サンダニエーレ産生ハムの切り立てはクアトロの名物のひとつ。
クアトロの父は、この生ハムを出すたびに、お客様の感想を聞いている。
お客様の分析はとても参考になる。
「脂の入り方が良い」
「切る場所によって味わいが違う」
「自分はもっと骨の近くが好きだ」
「肉の旨みが感じられる生ハムだ」
「他の生ハムより味が濃い」
「塩分が少なくていい」
などなどである。
「美味しいですか」と聞かれて、不味いとは云えないが、それでもただ旨いだけでなく感想を詳しく伝えてくれるクアトロのお客様はレベルが高い。
映画「ロッキー」で吊された肉をサンドバックにする場面は有名だが、あの肉はどうなってしまうのだろう。
サンダニエーレも実は叩かれているらしい。
と云ってもボクサーの練習相手をしている訳ではないが、一度プレスをかけられるという。
余分な水分を除く仕事人の技だ。
それがサンダニエーレの生ハムの特質のひとつ。
グラム当たりの価格からみればプレスをかけない方が儲かるのだが、サンダニエーレの生ハムには実直さを感じる。
今日も生ハムを切るクアトロの父。
バックミュージックにロッキーのテーマが似合いそうだ。