田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

大麻の臭い2/奥さまはバンパイァ 麻屋与志夫

2009-08-30 01:19:26 | Weblog
奥様はバンパイア 41

○臭いはドアの下部から洩れていた。

隙間からは明かりがさしている。

わたしたちが歩いてきた通路よりも明るいことは確かだ。

通路の奥のほうは真っ暗でなにも見えない。

あまり先へは進みたくない気分だ。

人狼でもとびだしてきそうなぶきみな雰囲気だ。

それでなくても、さきほどから異次元からふきよせる狼のハウリングには悩まされ

ている。

恐怖すらおぼえる。

狼のアギトが肉を食らう咀嚼音すら伝わってくる。

そして食べられているのはカミサンの同族の女たちだ。

わたしたちは狼の兇暴な顎に向かってすすんでいるような錯覚に総毛立つ。


○ここはたしかに九尾族と人狼の古戦場だ。

わたしはドアのノブをゆっくりとまわした。

開ける。



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