御所市の北西端葛城山山裾に櫛羅と書いて「くじら」と読ませる地域が有り、そのはるか高台に流不動と呼ばれる石仏が祀られて居る。
流れ不動は葛城山ロープウェイ登山口駅への途中、くるま道路を外れた旧道途中・・・・
ポツポツとある家並の途絶えた道脇に目印の杉の木と簡素な不動堂が建って居る。
不動明王石仏はこの地域のクシラ石と呼ぶ決めの荒い花崗岩を舟形に整形、正面に等身大程の定形不動明王立像を刻み出して居る。
石のキメの荒さと信仰篤さの手摺りのためか、摩耗激しく、どんな像容だったのか判断しかねる程・・・・。
見える限りの判断では其れ程古いものでも其れ程上質のものでもなく、素人彫りに毛の生えた程度の近世石仏。
しかし石仏の前に建つ丁石は、かつてこの地に在った「安位寺」の丁石と言われ、鎌倉時代末期 嘉元二年(1304年)の銘を持ち、丁石としては全国で三位の古さだと言う。
撮影2011.11.27