先週開かれた Marketing Science Conference では "IV" という略語が何の解説もなく使われていた。「独立変数」の意味で使われている場合もないわけではないが、より一般的なのは「操作変数」という意味の場合である。他には「固定効果」という言葉を頻繁に耳にする。
上述の会議では耳にすることはなかったが(たまたまかもしれない)、differences-in-differences とか regression discontinuity とかいった手法も然り。旧世代の計量手法しか学んでいない者として、いつの間にか新しい概念に取り囲まれ、焦りを感じている。
新しい手法が現れた背景には、純粋な無作為割当実験ができない環境下で政策(介入)効果を厳密に測定しようとする、労働経済学や教育経済学などの応用ミクロ経済学の発展がある。それが経済学にとって重要な進歩になったことは、たとえば以下のブログ記事でわかる。
Noahpinion: A paradigm shift in empirical economics?
上述の手法は「自然実験」派に分類されるが、それに対抗するのが「構造推定」派である。いうまでもなく、それは「構造方程式モデリング」(SEM)とは別物である。構造推定については以前、自分が主宰する研究会で斯界の第一人者の方に講義していただいたことがある。
自然実験にしろ構造推定にしろ、最近の計量手法について概観するには、以下の本がお奨めである。『法学セミナー』での連載をまとめたものであり、文系の読者を対象に書かれている。法学や経済学での研究事例が紹介されているのも、社会科学系の研究者にはありがたいはずだ。
この本で直観的なイメージを得たあと、実際に使えるようになるためには、何を読めばいいのだろうか。自然実験については以下の教科書が挙がるだろうが、構造推定については思い当たらない。これだけ注目を浴びているということは、早晩出版されると予想されるが果たして・・・。
上述の会議では耳にすることはなかったが(たまたまかもしれない)、differences-in-differences とか regression discontinuity とかいった手法も然り。旧世代の計量手法しか学んでいない者として、いつの間にか新しい概念に取り囲まれ、焦りを感じている。
新しい手法が現れた背景には、純粋な無作為割当実験ができない環境下で政策(介入)効果を厳密に測定しようとする、労働経済学や教育経済学などの応用ミクロ経済学の発展がある。それが経済学にとって重要な進歩になったことは、たとえば以下のブログ記事でわかる。
Noahpinion: A paradigm shift in empirical economics?
上述の手法は「自然実験」派に分類されるが、それに対抗するのが「構造推定」派である。いうまでもなく、それは「構造方程式モデリング」(SEM)とは別物である。構造推定については以前、自分が主宰する研究会で斯界の第一人者の方に講義していただいたことがある。
自然実験にしろ構造推定にしろ、最近の計量手法について概観するには、以下の本がお奨めである。『法学セミナー』での連載をまとめたものであり、文系の読者を対象に書かれている。法学や経済学での研究事例が紹介されているのも、社会科学系の研究者にはありがたいはずだ。
![]() | 実証分析入門 データから「因果関係」を読み解く作法 |
森田果 | |
日本評論社 |
この本で直観的なイメージを得たあと、実際に使えるようになるためには、何を読めばいいのだろうか。自然実験については以下の教科書が挙がるだろうが、構造推定については思い当たらない。これだけ注目を浴びているということは、早晩出版されると予想されるが果たして・・・。
![]() | 「ほとんど無害」な計量経済学―応用経済学のための実証分析ガイド |
ヨシュア・アングリスト, ヨーン・シュテファン・ピスケ | |
エヌティティ出版 |