「嫌われ松子の一生」、日本版フォレスト・ガンプといったところか、クアトロの父の好きな映画だ。 なんでどうして、こんなはずじゃなかったと思う松子の生涯。 時代を映したひとつひとつのエピソードがとても身近に感じられる。 隅田川を見ながら故郷を思って泣く松子。 エンターテイメントな作風の中にとても感傷的な雰囲気も良い。 春になって帰ってきたサクラマス。 川で育ったヤマメの仲間から、はじきだされ大海でもまれて帰ってきた。 川に残ったヤマメよりも一回りも二回りも大きくなって帰ってきた。 脂だって充分に乗っている。 なんでどうして、こんなはずじゃなかったのに、やっとの思いで帰って来たサクラマスはクアトロでマリネにされて薄くスライスされてお客様に供される。 「でも、いいの一人ぼっちよりもずーとましだもの、私のことを美味しいって愛してくれるのだから」サクラマスは独白するのです。
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