かって、我が山城の隠れ里だった宇治田原町、その田原川と宇治川谷沿いから起ち上がる「大峰山」南西斜面に軒を連ねる高尾(こうの)集落。
国道307号線、田原郷の入口「郷之口」より山裾を行く田原川を越え、山肌を一気に駆け上ると山上集落の「高尾(こうの)」。
集落は山上とは言え海抜300mにも及ばず、最近ではアクセスもそう悪くなく・・・最早「隠れ里」とは呼べない。
しかし、ここからの眺めは良く京都伏見方面が手に取るように見渡せる。
この高尾集落は、織田信長に敗れた「近江の佐々木氏」が逃れ住んだという伝承を持ち、また集落の入口には「弘法の井戸」と呼ばれる集落唯一の湧水が有り、近在からその水を汲みに来る人も多いと聴く。
集落は雛壇状に二段に分けられた斜面に14~15軒、放棄家屋や廃屋は見られず、却って民家の数は増えている。
それでも懐かしい景観を残す覆い懸け家も2~3残り、鄙びた山里に色を添えている。
しかし山腹山間集落は人と鳥獣が共に暮らす場所・・・・・果実と言わず農作物は、網ガード無しのむっくり出しでは何も育ちはしないし採ることも出来ない。
こんな集落の奥にも近畿スポーツランド称するミニバイクレース場が出来、そこへ向かう車が集落を走り抜けて行く。
撮影2013.1.26