
南山東麓から西麓に廻って最初に訪れた石仏。
ここは南山中最も石仏が集中している三稜渓谷登山道の入り口、三仏寺に隣接している小高い台地の覆堂に安置されている。
元は現在地から少し登った斜面に倒壊していたものを1923年に復元したものだそうで、もともとこのような三尊形式の石仏で有ったのかは定かではないとか?
写真でも解る様に中央には釈迦如来を思わすような堂々とした体躯の如来石仏立像、それぞれ左右には菩薩型石仏が安置されている。
中尊の如来型石仏もさることながら特に左手の菩薩石像はその彫刻も素晴らしいく、童子を思い浮かばせる様な幼い笑をたたえ、少し首をかしげているようにも見えてなんとも微笑ましい。
中尊は像高226cm、右手は施無畏印、左手は与願印を結び、光背は肉厚の仏身にふさがれている。 もとの台座は失われ、現在の自然石の台座は復元の際に製作されたようです。
向かって左手の菩薩像は像高、2.3m、胸飾・臂釧・瓔珞などの装飾も素晴らしく、光背にも5体の化仏が彫刻されている。
台座も唯一当時のものだそうです。
向かって右手の菩薩像、像高は右手の菩薩像にほぼ等しい。
彫刻様式などから3像とも三国末期7世紀の作品と推定されているようです。
これほど大きな丸彫りに近い石仏が7世紀には彫られていたという事実と、それがほぼ完全な形で残されていたと云うことには驚かされました。
近くの拝里三稜。
撮影2010.10.17