奈良市大平尾町「上ん堂」と呼ばれる小堂脇に集積された石造物の中から・・・・。
大平尾町は山の中、大柳生から春日原生林裏に当たる奈良市田原地区に続く県道47号線沿い、懐かしい景観がそこここに楽しめる山間集落。
そんな大平尾上出、旧小学校前を山側に少し登ると、高い石垣の上に小さなお堂が有る。
現在では境内とも思えぬガラっとした空き地に中世石仏を彷彿とさせる石造品がずらりと並んでいる。
前列、二体の板碑に挟まれて立つ地蔵石仏。
大和地方に多いタイプの切れ長キツネ目、総高130cm、像高106cm、光背上部には地蔵種子の「カ」を刻む。
山深いこの地にあっても、奈良は近く堂々とした定形地蔵立像・・・・室町後期の大永三年(1523)銘が確認されて居るが、残念ながら蓮坐は土中に埋もれ見ることは出来ない。
撮影2012.5.05