湖南、日野町の古刹、金剛定寺の三層石塔。
誰の目にも古刹であることが一目瞭然の佇まい・・・
金剛定寺は日野町中心街より西へ約6km、農作地帯の小高い丘に軒を並べる中山集落の中程に建つ。
金剛定寺は、聖徳太子が建立した四十八院のうちの一院で、現在 天台宗の寺院。
日野町内でもっとも古く、奈良時代にはすでに相当の勢力を持つ寺だったようで、現在地を中心にして東谷西谷のすべての地内にぎっしりと堂塔伽藍や僧坊が立ち並んで居たといいます。
そんな境内に建つ三層石塔は、各層の屋根と上層軸部は一石からなり、現在不自然な三層石塔と成っているが・・・もと七重であったとの説もある。
<正面>
初層塔身部には舟形を彫りくぼめ四方仏坐像を半肉彫り、基礎石にはそれぞれの種子を薬研彫りしている。
<東面>
屋根石は分厚く力強い反りを持ち、初層塔身が馬鹿に背が高い。
<西面>
基礎石にキリークを刻み、四方仏の阿弥陀如来坐像を刻み出している。
塔身に対して基礎石が小さすぎアンバランスなのは五輪塔の基礎を流用していると言う事でした。
鎌倉時代中期 「建長四年(1252)壬子十月十八日」の刻銘があり、日野町の指定文化財。
撮影2012.10.26