Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

市場が見え難い車Bクラス

2012-08-14 | 雑感
メルセデスのBクラスに初めて乗った。第一印象は乗り込みも楽でAクラスよりも好ましい。操舵感もよりきびきびしていて、なによりも遮音が効いていて静かである。

しかし走行のふわふわ感は共通していて、少しアルファロメオのようなはじける不安定感もある。日本などではドイツ車は癖があると言うようだが、まさしくこうした独特のカッロッセーリーならば通常のセダンタイプとは全く異なる操作バランスになっているのは仕方ない。それだけ個性的なつくりということだろう。

嘗ては重厚長大な大型の現行で呼ばれているSクラスの重々しさ感からの癖が言われていたが、現在も高速長距離を走るためのセダンは最新のドイツ車でも同じような造りになっていてあまり変らないが、それでもどうしても軽薄短小への傾向は免れない。

定時のラジオニュースが伝えるように連邦共和国は、中国に一度は抜かれた世界最大の輸出国の座を取り戻したようである。矢張り良いものを高く売る限りは、あまり経済の好不景気に影響されずに、必要なものは売れると言う事でしかないだろう。

世界最大の高級車市場である中国では一千万円以上する高級車の購買層が、欧州のそれより十歳ほど若く、35歳平均ぐらいらしい。そうした成金者はドイツ車など欧州テイストの高級志向で、あまり景気には左右されないらしい。

その座談会番組では、自動車産業の将来について語られていたが、中華製のアップル社の電気自動車が市場を席捲しても、BMWのEシリーズは売れるに違いないと言うのである。

さて、Bクラスでアウトバーンでアクセルを踏み込んでみた。先ずはハンドリングが軽すぎて、鼻先が短いのでカロッセーリー自体の直進安定性が悪い。トヨタのレクサスにも似ている。更にマヌュアルなので片手でギアーチェンジをしながら飛ばすと手元が安定しなくて怖くて仕方が無い。精々巡航速度時速160KMまでぐらいの車である。やはりBMWのカロッセーリーの技術とは大分劣る。

それでも市場をある程度占める可能性があるのだろうが、上級のクラスと比較すると市場競争力はあまり無いに違いない。ご近所の人もEクラスからBクラスに乗り換えているが、長距離を走ったりすると大分乗り難いに違いない。乗り易いと言うのはエンジンの重さとカロッセーリーとのバランスに違いないが、やはりエンジン周りに綺麗に重心が集まって、前輪の同軸に乗るような形で無いと安定しないのだろう。

フランス車などと比べても高速安定性の無いメルセデスがあるのも驚きではあるが、その使い方などにもよるのかもしれない。しかし近所への子供の送り迎えや課スーパーへの買い物などを考えると明らかにほかの車種もあるだろうから、その目標とする市場が見え難い車である。



参照:
空気バネの車が欲しくなるとき 2011-01-24 | テクニック
安定と静粛の乗り比べ 2008-05-09 | 雑感

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