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栗東ICから国道8号を彦根方面に向かい、約10分野洲中学校の信号を右折、学校正門前の道をさらに左折していくと墓地があり、そこが駐車場になっていました。
その駐車場から案内板に沿って遊歩道を行くと廃福林寺跡の石仏の看板がある。
右手に小さな橋があり、それを渡ると深い杉木立の一帯が福林寺跡で、非常にたくさんの磨崖仏や石仏がある。
どうしても訪ねて見たい石仏だったので感激ひとしおです。
一番見事な磨崖仏は如来像二体と観音立像一体が刻まれており、特に、観音像は、最も美しい姿をしているといわれ、巨岩の岩肌に舟形光背を彫り窪め、それぞれに半肉彫りで、室町時代初期の像立。
ほかにもたくさんの磨崖仏があったとされますが、大正9年の調査時点で礎石を割り取って大阪方面の富豪の庭に持ち去られたとありました。
一番美しい観音磨崖仏にもノミ跡が痛々しく、欲望の爪あととして今も残っている。
福林寺は、奈良時代の創建、近世まで、名残をとどめていたらしいが、今では鬱蒼とした樹林の中で石仏だけが佇んでいる。
この石仏群は今、参る人もなく、手向けられる花も無く、樹林のなかに埋もれている。
石仏好きにはたまらない風情の仏さんです。
撮影2006.4.16