奈良市の山里、田原から天理方面に抜ける大和高原の南田原南はずれに、伊行恒の作になる磨崖石仏がある。
街道の左手に大きなの藤の蔓の絡まった岩盤に等身大の石仏が二体と、小さな六体地蔵が刻まれている。
左手の阿弥陀如来には、東大寺の宗詮が、伊派の名工行恒に作らせたと言う銘がある。
鎌倉末期の元徳三年の造立、像高1.8m。
伊行恒の石像は木彫に近い精巧な顔立ちが石の硬さを感じさせない。
右手には像高1.7mの弥勒菩薩、像の右肩辺りから大きなひび割れが痛々しい。
阿弥陀如来の右下には像高約30cmの六体地蔵が並んでいるが苔魅していて良く分からない。