湖東近江平野の東側に連なるなだらかな山裾に位置する竜王町と東近江市に囲まれるように近江八幡市の浄土寺集落が長閑な田園景観の中、日野川の流れと雪の山の山裾の間に家並みを連ねている。
国道8号線から浄土寺集落をめざし集落の家並みが途切れた辺り、左手にそれとわかる天神社の参道が見え、右手には小高い土手越しに老木杉の梢が聳えているのが見える。
道なりに小高土手を越えれば老杉の根元に笠石仏や小石仏の集積が見える。
中心に有る笠石仏は高さ、最大幅共に約1.2mの花崗岩自然石に大きな別石で加工した笠石が載せられ独特な雰囲気を醸しだしている。
自然石の表面を頂部に丸みを持たせた長方形に深く彫り窪め下部には蓮華坐を設け、その上に大きな錫杖を持つ地蔵菩薩立像を半肉彫りで刻み出している。
丸く良くまとまった顔や体躯のプロポーション、蓮弁の反りなどから南北朝末期の像立だと考えられてるようですが、顔に似合わず縁切り地蔵と呼び親しまれているようです。
往古このあたりは天神社と共に浄土寺と呼ばれた大きな寺院があったようで、この石仏や周りの小石仏もその寺院と無関係なものではないだろう・・・・。
老杉の根元で長閑な田園を見据え、穏やかに微笑むように佇む地蔵さんに縁切り地蔵は、似合わないような気するんですが・・・。
撮影2008.1.19