愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

真禅寺の石棺仏

2011年01月27日 | 石仏:兵庫

前回紹介の黒岩磨崖石仏より北方へ約4km、10分も走らないで着いてしまう距離。

姫路市とは言う物の加古川市や高砂市に接した地域で一連の石棺仏が見られる地域です。

国道2号線少し北に入った別所町北宿集落の奥まった前面に長閑な田園が広がる山裾に真禅寺はあって、境内の西側の墓地の真ん中目指す石棺仏は立っていた。

しかし石仏に在ってこんれ程までにデフォルメされた石仏も珍しい、高さ130cm、幅75cmの家型石棺の蓋に阿弥陀如来座像を薄肉彫りにしているが写真のようないでたちでまるで現代モニュメントのようにも見える。

室町期のこの石棺仏は、形式化がすすみ表現力に劣るといわれているが此処まで来ると別の意味での魅力を感じないわけには行かない。

石棺にデフォルメされた抽象的・幾何学的表現の石仏にどこか異質な文化を感じないでもない。

一方、本堂前に立つ高さ約1m、幅90cm程の石棺の蓋石を利用した如来座像石棺仏が有る。

像の周辺を彫り窪めレリーフ調に定印??の阿弥陀如来を刻みだしでいる。

像の左右に「文永二年乙丑」「十一月十日」の銘があって、在銘石棺仏としては最古だそうです。

大阪府柏原市山ノ井町の瑠璃光寺石棺仏に良く似ておりそれを真似たものだといわれているようです。

撮影2008.9.14


黒岩(くろいわ)十三仏磨崖仏

2011年01月27日 | 石仏:兵庫

加古川市の西となりに有る高砂市、その西端あたり姫路市の境界近くを流れる天川の橋を渡り直角にカーブを切ると国道250号線は川沿いに南下する。

橋を越え突き当たりに有るのが住吉神社、それを行き過ぎて直ぐ左斜面の崖に少し分かり辛いが磨崖石仏が彫られているのが見える。 

国道250線脇の斜面に沿った階段を登ると草が茂った、粗末な鉄柵の先に黒岩十三仏がある。

斜面に露出する花崗岩に幅 170Cm、高さ約70Cm、横長短冊型の彫り窪みを造り上下二段に13仏を刻みだしている。

上段には向かって左端から金剛界大日如来、虚空蔵菩薩 、阿閃如来 、阿弥陀如来、勢至菩薩のそれぞれ坐像。

下段は同じく左端から観音菩薩、薬師如来、弥勒菩薩、地蔵菩薩、 普賢菩薩、文殊菩薩 、釈迦如来 、不動明王の各坐像

「于時永正二年(1505)乙丑十一月二十八日、逆修尼衆、敬白」の刻銘が有り室町中期、逆修供養のために刻まれたもののようです。

500年以上も風雪と共に有り全体的に磨耗・風化が激しく判然としない。

しかしこの地域でまさか磨崖仏が見られっるとは思ってなかったので新鮮な驚きでした。

撮影2008.9.14