Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

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特発性小脳失調症を対象とした多施設医師主導臨床試験のご紹介

2021年01月07日 | 脊髄小脳変性症
2021年1月4日から,岐阜大学医学部附属病院では,指定難病の「脊髄小脳変性症」のうち,特発性小脳失調症(これまでは皮質性小脳萎縮症と呼ばれていた疾患です)の方を対象に臨床試験を開始しました.これは特発性小脳失調症のうち,血清中に抗体(抗小脳抗体)を有する患者さんの体のふらつきやしゃべりにくさなどの症状に対して試験薬を点滴し,その効果を観察するものです.この試験は,臨床研究法で定められる特定臨床研究に該当し,すでに認定臨床研究審査で審査され,Japan Registry of Clinical Trials(jRCT)に公表されています(臨床研究計画実施番号 jRCTs031200250).
この試験は,岐阜大学医学部附属病院と信州大学医学部附属病院で開始しましたが,現在,さらに2施設で開始の準備中です.

今回の試験では,特発性小脳失調症の診断基準Yoshida K et al. J Neurol Sci 2018)を満たす患者さんにおいて,まず抗体(抗小脳抗体)の有無を調べます.試験は血液中に抗体をもっている患者さんが対象になります.使用する薬剤の一般名は,メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムという薬剤です.本薬剤を1日に1g点滴して,3日間続けるという治療法を一般的に“ステロイドパルス療法”と呼びます.本試験では,2回のステロイドパルス療法を行います.



本試験に関心がある,または,本試験への参加をご希望される場合は,かかりつけ医にご相談され,岐阜大学医学部附属病院脳神経内科(吉倉延亮臨床講師)または信州大学医学部附属病院脳神経内科・リウマチ膠原病内科(中村勝哉講師)に紹介状をもって予約の上,受診してください.詳細およびお問い合わせはこちらのホームページをご覧ください.

また岐阜大学医学部附属病院ならびに国立病院機構東名古屋病院では「進行性核上性麻痺を対象とした医師主導臨床試験」も進行中です.こちらもぜひご相談いただければと思います.

新聞報道をしていただきました.



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