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櫻井よしこ氏著『日本の危機 - 解決への助走』  ( 櫻井氏への疑問 )

2019-11-12 13:02:36 | 徒然の記
  櫻井よしこ氏著『日本の危機 - 解決への助走』、興味深い本を手にしています。これも市の図書館でもらった、廃棄図書の一冊です。ハンチントン氏の著作の出された2年後の平成12年に、新潮社から出版されています。
 
 著者の櫻井氏は保守論客と言われ、保守系の人々が高い評価をしています。
 
  「学級崩壊」      「幼児虐待」   「中国の脅威」
 
  「手足を縛られた自衛隊」「地方自治の崩壊」など、
 
 25章に分けて「日本の危機」が述べられ、19年前の日本を語る歴史的資料でないかとそんな気もしています。
 
 氏は公益財団法人 「国家基本問題研究所」という民間シンクタンクを設立し、理事長をしています。この他にも、
 
  「21世紀の日本と憲法有識者懇談会」代表や、
 
  「美しい日本の憲法をつくる国民の会」共同代表、
 
  「言論テレビ」の会長     も務め多彩な活動をしています。
 
 著書の内容に入る前に、いつものように経歴を紹介します。
 
    ・昭和20年、ベトナム民主共和国・ハノイの野戦病院で、日本人の両親の間に生まれた。
 
    ・敗戦後、大分県中津市に住んだ後、母親(小千谷市出身)の郷里に近い、新潟県長岡市に転居した。
 
    ・新潟県立長岡高等学校を卒業後、慶應義塾大学文学部に進学するが中退し、ハワイ大学マノア校歴史学部を卒業。
 
    ・英字新聞『クリスチャン・サイエンス・モニター』東京支局などを経て、
 
    ・昭和55年5月から平成8年3月まで、日本テレビ『NNNきょうの出来事』のメインキャスターを務めた。
 
 キャスター時代の氏が、時事問題の解説をしていた姿を覚えています。端正な容貌で笑顔が魅力的なため、ファンは多かったと思いますが、今のように保守言論人として活躍するとは考えていませんでした。
 
 昭和20年当時に、ベトナムのハノイにいた氏の両親は何をしていた人物なのか。野戦病院で生まれたというのなら、父は軍人母は女性医師か看護婦か、あるいは共に医者だったのでしょうか。
 
 敗戦後後一家は、大分県の中津市へ移り住み、さらに母の郷里に近い新潟県長岡市へ転居しています。昭和19年生まれの私とほとんど同世代なので、自分と比較し色々と考えられる便利さがあります。
 
 あの時代に高校卒業後慶應大学へ行くというのは、普通の女子生徒の進路ではありません。成績の良い女子なら銀行か商社かデパートに勤め、大学へ行くのは、よほどの才女で、裕福な家庭に限られていました。
 
 しかも大学を中退し、ハワイの大学へ行くというのですから、為替管理の厳しかった戦後の貧しい日本を考えますと想像できない進路です。両親か親類縁者が、かなりの有力者でなければ、こういう道は選べません。
 
 裕福な両親が、ハワイの大学へやる資力があったとしても、必要な外貨が庶民には割り当てられなかった時代です。カイロ大学を卒業したという小池百合子氏も、保守なのか、野党なのか、政治家としてはっきりしませんが、そのような曖昧さを私は氏に感じています。
 
     ・平成27年日本青年会議所に、「グローバルリーダー育成塾」を創設し塾頭となる。
     ・「永住外国人地方参政権に反対する国民フォーラム」の発起人、「夫婦別姓に反対し家族の絆を守る国民委員会」の、呼びかけ人でもある。
 
     ・平成19年「歴史事実委員会」の委員の一人として、『ワシントン・ポスト』に米下院決議の全面撤回を求め、慰安婦動員に旧日本軍の組織的・計画的強制連行はなかったと主張する「意見広告」を出した。
 
     ・平成19年「南京事件」は、歴史的事実に基づかない政治的創作として描く映画、『南京の真実』の賛同者に名を連ねた。
 
 上記の通りネットの情報では、保守の活動家としての実績が沢山書かれています。これらにつきましては、私は全面的に支持しますが、氏の著作を読み切っていない段階で、感想を述べるのは勇気が入ります。
 
 19年前でも現在でも、日本の危機は同じです。
 
 「憲法改正」と「皇室護持」の二つを、危機として語らない人物は、保守人と言えないと考えています。本が出版されたのは平成12 年ですから、小渕内閣から森内閣へと移った時です。「女系天皇」や「女性宮家」について検討され出したのは、次の小泉内閣からなので、まだ皇室の危機は、騒がれていなかったのかもしれません。
 
 そうだったとしても「憲法改正」は、ずっと続く日本の根本問題です。自衛隊については触れられていますが、肝心の「憲法改正」に明確な主張がありません。氏の言葉が、私の胸に届かない理由がここにあります。日本を大切にしているのか、崩壊させようとしているのか、時として安倍総理に疑問を抱きますが、同じ思いを氏にも抱きます。
 
  次回から、具体的な内容を紹介します。
コメント (4)
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