Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

何処に見出すのであろうか

2024-08-29 | 文化一般
旅先で保険会社からメールが入っていた。スパムかと思ったが気持ち悪いので開けると、1月のベルリンでの事故に関するもので、当方に100%責任があるので支払わなけばいけないというものだ。当方の警察からの文章の受取りも貰っていない。調べたというから知っている筈だが、先ずは帰宅後それをメールでもう一度示して異議としておく。全てを承知ということならばこちらも自動車クラブ経由で弁護士を立てないといけない。その弁護士保険に入っている。先ずはそれからだろうか。

一方、ルツェルン迄の旅行は予定通りに捗った。敷いて言えば腹が減って早くから握り飯を食べていてフランスへの下り口を見逃していた。それでもカールツルーへ経由で燃費を7.7にまで抑えられたので良かった。国境では道路税を未払いの車に人手が必要で、少し手前で購入した我々の列には誰も来なかった。要するにフリーパスであった。その分、通行券を購入したりトイレに行ったりで手前で10分ほど時間を取った。

道中にブルックナーの初日のラディオ録音を通したが、やはりまだ落ち着いていないところが多かった。生で聴いてから語れることがあることは間違いがない。余談ながら、車の調子は良いながら、路面の音やその他で結構邪魔になった。ノイズキャンセルの効き方がおかしかったのか。

その後にdchの我が祖国を流したのだが、こちらの方は全然そうした外の騒音が気にならずダイナミックスレンジゆえの相違ではないかと気がついた。

朝一番で部屋の鍵のコードも部屋番号も知らせてきたので、地下駐車場に外で15分ほど待って、周りの写真を撮ったり、搬入する荷物を整理していたりしたら時間になった。地下駐車場は昨年よりもホテルの領域が狭まって、他のアパートメント用が増えている感じがした。しかし一番に入ったので、一台しか先約の客の車はなかった。

案の定、22時前に戻ってきたらもう場所がなかった。やはりアパートが増えて、ホテル用の場所が減ったようで、外に停める。荷物を下から運ばないでいいので、その点は都合がいい。コープでお土産のワイン二本と冷えたビールにチーズや朝食用のビュンドナーフライシュや果物類を購入したからだ。

一日目の客の入りは今一つだった。ブルックナー交響曲五番ではスポンサーがつかないということで、なんと最近には珍しく18時過ぎでもP2が空いていて、ホールの真下に駐車できた。何年ぶりのことか。なぜならばベルリナーフィルハーモニカー演奏会の晩はスポンサーに抑えられるからだ。そうした客層が少なくて、地元の若しくは質の高い客層が寄っていたことは分かった。それは珍しく、ステーア女史のレクチャーが満員御礼だったことでも分かる。所謂観光客が少なくこの難しい交響曲をを聴いてやろうという人が集った。一昨年のマーラー七番などとは比較にならない関心の高さだった。

これはとてもカルヴァン派の多いそしてオーソドックスユダヤ人コミュニティーの大きいチューリッヒの近郊ということからしても、取り分け興味深い。それはレクチャー骨子が如何に主題的な限定から変容が起きているかなどを認識させるに十分で、カトリック的な視座を客観視するものでもあった。それ故に昨今のブルックナーの解説においては欠かせない神秘主義への言及はなかった。彼女はベルリンのフィルハーモニーでもレクチャーをしているように、南ドイツの人ではない。

やはりそこから導かれるのは、FAZ評の根幹になっていたように、ブルックナーがアカデミックな教育を受けることなく、ヴィーンの大学での教職の座を確保するためにもこの交響曲において如何に持てる技巧を駆使したかとなる。ペダンティックなるがゆえのこの交響曲の難解さであり、生前には二台のピアノでしか演奏されなかった原因でもある。そしてブルックナーの交響曲の事始めはリンツでの「タンホイザー」上演に接してのことであったと話された。(続く



参照:
事件の真相は現場にも無し 2024-02-24 | 雑感
夜の歌のレムブラント 2022-10-22 | 音 

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