマである。
周囲の動きに押されて始めた「サービス」研究だったが,思った以上に奥が深い。一方で「ものづくりとブランド」研究が忙しくなってきた。矛盾しているようにも見えるが,「もの」も「サービス」も本質は同じである。レビットがいうように,消費者は「ドリル」ではなく「壁の穴」を買うのだから。
CRM にすでに様々な工学的手法が導入されているように,サービス・サイエンスにも様々な分野からの参入があるだろう。ぼく自身としては,選択モデルやデータ解析手法のみならず,エージェントベース・モデリングをどう適用するかが大きな課題だ。すでにいくつか取り組みがあるようだが,まだまだ独自の貢献をする余地はあると思う。
著者たちは過去の研究を広範に概観したあと,今後の研究課題について述べる。そのなかに Dynamic Interaction and Customization という項目があるのだが,彼らはそこで「顧客の選好を固定したものと考えるのでなく,時間とともにいかに変化するかをモデル化する」と述べている。固定した選好へのカスタマイゼーションではなく,変化する選好との対話と適応。まさに自分の研究テーマである。
周囲の動きに押されて始めた「サービス」研究だったが,思った以上に奥が深い。一方で「ものづくりとブランド」研究が忙しくなってきた。矛盾しているようにも見えるが,「もの」も「サービス」も本質は同じである。レビットがいうように,消費者は「ドリル」ではなく「壁の穴」を買うのだから。
CRM にすでに様々な工学的手法が導入されているように,サービス・サイエンスにも様々な分野からの参入があるだろう。ぼく自身としては,選択モデルやデータ解析手法のみならず,エージェントベース・モデリングをどう適用するかが大きな課題だ。すでにいくつか取り組みがあるようだが,まだまだ独自の貢献をする余地はあると思う。