車中で面白い放送を聞いた。いつものSWR2の午後の小さなプログラムである。20XX年の話である。数年前に操業停止となったフィリップスブルクの水蒸気塔の中で大オーケストラコンサートが開かれたと言うのである。
操業停止から長い廃炉への道程が始まるのだが、その中でフィリップスブルク原子力発電所の水蒸気塔が「ラインシンフォニー」としてビブリスの加圧式のドームが「ラインゴールド」の大コンサート会場として使用されると言うのである。
意外なことにその音響は放射線でボロボロになったコンクリートの表面が素晴らしい反響を醸し出し、中世以前の教会の壁のような状態にあるので、世界でも有数の音響を保持する音楽堂となるのである。
更に大指揮者は、こうした特別な環境での音楽を語る。勿論、皆が心配しているように除染は済んでいるが、それでも通常の生活ではありえない放射線量は否めない。しかしそれが特別な意味を持つというのである。指揮者は、彼の第二次世界大戦下のベルリンでのフルトヴァングラー指揮の管弦楽団演奏会を例に出す。そうなのである、その緊縛した特別なある意味祝祭的な会でこそ聴衆も演奏者も一体となった響きあう空間なのである。
まさしくそこに芸術が、文化があるというのである。こんな夢物語ももはや描きようの無い福島、そこにはもはや文化もなにも無い。
参照:
20XX: Das AKW Philippsburg wird zum Konzerthaus "Rheinsinfonie" (ARD-Mediathek)
ベルリン、原子力の創世と終焉 2011-07-07 | 歴史・時事
漸く歩みだした廃炉への道 2011-09-03 | アウトドーア・環境
核政策へのレクイエム 2012-04-06 | アウトドーア・環境
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意外なことにその音響は放射線でボロボロになったコンクリートの表面が素晴らしい反響を醸し出し、中世以前の教会の壁のような状態にあるので、世界でも有数の音響を保持する音楽堂となるのである。
更に大指揮者は、こうした特別な環境での音楽を語る。勿論、皆が心配しているように除染は済んでいるが、それでも通常の生活ではありえない放射線量は否めない。しかしそれが特別な意味を持つというのである。指揮者は、彼の第二次世界大戦下のベルリンでのフルトヴァングラー指揮の管弦楽団演奏会を例に出す。そうなのである、その緊縛した特別なある意味祝祭的な会でこそ聴衆も演奏者も一体となった響きあう空間なのである。
まさしくそこに芸術が、文化があるというのである。こんな夢物語ももはや描きようの無い福島、そこにはもはや文化もなにも無い。
参照:
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