前回の続き、尾道「浄土寺」には国の重要文化財に指定された納経塔と呼ばれる宝塔や宝篋印塔がある。
<阿弥陀堂、多宝塔>
境内には名古刹の名古刹の名に恥じず、古い形の阿弥陀堂や多宝塔が建ち並び、
多くの建築物も国宝や重文に指定されて居る。
裏口から境内に入ると白壁塀の前に並立する宝塔と宝篋印塔。
向かって右に立つ宝塔は総高2.7m、塔内に法華経などを奉納したとされ、納経塔と呼ばれて居る。
基壇上に格狭間入の基礎石を置き、塔身には珍しく胎蔵界四仏の種子を刻み出すが力強さには少し欠ける。
首部には特徴的な帯状刻み出しが見てとれる。
塔身に 弘安元年(1278)戌寅十月十四日:「沙弥光阿弥陀」「孝子光阿 吉近敬白 大工形部安光」の刻銘が有り、尾道では最古の銘をもつ鎌倉中期造立。
片や、向かって左側に立つ宝篋印塔は、高さ3.2m、塔身下の請座は二重に成っていてこの地の特徴を表している。
塔身蓮華座上、月輪内には金剛界四仏の種子を薬研彫り、貞和四年(1348)戌子十月十日の刻名が有り南北朝前期の造立。
傍らに在った五輪卒塔婆・・・、高さ約2.3m。
尾道は良質の花崗岩の産地でも有るのだろうか・・・・・。
撮影2012.12.2