Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

計画通りにならない核分裂

2011-04-11 | 雑感
本日SWR2ラジオで聞いたニュースは数時間前に福島の避難地域が拡大されたと言うものだった。計画避難と呼ばれていて、首都圏の非常事態宣言の予行演習である計画停電や計画運休停止と同じ発想の命名である。一月以内の避難命令と言うが「覚悟をしておけ」と翻訳すべきだろう。

数時間前には強い余震で45分ほど冷却が出来なかったことが、第一報としてSWR2ラジオで伝えられた。

同心円状の避難地区は突発の爆破の場合の避難時間が考察されているものだろうが、SPEEDIのシュミレーションからまた現在までの累積の放射線被曝量から計算されてその風向きの可能性が強いとも判断されたのだろう。そして今の世代では二度と戻れない無人地域となるのだろう。都心にホットスポットが出来れば同じことである。そもそも皇居は今でも無人に近いが。

水蒸気爆発による大気中への強い放射能の拡散は避けられ無くなったと考えるのが常識的かも知れない。その場合にも前回の一連の水素爆発と比べてそれほど大きく噴き上げるような自体にはならないだろうが、水蒸気量の多さが圧倒的に異なると想像される。それに比べれば今までの排出量は平常の水蒸気塔のその量と比較出来るほどだろう。十分に噴き上げるだけの水量は準備されている。

熱量は十分にあっても一気に中高層へとは吹き上がらないだろうから、雨雲を形成するような自体になるのではないか?大雨警報レーダー写真では厚い雲が原発の上に掛かっていたのは当然であろう。そして吹き上がる水蒸気には揮発性のみならず可也重めのプルトニウムなども混ざるだろう。

さて風下へとは、風に乗って遣ってくるので通常ならば精々時速五十キロぐらいだろうか、つまり一時間で五十キロ、二時間で百キロ達する。一部は二千メートルほど上空から四時間で二百キロ彼方に達して雨となって一斉に落ちるか、徐々に落ちて行くことになるのだろう。徐々に落ちれば濃度弱まっても汚染範囲は広がる。

実際の場合を想定すると人口密集地での短時間での避難は不可能で、仙台や北関東平野部での有事の体制は既にシュミレーションされているだろうが、残念ながら避難や室内待機の手筈などは公表されていない。首都圏においても最も可能性が強いのは雨による被曝と内部被曝であろうから、公共交通機関を停めて、外出禁止となる。しかし、そうした方針を予め明らかにすること無くパニックを避ける事が出来るのだろうか?

政府は安全な場所で指示を出す事が出来るかも知れないが、報道などは外部の安全な大阪発信となると、十分な情報の伝達などは可能なのだろうか。半減期などを考えれば一週間以上は外出禁止となる。その場合の食料や水の配送などは準備出来ているのだろうか?そうしたことを危機管理と呼ぶのである。

日本はもう直ぐゴールデンウィークに突入するのだろう。理想的には都心に人が少なくなるそうした時期に思い切った方策を取れれば被害も混乱も少なくなるのだろう。しかし、たとえそれまで炉の方がもって呉れても、その方策すらないのである。



参照:
備えあれば憂いなしとは 2011-04-05 | 歴史・時事
共同体に警報が鳴り響くとき 2011-03-27 | アウトドーア・環境
首都圏に退避勧告が出た時 2011-03-24 | マスメディア批評
輪番停電という外出禁止令演習 2011-03-13 | マスメディア批評
東京への旅行を控えるように 2011-03-12 | マスメディア批評
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする