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田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

校長がおかしい/吸血鬼ハンター美少女彩音

2008-07-30 14:54:53 | Weblog
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 彩音は無情壁にとりついた。
 なんなく征服する。
 実況アナが「飛び入りです。とびいりの、ノミネイトされていなかった少女が驚異の技を披露しています。さすが日光猿軍団の土地。伝説の猿軍……失礼しました伝説の日光忍軍はほんとうに実在していた、クノイチはいまも綿々と日夜技を磨いているのかもしれません」
 アナは興奮している。
 彩音はクノイチにされてしまった。

     13

 校長先生の両眼が赤光を放った。
「学都先生のかわりに新任の先生がくるのですか」
 という質問を彩音はのみこんだ。
 廊下ですれちがった。
 女生徒にはめっぽうやさしい。
 鹿沼中学の名物。
 宮部校長だ。
 直接質問してもしかられないだろう。
 声をだしかけた。
 目の光りが普通ではない。
 目が赤い。
 ぐぐっとちかよってくる。
 彩音はおどろいて見つめる。
 吐く息。
 肉食獣のなまぐさい臭い。
 険悪なムード。
 彩音は警戒モードにきりかえる。
 でも、聞いてみたい。
 でも、逃げなければ。
 気持ちが分かれた。
「彩音ちゃん。上野学都なんて先生はこの学校にいませんよ。はじめからそんな名前の先生はいません」
 わたしの名前しっている。
 超ヤバーイ。
 どうして?
 校長が彩音をみつめた。
 恐怖で体がすくんだ。
 ぞうっとした。
 まただ。校長までおかしい。
 いや、いちばんおかしいのは校長なのかもしれない。
 こちらの心をよむヒトが、またあらわれた。
 昨夜の事件でつかれている。消耗がはげしい。
 美穂は病室で眠りつづけている。
 美穂の意識はまだもどらない。
 どうなるの? 
 彩音はむしろ精神的な消耗がはげしくて立ち直れないでいる。
 じぶんに起きたこと。
 じぶんだけが経験したこと。
 じぶんだけの恐怖。
 人狼回廊をぬけてから経験したこと。
 まだ信じられないでいる。
 その恐怖が彩音をさいなむ。
 もう、いや。
 つかれたー。
 わたし、まだ闘えない。
 やだからね。
 すこし休みたいのに。
 また。
 へんなことにまきこまれるの。
 いや。

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