ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

八角自虐の詩

2020年01月18日 | 魚の話

前略おかあちゃん。
私は何で生まれてきたのでしょう。
今まで何も良いことがありません。
不幸になるために私は生まれてきたのでしょうか。
私はずーっと北海道の寒くて暗い海の底で生きてきました。
漁師さんに引き上げられ市場にやってきたら、みんながワニみたいな醜い魚だと笑います。
名前も八角と呼ばれています。
あまりかわいい名前ではありません。
せめて五角ならば、試験シーズンには、合格の魚とか云って貰えたかもしれません。
そして、頭が大きくて食べるところが少ないし皮が固くて調理しずらいと文句を云う人もいます。
でも、とっても遠くの町、豊四季の変わったイタリアン・クアトロのお客さんは私を愛してくれた。
北海道でしか食べられないと思っていた八角。
その白身の刺身にはきめ細かな脂が入っている。
冬の魚の中でもこれは絶品だと褒めてくれた。
おかあちゃん、幸せって何なの。

 

 

 

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