part15 消えた転校生 栃木芙蓉高校文芸部(小説)
71
「新学期から文芸部廃部なの。
悲しいよね。
番長は……あれどうなった」
「知美は大中寺の七不思議。
書き終えたのかよ」
「それがまだなの。
新学期までには書き上げる。
部員が大勢増えたような気がするの。
みんなで七不思議の話、
競作してた気がする。
夢だったのね」
「おれも次期番長を後輩に譲った気がする。
剣の達人で、
番長にはもったいないようなやつが確かにいたような、
……幻覚……だったのかな。
夢だったのかな」
知美と植木は巴波川に浮かんだ遊覧ボートを眺めていた。
川べりのベンチには、遊歩道には、大勢の観光客がいた。
栃木は春。
彼らが、
かかわってきた事件などしらぬ鶯が、
古い黒塀で囲われた庭の梅の木で鳴いている。
栃木芙蓉高校文芸部 第一部 完
one bite please 一噛みして。おねがい。
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「新学期から文芸部廃部なの。
悲しいよね。
番長は……あれどうなった」
「知美は大中寺の七不思議。
書き終えたのかよ」
「それがまだなの。
新学期までには書き上げる。
部員が大勢増えたような気がするの。
みんなで七不思議の話、
競作してた気がする。
夢だったのね」
「おれも次期番長を後輩に譲った気がする。
剣の達人で、
番長にはもったいないようなやつが確かにいたような、
……幻覚……だったのかな。
夢だったのかな」
知美と植木は巴波川に浮かんだ遊覧ボートを眺めていた。
川べりのベンチには、遊歩道には、大勢の観光客がいた。
栃木は春。
彼らが、
かかわってきた事件などしらぬ鶯が、
古い黒塀で囲われた庭の梅の木で鳴いている。
栃木芙蓉高校文芸部 第一部 完
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