Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

グラン棒棒鶏で十二分に涼む

2010-07-05 | 料理
お湿りが来たので少しは涼しくなった。雨は全然足りていない。明け方降って、パンを取りにって歩いている時に再びザーッと降っただけである。走って戻れるように運動靴で歩いたが、十分もすると騒がしく降ってきた。家の窓を開けているので急いで帰らないといけない。それでも無理をせずに最高到達点まで、二千七百歩、二十五分ほどじっくりと我慢して歩いた。下りに走り通そうと思ったからである。お蔭で十二分ほどを千歩ほどで掛け降りた。林道ではあるが、でこぼこやら木の根やら、砂地があって転ばないように走るので歩幅は延ばせない。しかしそのお蔭で丁度良い運動が出来た。これで、飲み食いも無理なく出来て、週始めは身体を休められる。気温は五度から十度近く最高気温も最低気温も下がる予定なので、気持ちの良い週を迎えられるだろう。下りとは言いながら距離が伸びたので脚が疲れている。一度は躓きそうになって危なかったが、体もビショビショになることは無く車まで戻ってきた。

昨晩開けた2008年産のグランクリュの続きを楽しもうかと思うのだが、急に蒸し暑くなってきた。ライン河沿いでは降っているようだが、その分ここは入道雲を照らす陽射しも強くなって、とても蒸し暑く、まるで日本の梅雨のような感じになってきた。今朝は、ハイドンから、ノーノ、シューベルトまで聴環境を漕ぎ着けたのだが、やはりマンハイム楽派へと戻る。それでも今度は冷たい響きの現代楽器の音盤から古楽器の鄙びた音へと変えたが、やはりもさもさしていて暑苦しいと言うか眠気を誘うばかりだ。

音も印象でこれだけの温度差があるのだから、口に入れるワインは尚更に温度差が激しい。昨日はこのレープホルツ醸造所のゾンネンシャインは十分に冷えていなかったが、新しいグランクリュとしても決して飲み難い事はなかったのである。その最大の功績は、2008年産の色の強い臭みのある酸が、この醸造所では雑食砂岩のカビネット同様、大変癖が無く素晴らしく出来上がっていたことである。更に昨年の秋に試飲会の節に飲んで、早めに飲み頃になるのを確認しておいた。要するにこなれているのである。またその地所の名称がまた夏らしくて良い。

予想を裏切らず素晴らしい飲みごごちである。流れ着いた石灰の推堰が雑食砂岩特有の素っ気無さに丸みを添えているが、それが丁度良い飲み頃となっているのである。パッパーミントやらその恐らく石灰から来る土壌感がホッホハイムのデムデカナイを思い起こさせる。初日に暑い中をグラスに暫らく置いておくと腐ったようなとても酷い味を醸し出していたが、流石に冷蔵庫に入れておいたそれは翌日も無事で十分に楽しめた。但し、酸の肌理の荒さは2008年の特徴で如何せんどうしようもなく、開いて来ている分だけ、下位の新鮮なカビネットクラスでは感じなかったこのヴィンテージ特有のエグミが出てくるのである。しかし、これはビュルックリン・ヴォルフ醸造所のペッヒシュタインを飲んでも同じ事で、2008年のヴィンテージとして受け入れなければいけない。それでもグランクリュのゾンネンシャインを今後瓶熟成しようと思えばとても難しい判断が要求される。そしてその土壌から大きな将来は期待出来ないとすると、名門醸造所並みの価格を要求するこのグランクリュのCPは決して高くない。それを知っているから、幾ら今美味くとも2009年産のこれは予約していない。このリースリングを暑さの中で十分に楽しめたので十分である。悪くはないが、二十ユーロのドムデカナイのグランクリュと比較してどれだけ価値があるかと言えば、ただただ評価本で評価されているだけのことであろう。味は良かったがドイツのグランクリュリースリングとしてはB級であろう。

ぬるいオリーヴオイル風呂に入って、おろおろと体中から力が抜けて、一寝入りすると殆ど金縛りのように疲れが一気に出た。胡麻味の棒棒鶏も山盛り食した。これで言うこともない。言う力もない。



参照:
言わずもがな、波打つ眼窟 2010-06-28 | 試飲百景
進化という自然環境の神秘 2010-07-03 | アウトドーア・環境
親しみ易いロートリーゲンデス
筆舌に尽くし難い夜 (新・緑家のリースリング日記)
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