滋賀県甲賀市の信楽は言わずと知れた陶器の町。
一時期狸の置物がもて囃され,その名を全国に轟かせ、有名になったとか??
町には今でも大狸を店先に並べた陶器店が軒を並べているが一時のような賑わいは無い。
そんな信楽の中心地、長野辺りの窯元散策道を歩くともう今は火が入れられることも無くなった長大な登り窯に出遭うことが出来る。
僕はこの町でもう半分以上潰された哀れな登り窯2箇所と・・・・・・・・
まだ使えそうな一基・・・・
ただただ野天で雨ざらしの一基を見かけた。
我が家の山城からは国道307号瀬で道鳴りに約く30分、信楽高原鉄道の終点信楽駅前より延びる駅前通と307号線交差の信楽駅口を駅とは反対側へ左折、突き当りが大きな鎮守の杜を持つ新宮神社、杜沿いの道を行くと窯元散策路の看板がアチコチに建てられている。
暫く進むと右手に浄観寺、左手民家の屋根越しに赤レンガ煙突と登窯のようなものが小高い丘の斜面に見え隠れ・・・。
もう半分以上も潰され殆ど残骸のような登窯
レンガを積み重ねて造られたその登り窯は遠い昔のアンコール遺跡の石組みのように朽ち果てた姿を曝している。
いつ崩れるかも知れないその姿はやはり哀れ以外の何者でもない。
浄観寺の前の道を200mも進めば覆い屋も有り、まだ使えそうな登り窯
この窯は道路側を枕に、其処から下る緩やかな斜面に築かれ八連窯
今ではすっかり火も音も消え、時折観光客を連れて廻る案内人の声が響く
前面炊き付け口から・・
裏側から見ればまるで巨大な「蚕の繭」を横に並べたような
焼きただれた置き台や房室の壁にあの狸の姿をふと見えるような・・・
この斜面横の道筋を道なりに100m、散策路休憩所手前の道路わき斜面にも登り窯
多い屋も無く、窯の上部には枯れ草
連房奥部野焼成室は既に無く・・・、登り窯の歴史は閉じられて久しく見える。
四ヵ所目、公園のように整備され、遺跡のようにも見える登り窯。
焼き物もやっぱり安い輸入物が幅を利かすのか寂れた工場がやけに目につく。
やがて消え行くもの、滅び行くものの美だろうか・・・
土とレンガの積み重ね
土饅頭の連続のような登り窯
何処と無くなんとなく、心の休まる心の温まる風景・・・・・
登り窯の有る景色。
撮影2011.1.23