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正暦寺は一条天皇の発願により、関白九条兼家の子兼俊が正暦3年(992)に創建。秋は“錦の里”と呼ばれるほど、紅葉が美しいことでも知られています。
菩提山川に沿って山の方へ車を進めると途中に出垣内の集落が在って、道路際の仮堂に中央に等身大の地蔵立像石仏、左に南無阿弥陀仏の名号板碑、右に小さ目の地蔵石仏を安置している。
中央の等身大地蔵石仏は、第二室戸台風(1961)で地蔵堂と共に転倒、肩、腰の部分で折損、顔面はほとんど欠落しているが、像高、163cm、円光背の丸彫り立像で、木彫仏に近い優れた石仏で鎌倉中期の像立。
はなきれ地蔵と呼ばれていて、いまでも信仰が厚く丁寧に清掃されていて季節の花が手向けられている、しかし「はなきれ」どころか「のっぺらぼう」で、その面相は計りようがない。
道なりに川沿いをさかのぼっていくと、やがての老樹の生い茂る正暦寺域内にはいる。
南大門跡の近くに二本の杉の大木が聳えていて、その根元に「なきわらい地蔵」と呼ばれる二体の地蔵石仏が待っていてくれる。
舟形後背を背負う右側の地蔵は享禄四年(1531)室町後期の作、左側の丸彫り地蔵は室町末期?の作。
大杉の下で泣き笑い地蔵??? 僕の好きな巨樹と石仏、二つ重なってとても嬉しい気分になれる風景です。
しかし、どちらが「泣き」でどちらが「笑い」なのか????。
撮影2006・4・8