木津川支流の一つ、名張川に注ぐ笠間川合流口、左岸岩壁に刻まれた弁財天磨崖仏。
ここは三重県名張市と奈良県山添村との境界辺り、この山腹の葛尾集落はかって一つの集落で有ったろうに現在県境が集落の真ん中で引き裂いている。
そんな三重県側葛尾集落への進入路が磨崖仏の背をかすめて通っている。
弁財天磨崖仏は川岸に露出した高さ約2m程の花崗岩に像高約1.1mの弁財天立像を線彫りで刻みつけて居る。
弁財天は水の神、富貴の神とも称され、七福人の紅一点として庶民からの信仰が強かった。
眉目、唇に彩色痕が残り、いかにも稚拙な像容で江戸時代後期かそれ以降の造立か??
石仏としての価値は見いだせませんが、この地域には珍らしい磨崖仏です。
撮影2012.3.4