パルミジャーノと同様にイタリア料理になくてはならないチーズがモッツァレラ。南イタリア、ナポリ近郊の特産のチーズだ。本来は、水牛から作るものだが、現在は牛乳製が多い。クアトロのモッツァレラも牛乳製のもの。やはり、水牛のものは濃厚で美味しいがかなり価格が高い。水牛はとても臆病な動物らしく、ミルクを搾取するのも大変らしい。
モッツァレラはチーズに熱湯をかけてお餅のように練って作る。練った後にちぎって丸めるが、ちぎるという言葉がモッツァレラの語源とか。日本のお豆腐のようなもので、庶民の食べ物だったものが、ピッツァの普及とともに、有名になったようだ。しかし、南イタリアは北イタリアのパルミジャーノのように商標を守ったりする知的な活動がなされず、モッツァレラの名前はどこの土地で作ったものでも名乗れる。ドイツ製のモッツァレラさえもある。
さて、このモッツァレラは、とてもクリーミーだがそれ自体にそれほど味はない。他の食材と組み合わせて実力を発揮する名脇役といったところのようだ。サラダでは、バジルとトマトと合わせたカプレーゼが有名。カプリ島のサラダという意味だが、その色合いはトマトの赤、モッツァレラの白、バジルの緑でイタリアの国旗をイメージしており、イタリアを代表する料理とも云える。
モッツァレラは火を入れるとさらに美味しい。もちろんピッツァ・マルゲリータはモッツァレラがあってこそのもの。トマトソースと一緒に使ってパスタにしたり野菜と合わせてオーブン焼きにしたメニューなどがクアトロにはある。
クアトロの父もモッツァレラは大好きで、いつも賄いのパスタに入れて食べています。