Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

オピニオン・ダイナミクス

2007-07-30 23:54:04 | Weblog
マーケティングで勝利するには,消費者の頭のなかで唯一かつ明確な「ことば」を獲得しなくてはならないと,ライズ&トラウトはいう。政治でもそれは同じようだ。2年前,自民党は「改革を止めるな」ということばで,巧みに「郵政改革」をめぐる「小泉劇場」を演出,衆院選挙に圧勝した。直前の世論調査で,ほとんどの人が郵政民営化を重要な課題だと思っていなかったのにもかかわらず,それが争点になった。

小泉政権の遺産を引き継ぎ,高い支持率でスタートした安部政権が,1年も経たずして,参院選挙で「歴史的」といわれる敗北を喫した。今度は,民主党が「生活が第一」ということばで,年金および格差の問題をうまく突いて勝利した。一人区での圧勝が示すように,小泉改革によって地域間格差が拡大したことが,民主党の勝利の背景にあるようだ。

敵が気づいていない(あるいは手を出せない)潜在的欲求(ないし不満)に対して鋭くポジショニング(位置取り)すること,これがマーケティングの伝統的な考え方といえるだろう。では,次の衆院選挙で雌雄を決する両党は,そこでどんなポジショニングを行うか・・・そこで重要なのは,有権者の関心や感情という,そのうえでポジショニングが行われる地形が,政党の発する言葉に影響を受けながら,どちらに向かうかである。

それは,物理学者やエージェントベースの社会科学者の一部が取り組んできた,オピニオン・ダイナミクスという研究分野の対象になるかもしれない。いま,それについて少し調べを始めている。これは,選好形成というライフワークとも密接に関連し,かなりの部分重複するはずだ。
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巨人軍と自民党

2007-07-29 11:55:39 | Weblog
今年の巨人戦の視聴率・・・ビデオリサーチのサイトを見ると,6月までは月平均10%前後で推移している。過去を振り返ると,20%近い視聴率が続いていたのは2000年まで。その後じりじり低下して,一昨年あたりに10%になった。今年の巨人は強く,首位を行く。サッカーのW杯やオリンピックのようなビッグイベントはない。にもかかわらず,視聴率は回復していない。

夜はナイターをTV観戦,応援するのは「やっぱり巨人」というデフォルトが消えるとしたら,日本社会にとって大きな変化だ。国民の大半が1つのチームを応援する異常さの背景には,「皆で渡れば怖くない」「長いものに巻かれろ」「親方日の丸」意識があった。広告業界で少衆・分衆論が主張されてから20年以上経って,ようやく「価値の多様化」が現実味を帯びてきた。

もう一つのデフォルトである「自民党なら安心」という意識がどうなるかは,今夜開票される参議院選挙の結果によって示される。与党が何とか過半数を維持し,秋に向けて巨人軍が独走,視聴率がつねに15%を越し続けるという展開になれば,日本社会はちっとも変わっていないという結論になるだろう。
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ABMから何を得るか

2007-07-29 01:51:27 | Weblog
早稲田の大久保キャンパスでJASMINの社会シミュレーション部会。主な議題は「シナリオ分析」とは何か。そもそも,エージェントベース・モデリング(ABM)における「シナリオ」とは何かをめぐって様々な見方がある。個人的には,見方の違いが相互に理解されることに価値があり,必ずしも一致させる必要はないと思う。一人で考えるだけでは気づかない差異の豊穣さに気づくのが議論の醍醐味。その点で,この研究会は面白い。

ABMの価値の一つに,結果の多様性があるのではないか。それが,統計モデルの最尤原理と本質的に違うところだ。だが,その割には,多くの研究がその価値を十分に汲み尽くしていない。なぜなら,そのための方法論がないからだ。そこが,ぼくが「シナリオ」ということばに期待する点である。一方,みんなと議論するなかで,シナリオということばに潜む「意図性」に気づく。創発されるという意味では,シナリオより,物語というコンセプトのほうが適切かもしれない。

また,モデルの妥当性検証をめぐる議論で思いついたのが,有名なモデルに対して,一種のリバース・エンジニアリングを施すことだ。モデルの個別の設定を少し変えたり外したりすることで,その挙動がどう変わるかを探る。頑健性のテストといえばそれまでだが,それをシステマティックに行うことが,統計モデルにおけるAICのような,モデルの倹約性を考慮した基準を与えるのではないか。いつかやってみたいことだ。

二次会でのちょっとした会話で思い出したのが,多くのABMにおける消費者行動のモデル化に対する不満だ。そこでは意外に,経済学やマーケティングにおけるコンベンショナルな設定がそのまま継承されている。奇をてらう必要はないし,むしろ有害だが,ABMにしかできない,真に革新的な設定はないのだろうか。これは一般論で語っても仕方なく,実際に何かやるしかない。そして,そうしたい気持ちはあるが,具体的なアイデアは浮かばない。

ABMの哲学や方法論には,未解決どころか,十分議論されていない問題が山ほどある。だが,それがこの分野の魅力になっている。
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人生は玉突きのように

2007-07-27 23:31:15 | Weblog
大学での会議を終えると,午後には東京に向かい,EC業界最前線の人々と打ち合わせる。過去の資料として「J-POPのヒット予測」を取り上げた文献を配りつつ,ある意味で,そこに戻ったような気がする。それはともかく,鮮度を失わないうちに研究を進めたい。その結果,他の研究計画の変更を迫られるかもしれないが,しかたない。突き飛ばされて勢いよく転がる玉がどこに行くか,黙って見守るしかない。

仲介して下さった,ネット業界の超先端企業の方にも感謝。いただいた資料に目を通しながら,老け込んではいけないと自戒。やはり東京は刺激に富んでいる。JIMSは秋季大会の特別セッションでCRMを取り上げる。そのことが頭をよぎるが,無理しないでじっくり取り組むことも重要だ。

『噂の拡がり方』を読了。社会学,歴史,物理学,通信工学・・・と著者のスコープは広いが,「ネットワーク」とか「伝播」というキーワードで一貫している。ぼくにとってのキーワードは「選好の進化」と「クリエイティブ」だ。あまりに抽象的な大括りといえなくもないが・・・。
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ネットワークを切るな

2007-07-26 20:13:29 | Weblog
複雑ネットワーク上のクチコミ・シミュレーションについて,一時保留にして捲土重来と思っていたが,考えを変えた。昨夜ビヤガーデンで,プログラム委員の一人である同僚から,ポスターだとより深い助言が得られる可能性があるよ,という助言を得たこと。また,不完全でもポスターなら許されるかな,という甘え。そして,ネットワーク系の研究者とのネットワークはやはり重要だ,という3点による。

しかし,来週は人間ドック,ゼミ合宿,セミナー,学内外の打ち合わせ等で,作業している時間はほとんどない。そのあと2週間でどこまでやれるか・・・そしてもちろん,研究テーマは他にもある。それでも,人とのつながりを重視して行動を選択することが,思わぬ幸運をもたらす可能性がある。だから,しかたない・・・というか,そのプロセスを大いに楽しもう。
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「若手」呑み会

2007-07-26 10:49:25 | Weblog
昨日は「若手」同僚の恒例の呑み会。晴れた日の夕方,ホテルの庭でがんがんビールを飲み,ジンギスカンとバーベキューを食す。きわめて快適である。二次会はもつ焼きと焼酎。ぼくを除く正真正銘の「若手」のエネルギーはいつになくパワフルで,ものすごく盛り上がっている。みんな正論をいっている。この職場の将来は明るい,と思わせる瞬間だ。

では,一方の「困ったおじさん/おばさんたち」は昔から困った人たちだったのかというと,必ずしもそうではないだろう。年月を経て様々な修羅場をくぐり,諦めを知り,その一方で何らかの権威や権力を身につけるようになった結果,若い頃とは違う姿になってしまったのかもしれない。いまの若手がどうなるのか・・・それがわかる頃,自分は美しい老後を送れているだろうか。
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じゃがポックルに泣く

2007-07-24 23:21:46 | Weblog
久しぶりにMBFに参加した。今回はカルビーの中田社長の登壇。最初に同社の製品が配られたが,数が足りず,ぼくには回ってこなかった。別にいいや・・・と思っていたら,どうもそれは超人気で品薄の製品らしい。この「じゃがポックル」というスナック菓子は,北海道産のジャガイモだけを使って手作りに近い形で生産し,道内の空港・土産物屋だけでしか売っていないという。聴衆に熱心なファンがいて増産を社長に直訴していた。

そうなのか・・・夜になって空腹を感じていたこともあり,そんなに素晴らしい「じゃがポックル」をゲットできなかったわが身の不運に涙が・・・。帰りにコンビニに寄り,量産バージョンの「Jagabee」を買う。いやいや,なかなかの食感だ。これよりうまいという「じゃがポックル」を入手するには,北海道出張しかない! しかし,今年度中にある学会で,九州はあっても北海道はない・・・。

それはともかく,カルビーの "VOC" (Voice of Customer),顧客からの苦情や要望に対する「全件対応」という戦略は非常に興味深い。品質保証や返金は条件付きでなく,「もれなく」対応するほうが経済的にも最適であることを示した研究がある。まさに同じことだな,と思った。多少悪用されることがあっても,企業の「決意」を示すことのほうが重要なのだ。このあたりのことが,各企業でどう実践されているか,今度専門家に聞いてみたいと思う。

電車のなかで杉本太一郎『使える数理リテラシー』をようやく読み終える。べき関数と指数関数の違いなど個人的に興味深い記述がある一方で,物理学の例が続くとだんだん読むのが辛くなり,そのへんは端折りながら読んだ。工学畑の同僚が,数量モデルを扱う人間はきちんと物理学を学んだほうがいい(工学部なら当然学ぶ)といっていたのを思い出す・・・やはりぼくは,工学になじまないってことか。

その後,林幸雄『噂の拡がり方』を読み始める。工学系の著者なのに,噂に関する社会現象や歴史にかなり言及している。理系の「文転」はあり得ても,文系の「理転」はあり得ないということか・・・いやいや,文系の強みについては,後日ゆっくりと語ることにしよう。
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疲労しつつ最近買った本

2007-07-23 17:46:20 | Weblog
ここ数日,いくつか打ち合わせをこなしつつ,疲労が蓄積したのか若干「休養」モードに入ってしまった。そんななか,何冊か本を買った。

奥山清行『フェラーリと鉄瓶』・・・一流デザイナーの考えることを知って,クリエイティブ・マネジメントの研究の参考としたい。

アルビン・トフラー,田中直毅『「生産消費者」の時代』・・・トフラーの構想力に触れて,クリエイティブ・ライフ研究の参考に。

林幸雄『噂の拡がり方』・・・出たばかりの複雑ネットワーク関連の啓蒙書。クチコミ・モデル研究の参考としたい。

経済セミナー別冊『ゲーム理論プラス』・・・行動経済学,実験経済学の興隆を踏まえ,脳神経科学者や社会心理学者も登場する。時代は変わった。

届いたばかりの Marketing Science 26(3) を見ると, 面白そうだが難しそうな論文が並んでいる。タイトルから目を引くキーワードを拾うと,

 Boundedly Rational Consumers
 Adaptive Idea Screening
 Myopic Marketing Management
 Lexicographic Preference
 Diffusion with Influentials and Imitators

ぼくがうつらうつらしている間にも,世界ではどんどん研究が進んでいるわけだ。先日「戦線縮小」と書いたが,実際は「戦力縮小」だけが起きた,というのでは目も当てられない。夏休みが勝負だなんて,人生で何回決意したことだろう・・・。
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アマゾンの仕掛ける甘い罠

2007-07-19 14:52:36 | Weblog

エディ・ヒギンズというピアニストが気になり,アマゾンでチェックしてみた。そしたら,たとえば,以下のようなジャケットのアルバムが出てきた。ふうむ,なかなかいいデザインだ・・・

と,その下に「この商品を買った人はこんな商品も買っています」として挙がっているのが・・・

ジェントル・バラッズブルー・プレリュードバラード・イン・ブルー

これらは全部違うアーティストのアルバムだ。これらに音楽的な共通性があるのかどうか,どれも知らないものばかりで,全くわからない。ただ,おそらくジャケットの印象が主な理由で,これらをともに購入する人が少なくないことはわかる。

ぼく自身,これらを一気に「大人買い」しようと思わないでもない(婉曲表現多用)。そうすると,これらのセットをリコメンされる人の数が増え,ぼくにもこの種のアルバムがどんどんリコメンされるようになるだろう。そうするとますます買うようになって・・・

・・・というカスケードに陥るのは避けたい。最初のアルバムをウィッシュリストに入れただけで,ぼく向けの「おすすめ商品」に,この手のアルバムが溢れるようになった。ともかく,最初のエディ・ヒギンズ~スコット・ハミルトンを実際に聴いてみないと始まらない(「自己正当化」の準備?)。ただのカクテルピアノなら,カスケードを水際で食い止めることができる。

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一時的撤収,戦線縮小へ

2007-07-18 23:19:36 | Weblog
ある予稿に査読結果が返ってきた。まずは,図と一致しない説明(=書き間違い)や説明不足の図表への苦情。ごもっともです。査読者として,こうしたいい加減な記述が最も腹が立つはず(ナメとんのかーという気分)。ただし,図のキャプションは必ず図の下でなければならない,という指摘はどうなんだろう・・・わが業界の一流誌ではそうなっていない。このあたりは,卒論/修論の指導で,別業界の同僚と揉める点でもある。

あとテクニカルな点での指摘。反論したい部分もある。特に「それは××の本質を捉えていない」などといわれると,アドレナリンが出てくる。しかし,基本的なことをきちんと説明していない点で,結局のところ著者に非がある。一流誌に載った論文を読むと,既存研究を踏まえて,あり得る批判に周到に予防線を張っている。ニュートンの「巨人の肩の上に立つ」ということばを好んで引用するくせに,全くもって恥ずかしい。

だが,今回少なからぬショックを受けたのが,この研究の問題意識を「面白い」と思うという評価がおしなべて低いことだ。もちろん,査読者たちと「業界」が違うという言い訳はできる。だが,じゃあ,自分では面白いと本当に思っているのかと問われると,うーんと唸るしかない。潜在的には非常に面白い内容を孕んでいるが,現状ではそれが十分開花していない。中途半端な発表をするぐらいなら,辞退したほうがよい。幸い,そうしてもあまり迷惑をかけない状況のようだ。

それよりまず,目下の最大の課題である「クルマ」研究をきちんと遂行すること。鮮度が問題になりそうな「クリエイティブ」と「傾向スコア」「広告主-代理店」を早急に仕上げ投稿すること。そして長年の蓄積?がある選択-選好に関わる研究を絶やさないこと・・・そこで最優先すべきは「ワイン」研究のリベンジ・・・いつも同じことをいっているようだが,これ以外のテーマのいくつかについては,少なくとも短期的に,優先度を下げることにする。これは一時的撤退で,いずれ満を持して再参戦するつもり(I shall return .../I'll be back ...)。

自己の能力を超えた拡大路線の破綻・・・企業でもよくある話。戦線縮小=リストラしかない・・・。
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豪華版Mリサーチ便覧

2007-07-17 14:54:39 | Weblog
The Handbook of Marketing Research (Sage) が届いた。なかなか豪華な執筆陣である。特に,データ解析の章は,

 回帰分析: Lehmann
 選択実験計画: Kuhfeld
 SEM: Savalei & Bentler
 潜在構造: DeSarbo, Kamakura & Wedel
 階層ベイズ: Allenby & Rossi
 Harzard: Chintagunta & Dong

そして,応用の章でも・・・

 マーケティングミックス: Tellis
 セグメンテーション: Dillon & Mukherjee
 ブランド: Keller
 顧客満足: Oliver
 顧客資産: Rust, Lemon and Zeithaml
 顧客生涯価値: Kumar

お値段の方も,日本円で17,000円強と,なかなかではある。
ハンドブックの和訳は「便覧」ということらしい。確かに手に持って歩けるようなサイズではない。
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「片想い」の脳科学

2007-07-16 23:07:02 | Weblog

ダ・ヴィンチ8月号に面白い対談が出ている。タイトルからして魅惑的だ。

「なぜ、きみを好きになったのだろう?」
片想いの達人・穂村 弘が、
脳科学者・池谷裕二に
恋愛のしくみを訊く

そもそも子孫繁栄のためだけなら,恋愛感情やその極致としての片想いは過剰ではないか,という穂村氏の問いに,池谷氏は「盲目性を獲得するため」と答える。恋をするとき,脳のテグメンタという部位が活動し,快感をもたらし,人を盲目にさせるという。

さらに池谷氏は,人が何かを好きになるのは,そのとき感じていた別の快感情が転移する,いわゆるプライミング効果で説明できるという。女性は「私のどこが好き?」と聞きたがるが(・・・そんなこと聞かれたことあったかなあ),「脳的には理由はないはず」だと。

今後,選好形成のモデルを考える場合,快が偶然出会った別の事物に転移し,あとづけでそこに必然性があるように解釈され,それがその後の行動に影響していく・・・というようなロジックになるだろうか。そういう部分があるのは確かだが,それだけで十分なのか。

なお,この対談は,なぜ「盲目性」が必要なのかには触れていない。それを知りたければ,池谷氏の著作を読むべきなのだろう。だが,脳科学の知識をつまみ食いするだけでなく,体系的に読書したいと思う。すでに,いっぱい買ってあるわけだし・・・。 

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Service & Relationship

2007-07-14 12:21:28 | Weblog
昨夜はS&Rマーケティングの研究会初会合。参加者のほとんどが企業の実務家だ。香田先生,ルディーさんが最初に問題提起を行う。ルディーさんがあげた仮説のうち,ネット企業がリアルに足を踏み入れざるを得ないこと,そのビジネスモデルがどうなるかという問いはなかなか興味深い。

そのあと各自の自己紹介。ぼくはいま,クルマの先端技術とブランド戦略に関する研究に関わっているが,実はそこでもS&Rという視点が重要になっていると話した。その場で思いついたことだが,けっこう本質を突いているかも・・・。そのあと近所のイタリア料理店で懇親会。ワイン談義。
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政治に対する「感情温度」

2007-07-13 10:08:13 | Weblog
朝日・東大の共同調査によると「安倍、小沢両氏、好感度ではともに苦戦」という記事。政党と党首に対する強い反感から強い共感までの「感情温度」を100点尺度で測っている。両党首とも42点であまり人気がない。やっぱり,という印象だ。さらに,政党への感情温度で民主党が自民党を上回ること,無党派層での安倍氏の温度が小沢氏に比べても著しく低いことが指摘されている。

記事は「党首の魅力が党の人気を引っ張った小泉前首相の時代とは一変。人柄やパフォーマンスとは別の「党首力」で勝負せざるを得ない選挙戦となりそうだ」と結んでいる。小泉劇場があまりに例外的な事件だったのかもしれない。それにしても「人柄やパフォーマンスとは別の「党首力」」とは何なんだろう? (党首力とは別に政党力,あるいは地方選挙区の場合,地域での候補者力がある,という話ならわかるが・・・)
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「安倍劇場」は起きるのか

2007-07-12 23:59:06 | Weblog
今回の参議院選挙の結果がどうなるかなんて,専門家でもないのに(あるいはそうであっても?)わかるはずがない。現時点での世論調査や予測では,与野党が逆転するという見方が多い。だが,必ずそのあとに,無党派層(最近,浮動票とかいわないのかな・・・)は最後の3日間で意思決定する,選挙は水物,という補足がつく。アナウンスメント効果を指摘する人もいる。あるいは,北朝鮮から拉致被害者が帰国するというサプライズが用意されているという噂もある。

世論調査の結果で,特に全国区で民主党への投票の増加が予想されるのは,今回,永年政権を担当してきたがゆえに年金問題に責任を負う自民党へ「お灸を据える」という意識があるからだろう。その結果として参議院で与野党が逆転した場合,自民・民主大連立なんてことにならない限り,衆議院の解散が現実的な日程に上る。そのとき改めて各党の態度や行動を見て,どちらに入れるかをじっくり考えよう,という意識なのだと思う。

今夜,TBSの党首討論会を見て,安倍首相は,その思想に共感できるかどうかはともかく,非常に「真面目な」男なんだろうなと感じた。そこがきわめて「不真面目」であった,それがゆえに役者であった小泉前首相と決定的に違うところだ。このままでは,どんな優秀なPRプランナーが演出したところで,「安倍劇場」は起きそうにないと思われる。だが,対する民主党の小沢党首はどうかというと,こちらもまた,あまりに「真面目」すぎるのだ。

小沢氏はかつて「豪腕」と恐れられ,「壊し屋」ともいわれたが,基本的に「真面目な」原則主義者なのだと思う。だからこそ,自民党幹事長時代に総理の座に最も近いといわれながら,政治的には必ずしも成功してこなかったのだろう。今回の選挙で自民党が負け,総選挙の可能性が高まった時点で,党首の魅力が改めて問題になるはずだ。自民党が敗れた場合,安倍氏が辞任して麻生氏があとを継ぐという説もある。彼の遊び人風の「不真面目さ」は,小沢氏にとって脅威になるかもしれない。
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