昨日の宿題は、花鯛のカルパッチョにどんなワインを合わせるか。
花鯛は、正確には血鯛のことで、真鯛とは違う種類。
エラのところに鬱血したような印があるため血鯛と云う。
この血鯛は、春から初夏にかけてがとびきりに美味しいところから、縁起を担ぐ江戸っ子は、この魚を花鯛と呼ぶ。
今時が旬の花鯛は、真鯛と変わらずに美味しいため、真鯛として売られることもあるようだ。
さて、合わせるワインはやはり、キリッとした酸のある白ワインが良いだろうか。
しかし、ワインと料理の相性は結局のところ、個人の好み。
逆に合わないワインを除外すれば良いように思うクアトロの父だ。
結局、花鯛のカルパッチョに合わせるワインに正解はない。
正解があるならば、楽しく飲めるワインが正解。
そんな正解のワインが色々揃っているクアトロ。
クアトロのお嬢さんの彼氏も楽しければ正解だが、そう素直に合格点を出さないであろうクアトロの父だ。
「クアトロ・スタジオーネ」はイタリア語で四つの季節、四季の意味。
豊四季の地名にちなんで付けた名前だ。
店内に入ると、パルミジャーノとプロシュートが置かれてある。
「プロント」
「ベルファボーレ」
などと、ホールと厨房でかけ声をかける。
メニューも「スパゲッティ・クアトロ・スタジオーネ・ロッソ」「タリアテッレ・クアトロ・フォルマッジ」などと書いてある。
これは本格的イタリアンを目指すクアトロの開店前に想定していたこと。
しかし、これはお客さまを萎縮させるだけ。
日本で、日本のお客さまに、日本の食材を活かしてイタリアンに仕上げるのが本来の本格的イタリアン。
そこで、メニューの表示も解りやすく変えた。
「季節野菜のスパゲッティ・トマト味」「四種チーズのタリアテッレ(平打ち麺)」と云ったぐあい。
今日のおすすめは、「米沢豚と春野菜のインボルティーニ」。
インボルティーニは巻きものと云う意味。
これは、「米沢豚と春野菜の包み焼き」とでも直そうかと思案するクアトロの父だ。
「父ちゃん、オーダーあがったよ」
庶民的本格イタリアン、クアトロ・スタジオーネである。