田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

タッパがちがう/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-01-27 11:06:10 | Weblog
4

「おれは……」

もごもごと宝木が唇をうごかす。

「おれは、キョミがすきなんだ。

だからいつも、レデイスの「黒髪」にけんかふっかけていた。

けんかがおれにはキヨミとのデートだった」

「いきなり、告くらないでよ。

わたしとあんだではだめ。

つりあわない」

「どうしてだ」

「迷彩服きた竹串のわたしと。

皮ジャンのダンゴじゃ。

さまにならないよ」

たしかに、タッパがちがいすぎる。

身長差。

20cmはある。

「サターンのヘッドをオチョクルきか!!!」

宝木の配下の黒のトレンチコートのオニイサンこたちがキレル。

いっせいに、おそいかかってきた。

「吸血鬼になれば、ひとの血と精気だけ吸っていきられる。

脂肪分をとらないから。

ヤセテ、背丈だっておとこは25の朝飯前までのびるっていうからな」

まだぼそぼそつづけている。

「バカか、宝木。そういうこと人前でいうことか」

キヨミが同情した。

シュンとした声になる。

「だから、すすんで噛まれた」

「逃げよう。こんなサビシイこというおとこと戦えないよ」


ようやくキヨミも逃げることに同意した。

そうときまれば長いストライドで。

脱兎ならぬ。

キリンのごとく。

夜の底を。

はしりだした。








one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
         ↓
    にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説

ああ、快感。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿