愛しきものたち

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岡山県倉敷市児島 総願寺跡石造宝塔

2012年12月24日 | 石塔:石造物

鎌倉初期の刻銘が有り、全国的にも極めて貴重な石造宝塔。

倉敷市街の南、瀬戸自動車が瀬戸内海を跨ぐ本の少し手前、一昔前は学生服、現在でも国産ジーンズの拠点として広く知られる旧児島市の下之町にある。

染物工場の玄関先、総願寺跡に建つ王子権現社拝殿脇、鉄製アングルで組んだ簡素な覆い屋の中に安置されて居る。

この宝塔は畿内、特に近江で数多く見慣れた宝塔とはちょっと趣を異にした方柱状の塔身を持ち、上に大きな屋蓋を載せ、その上に相輪を置いて居る。

屋根が直線でなく温もりのある曲線なのが特に印象に残る・・・・・。

基礎は円形を成す花崗岩自然石、総高2.8mの花崗岩は火災により特に塔身部の傷みが激しい。

塔身は膨らみを持たない角柱を大きく面取り、各面には枠を残した長方形を彫り沈め、四方仏を薄く刻み出して居る。

南面する正面には多宝如来と釈迦如来の二尊座像・・・・、この面の傷みが酷い。

右回りに西面は・・・・・ゲエ、これはどう見ても阿弥陀では有りません。

こちら保存良く、像容も良く整い端正な尊顔、蓮座に座する弥勒仏・・・像高60cmばかりか?

裏側北面には何故だか不動明王立像・・・、こちらも傷みが目立ちます。

最終東面は見事な二重蓮台に坐し、弥陀定印を組む阿弥陀坐像。

どうも、いつもの四方仏とはかってが違います。

塔身の隅に建仁三年(1203)の刻銘が有り、 鎌倉時代の在銘石造宝塔では、全国で二番目に古い造立。

撮影2012.12.3



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