孝行息子クアトロの父は、母親を連れてスカイツリーへとやって来る。
行きはTX浅草駅からスカイツリーまで歩くことにした。
途中、浅草寺で参拝し賽銭をあげて、仲見世を散策する。
浅草からスカイツリーは間近に見える。
年寄りを連れて歩いても大丈夫だろうとクアトロの父の計算だ。
しかし。
しかし、歩くとなかなかの距離だ。
途中、小さなビルでもスカイツリーの姿を隠す。
見えないスカイツリーを追い求めて歩くことになる。
それにしても、昭和一桁のクアトロの父の母は健脚だ。
もくもくと歩く母だった。
見事、スカイツリーに着く。
そのスカイツリーの足下には、お年寄りが群居している。
みなさん、スカイツリーを大仏のように拝んでいる様相がある。
クアトロの父とて、その部類だが空に突き刺さるようなこの塔に浅草寺のように拝みたくなるものだ。
おみやげを買いたい母だが、まだスカイツリーも開業前なので店もオープンしてなく叶わなかった。
お賽銭変わりの買いものが叶わなかったので、東京スカイツリー駅から電車で再び浅草に戻り散策。
よく歩く母親だと感心するクアトロの父。
そろそろ帰ろうと弱音を吐くクアトロの父。
帰りの電車では、「東京駅も新しくなったんだってね」と母に云われる。
「はい、連れて行きます」とは即答できなかった、歩き疲れたクアトロの父。
TXでおおたかの森駅に着くと、まだ日が高いからクアトロの父の家がある豊四季まで一駅歩くという母。
この人、あと20年は元気そうだ。