田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

降臨ベルゼブブ/奥様はバンパイァ 麻屋与志夫

2009-12-14 07:41:58 | Weblog
奥様はバンパイァ 96

○洞窟を模した部屋の壁。

その箇所だけにプラスチックパネルのような絵が掛っている。

和紙に画いた絵巻にプラスチックのおおいをかけたのか? 

どうやら、鏝絵、フレスコ画らしい。

○内装をするときに同時に画きあげたのだろう。

画題は古い。絵は新しい。

○部屋そのものが戦慄していた。

大量殺戮だ。ホロコーストだ。

戦場のときの声がする。

死臭まで漂ってきた。

るいるいと色白の死体があちこちに倒れている。

重なる死体の、その中央に。

白人金髪の美女が無念の形相で宙空を見上げている。

体には矢がつきたっている。

○「玉藻の前、わたしたちのご先祖様。白面金毛とはこういうことだったのよ。九

尾の狐とはアレゴリーなのよ」とMが思いつめたように解説する。

○玉藻の体からは。

血しぶきとも、オーラともとれる線条のものが九本とびちっていた。


○天使の羽根のようにもみえる。

断末魔の苦しみ。

玉藻は天の薔薇園にもどろうとしている。

Mにはそう解説をつづけた。

○そして、玉藻の襟足に一匹の蠅がとまっていた。

死体の腐臭につられて蝿かよってきたのか?

いやちがうだろう。

○Mは神代寺の父に教えてもらっていた。

神の庭園の薔薇の棘に蝿が止まっていた。

それをつまもうとして、排除しようとして誤って棘をさした。

傷口に蝿に卵でもうえつけられて蛆がわいたらたいへんだ。

あわてて傷を吸い唾を吐いて自己治療をした。

○それを血を吸っていた。

と神にチクッタものがいた。

それがベルゼブブだ。

○拍手がわいた。

○「ああ、よくできました。さすがです。吸美族の中にあっても記憶力の天才。古

代史通といわれるmimaです」

○ベルゼブブが部屋の中央に出現した。



●私事ですが、「星の砂」に「初恋の白いバラ」を載せました。そちらもぜひお読みください。
 


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