ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

投票日は、明日 ( 枝野氏と、過激派左翼の献金 )

2019-07-20 15:37:58 | 徒然の記
 投票日が明日なので、だんだん時間がなくなっています。左翼過激派出身の枝野氏と、氏が率いる立憲民主党について紹介しなくてなりません。まずは、千葉日報の記事です。
 
 「枝野氏は、青森県弘前市での街頭演説で、都市への人口集中により地方経済が衰退したと指摘。地方を支える農林水産業で、食べていけるようにすると強調した。」
 
 たったこれだけの記事です。あとは、国民民主党、共産党、日本維新の会、社民党と、野党の主張が掲載されていました。朝日新聞や、毎日、東京新聞なら、自民党を超える記事量で書き、反安倍を煽るのでしょうが、千葉日報は現実に即した対応をしています。
 
 枝野氏の主張は、農林水産業に資金を投入すると言うものです。その資金はどこから出てくるでしょうか。見直しをすれば、数兆円の無駄な財源が出てくると、旧民主党時代の失敗を繰り返すのでしようか。
 
 失敗に懲りず、旧民主党の政策に戻ると言うのなら、何のために解党したのでしょう。「コンクリートから人へ」「官僚主導でなく政治家が決断する政治へ」・・どれも出来ないの公約ばかりで、「辺野古の基地は最低でも国外」と、日米関係まで混乱させたのはどこの党だったのでしょう。
 
 自分たちの失政を棚に上げ、安倍政権を攻撃する厚かましさは、中国・韓国政府と似ています。安倍総理に矛盾を感じても、これでは枝野氏一票を入れる気になりません。
 
 枝野氏は、革マル派から800万円の献金を受けていたことを、国会で指摘されました。革マル派というのは、「 日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派 」という長い名前の、過激派暴力学生集団です。
 
 警察白書をから「革マル派の主な事件年表」を見つけましたので紹介します。
 
昭和45年8月
  東京教育大学生リンチ殺人事件で、 学生1人が中核派に殺される。内ゲバ殺害事件の嚆矢となる。

昭和46年6月
  琉球大生の革マル派活動家町田宗秀が、沖縄人民党(民青)に殺される。
 
 昭和46年11月
  早稲田大学の学生だった川口大三郎を、集団でリンチし殺害。

昭和50年3月
  中核派の最高幹部・本多延嘉を殺害(中核派書記長内ゲバ殺人事件)。
 
昭和52年2月
  革命的労働者協会の最高幹部・中原一を、殺害(革労協書記長内ゲバ殺人事件)。

昭和61年1月
  京都大学教養部構内で、中核派の全学連副委員長代行を殺害。

 革マル派は殺人事件だけでなく、ゲリラ活動もしています。昭和61年の警察白書から、紹介します。
 
 「極左暴力集団は、成田 、 国鉄分割・民営化 、 北富士 、関西国際空港等を課題とする反対闘争の過程で、昭和54年以降最高の87件に及ぶ ゲリラ事件を、引き起こした。」
 
 「ゲリラ事件の内容をみると、時限式爆発物発射装置を用いて、新東京国際空港に、爆発物を発射した事件(4月、9月、11月)、」「同空港公団等の関係者宅に、時限式発火装置を設置し、放火した事件(7月、9月、11月)、」
 
「首都圏、近畿、中国で、国鉄線の通信ケーブル等を、切断、焼燬するとともに、駅舎に火炎びんを投げ、放火した事件(11月)等一段と凶悪化している。」
 
 こういう極左暴力集団から、800万円の献金を受けているのが枝野氏です。日本を敵視する外国に呼応し協力しそうなのが、彼らです。こんな団体から、政治献金を受けている枝野氏には投票できません。農家の個別所得補償の演説をする暇があったら、過激派の説得が先でしょう。そのほうが、国民のためになります。
 
 産経新聞の調査によると、21日投開票の参院選に「関心がある」との回答は66.6%だそうです。「必ず行く」と答えた人は55.5%で、「できれば行く」「期日前投票を済ませた」を合わせると85.8%という高い数字になります。
 
 奇妙な選挙になりそうですが、しっかり検討し、「よりマシな政党」を選択しましょう。棄権したら、反日野党が喜びます。私には、よりましな保守自民党の選択しかありません。
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投票日まで、あと二日 - 2 ( 安倍総理の矛盾 )

2019-07-20 00:14:47 | 徒然の記
 今回は、二人の演説を紹介します。6面の右半分を占める、大きな記事です。街頭演説をする総理と枝野氏の写真の上に、大見出しの活字が躍っています。
 
 「農業と観光で活性化 - 首相」、「戸別所得保障を復活 - 野党」、「地方経済で論戦」
 
 私はこの見出しだけで、千葉日報が好きになります。農家への戸別所得保障を主張しているのは、立憲民主党の枝野氏ですが、党名を書かず野党と一括りで表現しています。意識してそうしているのか、無意識なのか、千葉日報は立派な新聞です。
 
 国防や外交では票が得られないと決めて、国民を侮っているから、自民党も野党も、目先利益を選挙の争点にします。しかし目先の利益を争点にする限り、国を愛する党がどちらなのか、有権者には分かりません。
 
 反日マスコミに負け、いつまでも野党ペースの選挙戦をする自民党も、勇気のない政治家の集まりです。「国防と外交」「憲法改正と皇室の安定」を掲げ、選挙戦を戦うと野党に負けるのか。令和となり、国民の意識が反日左翼から離れようとしている現在、そろそろ自民党は本気で国民に向かい合う時と思います。
 
 「21日投開票の参議院選で、与野党の党首らは、地方経済や農業の活性化を巡って、各地で論戦を、展開した。」「安倍晋三首相は大分県で、農業と観光の相乗効果で、地方を賑やかにしたいと力説。」
 
 「青森県を訪れた、立憲民主党の枝野幸男代表は、旧民主党政権が実施した、農家への戸別所得補償制度を復活させると訴えた。」
 
 先日、産経新聞がFNNとの共同で調査した、政党別支持率を紹介します。
 
  自 民 党  40・1% (前回比4・2ポイント増)
 
     立憲民主党   9・5% (同2・7ポイント増)
 
  公 明 党   6・3% (同比2・4ポイント増)
 
  日本維新の会  5・4% (同0・9ポイント増)
 
  共 産 党   3・0% (同1・2ポイント減)
 
  国民民主党   1・9% (同1・4ポイント増)
 
  社 民 党   0・5% (同0・4ポイント減)
 
 記事だけでなく、データを確認することも大切です。野党第一党ともてはやされていても、立憲民主党は10%未満の支持率です。国民民主党や共産党は、国民の支持は無いに等しい数字です。
 
 マスコミが、自民党に対峙する政党のように、大きく取り上げるため有権者が惑わされます。こうした弱小政党が何を騒ごうと、大きく報道しなければ良いのに、マスコミが発信します。
 
 今回は横道へ行かず、政党支持率を頭に入れ、千葉日報の記事を読みます。
 
 「首相は大分県別府市で街頭演説し、訪日外国人旅行者数が、昨年初めて、3千万人を超えたと、紹介。」「もっと、地域にやってくるお客さんを増やしたいと語った。」「農産物の輸出や、ブランド化を推進する考えも示した。」
 
 「その後福岡市で、公明党候補への、応援演説を実施。自公連立政権下で、雇用状況が改善されたとして、自らの手で未来をつかみ取ることが出来る社会を、両党で作り上げた。」「この流れを変えてはならないと、呼びかけた。」
 
 たいそうな偉業のように喋っていますが、外国人旅行者の内訳を知れば、安倍氏の矛盾した政策が即座に判明します。演説を聞いている有権者はこんなデータを知りませんから、騙されます。
 
 別途調べた平成30年度のデータから、上位6番目までの国を紹介します。
 
  順 位   国     名    人    数      前年比伸び率      国別比率
 
   1         中 国         838  万人         13.9%      28%
 
        2        韓 国    754                     5.6                     25
 
        3        台 湾          476                     4.2                     10
 
        4        香 港          221                      -1.1                       7
 
            5        米 国          153                     11.0                      5
 
        6        タ イ           113                    14.7                       4
 
 安倍総理は技術立国日本を諦め、他国依存の「観光」に経済再生の目玉とを決めました。その中身はどうでしょう。観光客の半分が、日本を敵視する中国と韓国です。国を挙げて推進する政策が、日本を憎悪し攻撃してやまない、敵対国です。この二国が「憲法改正」に反対し、「皇室崩壊」を望む国です。
 
 安倍氏が国民を街頭演説でごまかしても、これでは日本のための政治家と言えなくなります。参院選前にこのようなブログを書くのは、無念ですが、これが私たちの総理の実像です。反日左翼政党と、区別がつかなくなっています。
 
 安倍氏だけでなく、左翼過激派学生だったの枝野氏についても、紹介しなくてなりません。いつも通りの参院選なのかもしれませんが、私には複雑な気持ちの選挙です。
 
 スペースがなくなり夜も更けましたので、続きは明日といたします。
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投票日まで、あと二日 ( 自分の物差しの必要性 )

2019-07-19 14:42:00 | 徒然の記
 7月12日、ちょうど一週間前の千葉日報です。「参院選 千葉県民の声」と言うコラムに、二人の県民の言葉が顔写真と共に紹介されています。
 
 「日本のことを考え、教育に力を」・・・県立佐倉高三年 増田誉大さん    18才
 
 「未来の子供たちに、夢と希望を」・・・栄の自営業     豊田康雄さん  61才
 
 二人の意見の、一部を紹介します。
 
  〈 増田誉大さん 18才 〉
 
 今の国会を見ていると、与党、野党というだけで、相手を批判しているように思います。建設的な意見で、国民を導いてくれるような人に投票したいです。
 
 〈 豊田康雄さん  61才 〉
 
 政治家になる人は、志を高く、国民の代表として、広く浅く、ある程度のことは知っておけるように、勉強して欲しい。そして、「実るほど、頭を垂れる稲穂かな。」です。
 
 反日野党嫌いでもなく、反自民でもなく、これが大方の県民の意見だろうと思います。増田さんも豊田さんも、二人とも、千葉日報の読者なので安心ですが、朝日新聞を読んでいたら反日左翼にはまるはずです。
 
 近くの小学校で、校門に掲げられた横断幕があります。
「元気な、明るい子」、「頑張る子」、「伸び伸びと学ぶ子」、恐らくこれが、学校が理想とする教育方針なのでしょう。しかしこの言葉を目にするたび、疑問を感じます。このスローガンには、「何のために」という目的が抜けています。
 
 明るい元気な子なら、反日左翼の運動をしても良いのか。頑張るだけで褒められるのなら、テロのため爆弾を作っても問題はないのか。伸び伸びと学んで日本を貶める学者となり、敵対国と協力しても許されるのか。・・・いつもそんなことを考えます。
 
 増田さんと豊田さんの言葉を読んでいると、小学校の横断幕を思い出します。
 
「建設的な意見で、国民を導いてくれるような人」
 
 建設的な意見とは何なのか。これに自分の考えがなければ、海千山千の議員に騙されます。自民党の議員でも、反日左翼の議員でも、選挙の一票を貰うためなら、どんな夢でも語ります。彼らが自信に満ちて風呂敷を広げると、国民を導く政治家に見えたりします。
 
 「政治家になる人は、志を高く、」「ある程度のことは知っておけるように、勉強して欲しい。」
 
 志を高くとは、自分の中に物差しがなければ、マイクを握る左翼議員に負かされます。なぜなら彼らにとって、マルキシズムを信じることは高い志だからです。彼らは神を信仰するように、反日マルキシズムを信じています。信念の強さで比較すると、利権にまみれた自民党議員より、立派な演説をします。これを見破るには、自分の物差しが入ります。
 
 増田さんと豊田さんを、貶めるため引き合いにしているのでなく、一般的な、善良な、市民の意見と思います。テレビの報道を真面目に見て、新聞から判断の材料を探します。
 
 真面目な人には、落とし穴があります。
 
「善良な国民は、日常的に発信されるプロパガンダに抵抗力がない。」、ということです。権威のある学者や、人気者の映画スターや、著名な作家や詩人たちが2ヶ月、3ヶ月同じ候補を推薦したら、信じる傾向があります。
 
 選挙の時だけでなく、日常的に、反日左翼勢力が国民を誘導しているとしたら、気づくのは至難の技です。
 
 ということで同じ日の千葉日報から、二人の政治家の街頭演説を紹介いたします。
 
   1.   大分県で演説した、安倍自民党総裁
   2.  青森県で演説した、枝野立憲民主党代表
 
 残念ながらスペースが足りなくなりましたので、次回とします。
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投票日まで、あと5日 ( 参院選 )

2019-07-17 16:23:48 | 徒然の記
 参議院選挙の投票日まで、あと5日となりました。7月14日の千葉日報の一面に、千葉入りした与野党の幹部の顔写真が掲載されています。共産党の志位委員長が柏市で、旭市では自民党選対委員長の甘利氏が演説をしました。
 
   共産党・志位委員長   「止めよう消費増税」
   自民党・甘利選対委員長 「政権安定へ二議席」
 
 対馬の土地が韓国に買い占められ、北海道の土地が中国に爆買いされ、韓国との経済戦争も始まっています。北朝鮮の拉致は進展せず、核問題は米国頼み、香港と台湾の政治的混乱は対岸の火事でないのに、参議院選挙の与野党の演説がこんなものかと、呆れます。
 
 日本の喫緊の課題が、「国の安全保障」と「皇室の護持」の2つと分かっていながら、政治家はこれに触れません。今回の参院選に限らず日本の選挙は、常に「大切な課題」を争点にせず、ごまかしの選挙を繰り返してきました。
 
 なぜこの愚かな状況が、戦後続いて来たのか、ネットの世界では原因が、議論し尽くされています。
 
  1.  GHQの占領は終わっても、呪縛から逃れられない政治家が与野党にいる。
  2.  日本の国防のための再軍備に反対する勢力が、米国と中国・韓国にいる。
  3.  これらの国と繋がる政治家に、現憲法を固定化することが利権となっている。
 
  4.  自民党内にいる保守政治家が、正論を言わなくなった。
  5.  マスコミが反日左翼勢力となり、日本にとって大切な課題を報道しない。
  6.  大切な課題に触れる議員が出てきたら、マスコミが攻撃し、当選できなくするゴシップを拡散し国民が騙される。
 
  7.  マスコミの発信力を恐れる政治家の、大量発生。
 
 テレビのスイッチを入れると、平和で安全な日本を謳歌するような、面白おかしい番組があふれています。
 
 「家族に乾杯」「ポツンと一軒家」「お宝鑑定」「ユーは何しに日本へ」「こんなところに日本人が」など、国民の多くが楽しんでいます。中国や北朝鮮のように、退屈で、無味乾燥な報道ばかりが良いとは言いませんが、どう考えても、おかしな日本です。
 
 マスコミが反日勢力に牛耳られているというのは、大切な情報が伝えらないだけでなく、国民の意識が眠らされ続けるということになります。
 
 食料の自給率の低さを考えた場合、万一のための農業政策はどうすれば良いのか。原発を全廃し、太陽光発電や風力発電に頼っていたら、日本の電力は本当に充足できるのか。
 
 ホルムズ海峡で紛争が起きた時、日本のエネルギー事情はどうなるのか。あるいは、北朝鮮の核が一発でも打ち込まれたら日本はどうなるのか。
 
 反日・マスコミの影響で、右にも左にも「お花畑の住民」が増え、危機感を失っています。こんな時だからこそ国の指導者は、「万一の場合」を考え、議論をしなくてなりません。マスコミがこのような状況ですから、一般庶民には現実を知る情報がなく、問題点にも気づきません。
 
 国を思う本物の保守政治家がいるのは、反日野党の中でなく、自民党の中にいるのが自然です。肝心の自民党が獅子身中の虫だらけとなり、中国や韓国・北朝鮮の国益、あるいは米国のため活動しているのですから、国を愛する国民が途方にくれてしまいます。
 
 「入れる政党がない。」「信頼できる政治家もいない。」「だから、選挙に行かない。」・・・家内が私を困らせますが、現実はこの通りなのです。
 
   共産党・志位委員長   「止めよう消費増税」
   自民党・甘利選対委員長 「政権安定へ二議席」 
 
 国が危機にある時、こんなことしか言わない政治家を、どんな基準で選べというのでしょう。「弱者の味方。」「人を大切にする政治。」と立派なことを言いますが、共産党が政権をとれば、中国や北朝鮮のような言論弾圧の政治をするのが、目に見えています。バカでない限り、国民は反日野党に票を入れません。
 
 一方で安倍自民党は、韓国の対馬の土地の買占めや、北海道の土地の中国による爆買を放任しています。尖閣諸島への領海侵犯にも抗議せず、敵対国の習近平氏を、国賓待遇で招聘しようと腰を低くしています。
 
 「美しい日本を取り戻す。」「戦後レジュームからの脱却」と、国民に希望を抱かせた総理は、一体どこへ行ったのか。このまま推移するのなら、朝日新聞の慰安婦捏造報道にも似た、大ウソになります。政治家の公約を本気にする方がおかしいと、そんな意見もありますが、この状況下で国民は投票のしようがありません。
 
 「棄権してはダメだ。」「よりマシな政党に入れるしかない。」
 
 家内を説得しますが、「よりマシな政党」が、今の日本のどこにあるというのか。
 
 息子たちに言います。大事なのは、「諦めない」ことです。愚鈍と笑わても、参院選を前に言えるのは、いつもどおりの提案です。
 
  1. 反日・左翼の野党議員を落選させること。
  2. 自民党内の、獅子身中の虫を落選させること。

 いつもの繰り返しですが、信念があるから意見が変わらないと、都合のよい解釈をしています。息子たちがいつか私のブログを読んだ時、その時の悩みが、現在の私のものと同じでないことを祈ります。
 
 「自民党の中にいる、ホンモノの保守議員は、しっかりしてくれ。」・・・言いたくなるではありませんか。
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タイの大地の上で - 3 ( 外務省役人の鑑賞眼 ? )

2019-07-16 13:21:57 | 徒然の記
 『タイの大地の上で』の、3回目です。書評らしきものには、まだしていません。編訳者の吉岡氏でなく、推薦者石井氏へのこだわりが、書評の邪魔をするとは思っていませんでした。
 
 元外務省の役人であり、日本史学者であり、さらにはタイ王国の専門家である氏が、本気で日本とタイとの友好を願っているのなら、無視してならない事実があります。
 
 それはタイが主導して作った、「東南アジア文学賞」の説明です。前回ラオス現代文学のブログを書いた時、この賞が東南アジアで最高の文学賞であり、作家たちの登龍門になっていることを教えられました。日本の芥川賞のようなもので、受賞した作家は域内で著名人となり、作品も売れるようになります。
 
 編訳者の二元氏は、4人のラオス人作家の17編の作品を紹介しました。4人は皆、「東南アジア文学賞」の受賞者で、優れた作家であると強調していました。これは別途の情報ですが、参考のため紹介します。
 
 「1970 ( 昭和45 ) 年代の後半は、タイの文学者にとって苦節の時代ではあったが、1979 ( 昭和54) 年に、オリエンタル・ホテルやタイ航空などが資金を出し、東南アジア文学賞を新設した。」
 
 「この賞は、ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟の10か国(タイ、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジア)にまたがる国際文学賞で、作品の選考は、各国の委員会に委ねられる。」
 
 「賞は、アセアン各国の文学の活性化と、東南アジア諸国間の文化交流が目的で、賞金その他はタイが全額負担している。」
 
 タイには、外交政策の一環なのかもしれませんが、アセアン諸国にとっては、意義深い賞です。動機が何であっても、東南アジアの文化的発展に貢献しているのですから、本書の「推薦の言葉」で一言説明しておかしくありません。というより、むしろタイの貢献を褒めるべきでしょう。しかし石井氏も、吉岡氏も、これについて触れません。
 
 不思議なのは、吉岡氏が紹介するタイの7人の作家と二人の詩人が、東南アジア文学賞を受賞していない点です。タイの優れた作品を紹介する本なのに、タイが主導して作った名誉ある賞の受賞者を、どうして除外するのでしょう。石井氏も吉岡氏も、タイをこよなく愛する人間と言いますから、いっそう訳が分からなくなります。
 
 あるいは、タイには「東南アジア文学賞」の受賞者が、一人もいないのか。
 
 謎解きは私より物知りの方に任せるとして、無駄な時間を費やすのを止め実際の作品を紹介します。オー・ウダーコーン氏の、『タイの大地の上で』です。この作品が本の題名になっていますから、石井、吉岡両氏が推薦するタイで最も優れている小説なのでしょう。
 
 あら筋は、ジフテリアのため、瀕死の状態でもがき苦しんでいる3才の男の子の傍らにいる、主人公のターラーが、なんとかして救ってやりたいと苦悶する話です。ベッドの側には若い母親と、男の子の兄弟が3人います。若い母親はターラーの叔母で、あと一人の登場人物は彼の恋人らしい娘です。彼らは、医者の到着を、今か今かと待っています。
 
 「メーンおばさん。気をしっかり持って。もうすぐ医者のウエート先生が、たぶん間に合うように。戻ってくるから。」
 
 ターラーは自分の声を、出来るだけ震えさせないようにと、懸命の様子だった。
 
「希望はないの。」
「よくわかるね、カニッター。」
 
ターラーは、とても低い声で恋人に答えた。
 
「デーン坊のジフテリアは、今すぐに、免疫血清の注射を必要としているだけじゃないんだ。」「もはやこれすら、僕たちにはない。」「これだけでなく、デーン坊が、もっとそれ以上に必要としているのは、彼の気管支に孔を開けてくれる耳科医なんだ。」
 
「何よりもまず、呼吸ができるよう、代わりに特別な管を必要としている。しかしこの全てがない。」「僕たちに、何があるっていうんだ。しかも命が尽きようとしているときに、今更これらが、一体何を意味するというんだ。」
 
 「もしもだよ。デーン坊がこれから先、命があって大きく成長できたなら、彼は一人の大人として、他のみんなと同じように、国家に対する義務を担っていかなければならないだろう。同時にタイ人として、国家に当然要求できる権利だって十分にある。」
 
 「しかしね、見てごらん。我々の生活が、一体どんな風か。」「貧乏で苦しい生活から逃れようと、どれほど必死になって頑張っていることか。だが政府は、今までそのことを、ほんの少しだって考慮してくれた試しがない。」
 
「カニッター、君だっておそらく見てきただろう。」「政府が与えてくれる行政サービスだと、胸を張って言えるものが何か少しでもあるかい。」
 
 この調子で、ターラーの話が、5ページにわたって続きます。瀕死の子供がいて、その家族が悲嘆に暮れている時、このような話を長々とする馬鹿者が果たしているでしょうか。これだけでも、この作品を酷評する理由になりますが、この後の筋立てがいかにもわざとらしく、読書に耐えません。
 
 ターラーはかって医学生でしたが、社会主義思想に惹かされ、政府の弾圧を受け、学校をやめた経歴を持っています。いわば挫折した、左翼主義思想の若者です。その時、部屋に突然若い男が飛び込んできます。若い男は優秀な医学生で、ターラーの尊敬する友でしたが、今は警察に追われ逃げ回っている境遇でした。
 
 「バチャーン、君はデーン坊を救ってくれ。僕は、君を追ってきた警察を、惹きつける。」「追ってこれるものなら、追ってこい。キツネの手下どもよ。」
 
 そう言って彼は、友が乗ってきた馬に跨り駆け出します。銃声が響き、警官たちの馬が彼の後を追い、次第に追い詰められていきます。警官の銃が彼を撃ち抜き、体が宙を舞い、川へ弾き飛ばされます。警官たちが、彼の最後の言葉を聞きます。
 
 「バチャーン、タイの大地を頼んだぞ  ! 」
 
 28ページの小説を、ざっと紹介しました。一言で評すれば、「冗長で退屈」です。社会主義の素晴らしさを、熱く語り続けていますが、小説には読者に読ませる技量が必要です。この程度の出来栄えでは、「東南アジア文学賞」は無理と、私にも分かりました。
 
 左翼嫌いでも、優れた小説なら芸術として読みます。しかし吉岡氏が紹介する作品は、どれも似たような駄作でした。まだ二冊しか読んでいませんが、こうなるとやはり言いたくなります。
 
 「外務省の役人には、文学作品を見る目がない。」
 
 これで、「財団法人・大同生命国際文化基金」出版の本の書評を終わります。
 
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タイの大地の上で - 2 ( 東京裁判史観に染まった外務官僚 ? )

2019-07-15 13:28:33 | 徒然の記
 タイは、知るほどに私を虜にする国です。アジアでは、日本だけかと思っていましたのに、タイもまた植民地にされたことが一度もない国でした。
 
 しかも国民が王様を崇敬し、21世紀の現在でも不敬罪が存在する、数少ない君主国です。周辺を社会主義国に囲まれていながら、自由主義を守っている不思議な国でもあります。
 
 タイの民族構成は、タイ族75%、中国人(華僑)が14%で、その他がマレー系、インド系、モン族、カレン族などとなっています。平成27年現在、タイ国内で暮らす外国人のトップは、アメリカ人で、次いで中国人、オーストラリア人、イギリス人、そして日本人は第5位で、6万7000人です。
 
 「第二次世界大戦後の東西冷戦期には、ベトナムやカンボジア、ラオスのような、近隣諸国の共産主義化に脅かされたものの、共産主義の防波堤として、アメリカの大々的な支援を受けたことも影響し、共産主義化は免れた。」
 
 「国民の高い教育水準や、豊かな国土を背景に、徐々に工業国への道を模索し、1967 ( 昭和42 ) 年には、東南アジア諸国連合( ASEAN )に結成時から加盟。」「1989 ( 昭和64 ) 年に、アジア太平洋経済協力( APEC )にも、結成時から参加した。」
 
 「映画館では、上映の前に『国王賛歌』と共に、国王の映像が流され、観客は起立し、敬意を表すのが慣わしとなっている。」「特に前国王であったラーマ9世(プーミポン国王)は、その人柄と高い見識から多くの国民に敬愛されていた。」「国王を侮辱する画像や、動画が掲載されたことを理由に、YouTubeへのアクセスが長期にわたり遮断される等の事例もある。」
 
 「タイの歴代王朝( アユタヤ王朝、トンブリー王朝、チャクリー王朝 )は、日本の皇室とも、およそ600年前から親密な関係を持っており(当時の日本は室町時代)、皇室と王室の親密な間柄が、両国の緊密な関係の基礎になっている。」
 
 「秋篠宮文仁親王のほか、両国の皇室、王室メンバーの公的または私的訪問が、頻繁に行われている。」
 
 そういえば、秋篠宮さまが、タイで研究されていたという報道が、記憶の片隅にあります。皇室と王室の深い関係、しかも室町時代からとは知りませんでした。
 
 いつだったか、クーデターを起こした将軍たちが、プーミポン国王の前でへりくだって膝行している様子を、NHKのニュースで見たことがあります。クーデターを起こした将軍と政府の間を調整し、国の乱れを防止した国王に、敬意を覚えたことを思い出します。
 
 「国王の政治介入」「国王の権力乱用」などと、日本のマスコミも、野党政治家も言いませんでした。私たちはもっと、タイ王室を知る必要があるのかもしれません。
 
 「日本とタイの間には、すでに六百年もの交流の歴史がありながら、交流の内容は、商品の交換であることが多く、人と人との交流は、思いの外少なかったように思われます。」
 
  神田外語大学学長の石井氏が、「推薦の言葉」て述べていましたが、そうなると氏は、皇室とタイ王朝が、室町時代から交流していたと知っていたことになります。ならば氏はどうして、このような言い方をしたのでしょう。
 
 「交流の内容は、商品の交換であることが多く、人と人との交流は、思いの外少なかったように思われます。」
 
 皇室との関係に注目すれば、タイとの交流が、商品の交換で済んでいたとも、交流が少なかったとも断定で気なくなります。皇室とタイ王室の親密な関係を重要視すれば、600年に及ぶタイとの歴史の中で、皇室との話を省略することはできません。
 
 「皇室と王室の親密な間柄が、両国の緊密な関係の基礎になっている。」
 
 この説明が正しいとするなら、人と人との交流が少なかったと言えるのでしょうか。もしかすると氏は、皇室を軽視する左翼学者なのでしょうか。
 
 別途氏の略歴を調べ、驚きました。
 
 「石井米雄は、日本の歴史学者。」「京都大学名誉教授、神田外語大学名誉教授。」「文化功労者。専門は東南アジア史、特にタイ王国研究。」
 
 氏はすでに故人となっていますが、歴史学者で京都大学の名誉教授でした。皇室とタイ王室の関係を知らないどころか、専門が「タイ王国研究」です。不信感が生じ、さらに調べたくなりました。
 
 息子たちに言います。氏の履歴については説明せず、知り得た事実だけを紹介します。自分たちで判断してください。後味の悪い、ブログとなりました。
 
 「昭和4年生まれ、東京出身。」「戦後 ( 昭和22年 ) に、旧制早稲田第一高等学院に入学するも、」「東京工業大学の言語学者、小林英夫の言語学講義にのめり込み、」「早稲田大学での学業は進まず、除籍されることになる。」「昭和30年1月に公務員試験に通り、外務省外務事務官に採用されたため、大学を中退。 」「外務省アジア局第4課に配属。その後官房長付となり、来日要人の応対を行っていた。」
 
 「その後、在タイ日本大使館に勤務し、昭和38年に日本に帰国。」「帰国後、南西アジア課タイ班に所属し、タイ関連の政務に携わる。」「昭和40年、京都大学東南アジア研究センター助教授。」「昭和56年、京都大学法学博士。」「その後、第3代神田外語大学学長、人間文化研究機構機構長、」「国立公文書館アジア歴史資料センター長。」
 
 「平成12年、文化功労者、平成20年瑞宝重光章受勲。」
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タイの大地の上で ( レベルの高くない左翼文学 )

2019-07-14 21:39:08 | 徒然の記
 吉岡みね子氏編訳『タイの大地の上で』( 平成11年刊 財団法人・大同生命国際文化基金 ) を、読みました。タイの現代作家7人の短編が9つと、2人の詩人の作品が2つ紹介されています。
 
  1. 訳者の経歴 2.  推薦の言葉 3.  タイという国の概要・・・この3点を、先に紹介します。
 
 1.   訳者吉岡みね子氏の経歴 
 「昭和23年、長崎生まれ、昭和46年奈良女子大文学部卒。」「同年社団法人日泰貿易協会に入社、同協会の機関誌『タイ国情報』編集長を経て、」「現在、天理大学国際文化学部助教授。」
 
 ラオス現代文学の紹介をした二元裕子氏は、外務省の役人でしたが、吉岡氏も私企業に勤務する人ではありません。目立たない組織なのか、ネットで調べても、社団法人日泰貿易協会の情報が見つかりませんでした。
 
 2.  推薦の言葉  石井米雄氏( 神田外語大学学長 )
 「20年以上もの間、ひたすらタイ文学の研究と紹介に打ち込んでこられた、吉岡みね子さんが、新著を出版されることとなりました。」「その精力的なお仕事ぶりには、ただただ頭がさがるばかりです。タイ語で書かれた文学作品が、日本語で読めるようになろうとは、一昔前にはおよびもつかないことでした。」
 
 「吉岡さんには、文学作品の翻訳だけでなく、文学と政治、社会の関係を論じた研究もあり、吉岡さんのタイ文学への打ち込みようが、並々ならぬものであることを、感じます。」
 
 石井氏は、手放しで賞めていいのだろうかと、私の方が不安になります。前回もそうでしたが、読者のことを忘れ仲間内で賞めあい、楽しんでいるのかと思いたくなります。ほんの推薦者や、解説者は著者を賞賛し読者を騙して、本の売れ行きに協力するのが役目ですが、それも程度ものだと思います。
  
 「日本とタイの間には、すでに六百年もの交流の歴史がありながら、交流の内容は商品の交換であることが多く、人と人との交流は、思いの外少なかったように思われます。」「二つの国の間に、どれほど貿易が盛んになろうとも、人と人との交流がない限り、真の理解に到達することは難しいでしょう。」
 
 それは、氏の言われる通りです。隣りの中国や韓国とは、盛んに貿易をしていますが、正しい形での人と人との交流が欠けていますから、いつまでたっても真の理解に近づけません。
 
 「文学作品は、民衆の心に触れる、またとないよすがということができます。」「いろいろな意味で、日本と近い関係にあるタイ国との間に、揺るぎない友好が生まれるためにも、一人でも多くの人にタイの文学を読んでいただき、言葉を通してタイ人の心に触れていただきたいと思います。」「吉岡みね子さんの、新しい作品を紹介する次第です。」
 
 タイ国民、タイの庶民と言わず、氏は民衆という左翼用語を使います。確かに、収録された作品は、左翼的平等思想に満ち、裕福な人間への憎しみや怒りがあふれています。
 
 このような偏った作家の、下手くそな作品が紹介されて、日本との友好が果たして促進されるのか、疑問が生じてまいります。こうした作品に共感できるのは、日本人の中にいる反日左翼の人間でしょうし、息子たちに勧めたくない悪書です。反日左翼の日本人でも、小説以前のレベルなら相手にしないのでないかと、そんな安心感もあります。
 
 3.  タイ国の概要
 タイについて知っていることといえば、次の3つです。 
   (1).  敬虔な仏教徒の国であること。
   (2).  プーミポン国王という、立派な王様がおられたこと。
   (3).  政争に敗れたタク・シン首相が、どこかへ亡命したこと。
 
  以下は、別途調べました。
 
 「タイ王国は、東南アジアに位置する、君主制国家。」「東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国、」「通貨はバーツ、人口6,718万人、首都はバンコク、国土は、インドシナ半島中央部とマレー半島北部を占める。」「南はマレーシア、東はカンボジア、北はラオス、西はミャンマーと国境を接する。」
 
 「2014 ( 平成26 ) 年に、プラユット将軍の率いる国軍が、軍事クーデターを起こし、従来の憲法( 2007年憲法 )と議会を廃止し、実権掌握以降、軍事独裁政権が継続している。」「2016 ( 平成28 ) 年10月13日に、プーミポン国王が崩御。同年12月1日に、ワチラーロンコーンが国王に即位した。」
 
 「太平洋戦争が勃発すると、日本軍はタイへ進駐し、タイは表面上日本と日泰攻守同盟を結び、枢軸国として戦った。」「タイは東南アジア戦線では、日本に積極的に協力しており、現地軍の速やかな進軍を助け、兵站、補給など重要な役割を担当している。」
 
 「一方で、〈自由タイ運動 〉など、連合国と協力する勢力も存在し、連合国と連絡を取っていた。」「こうした二重外交により1945年、タイは、1940年以降に獲得した領地を返還することで、イギリスとアメリカとの間で講和することが出来、降伏や占領を免れた。」
 
 日本と、このような関係があったとは、知りませんでした。文学には興味が湧きませんが、タイについてはもっと知りたくなりましたので、次回も続けます。関心のない方は、スルーしてください。
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参院選とラオス文学の関係

2019-07-12 17:31:02 | 徒然の記
 アフリカやインドネシアについて、ブログを書いた時は、気がつきませんでしたが、ラオス現代文学になって以来、訪問される方が格段に減りました。
 
 ラオスという国への関心が、薄いということなのか。あるいは参院選が始まり、日韓の対立が深まっている時、ラオス文学に関わる暇がないという理由なのか。どちらにしても興味のある現象です。訪問される方々は、内容を問わず読んでいるのでなく、中身を選択していることが分かりました。当然と思いますが、ハッキリ数字で現れるとは、予想していませんでした。
 
 反日野党は言うに及ばず、肝心の自民党が日本崩壊につながる政策を次々進めていますから、保守の人々は、じっとしておれない毎日だと思います。私にしてもラオス文学のブログを綴っていても、日々のニュースに無関心でいません。
 
 「安倍さん以外誰がいる?」・・・これを言う信者たち。
「安倍さんの後はもっと悪くなる」・・・そうならないように、良心的な人たちが心配し、多くの意見を言ってきたが、聴く耳がなかったようだ。
 
 ある方のブログから、無断でコピーしてきましたが、私にはこの方の気持ちが分かります。アイヌ新法を推進した菅官房長官を重用しているのも、中国べったりの二階氏を幹事長にしているのも、韓国に腰砕けの岩屋氏を防衛大臣の椅子に座らせているのも、安倍総理です。
 
 もっと言えば、「移民法」「種子法廃止法」等々、数えるときりがない悪法の数々です。
 
 しかしそれでも、「憲法改正」と、「女系天皇」反対の意思を鮮明にしているのは安倍総理だけです。次期総理候補として、菅、岸田、石破、小泉、各氏の名前が報道されていますが、彼らは一人として、憲法改正も、女系天皇反対も明言しません。
 
 この憲法と皇室は、日本国の土台です。国を大切にする国民は、この二つの重要性を知っていますから、安倍さん以外の誰かが意思表示をすれば、その人物に注目するのは間違いありません。
 
 自民党が現状である限り、消極的選択でも嫌々ながらでも、安倍氏を支持するしかありません。「安倍信者」と言われるのは、無念ですが、「安倍さん以外に誰がいる。」「安倍さんの後は、もっと悪くなる」・・・これはそのまま自分の気持ちです。
 
 逆に質問したくなります。ならば、安倍氏以外の誰がいるのか、いるのなら教えて頂きたい。具体的な答えがないのであれば、何のための主張なのでしょう。
 
 参院選を前にして私が言える具体策は、いつもどおりの提案です。
 
  1. 反日・左翼の野党議員を落選させること。
  2. 自民党内の、獅子身中の虫を落選させること。

 「まだ遅くありません。反日左翼の駆除に頑張りましょう。自民党を叱咤し、選挙の一票で害虫を落選させましょう。」
 
 「この場合順序が、重要です。あくまで、上記 1. 番が先です。」「野党の害虫議員の落選を見れば、自民党の中にいる害虫議員は、慌てて〈反日〉の旗を捨てます。」「彼らの多くは信念がなく、様子見をしている〈風見鶏〉が、多いからです。」
 
 私たち国民が持つ一番強力な武器は、「選挙の一票」です。左翼と違い保守の庶民は、組織化されていませんから、軟弱なように見えますが、私のブログが、「ラオスの文学」をテーマにした途端、訪問者が激減した事実は、保守の人々が、妥当な意見には、まとまる行動をするという、証明のような気がします。
 
 国を愛する保守の人々が、それぞれブログで呼びかければ、「保守票」はまとまった力になる・・ということではないのでしょうか。国を思う保守の方は、短気を起こさず、安倍総理への個人攻撃を抑えられてはいかがでしょう。まず、反日左翼の野党議員を落選させましょう。
 
 ここで物言わぬ庶民の力が実証されたら、次は安倍氏を糾弾しましょう。その方がずっと現実的だと、思えてなりません。
 
 そうなれば次は、自民党議員の出番です。
    1.  国会議員の二重国籍禁止法の制定
    2. NHK役員の二重国籍禁止法の制定   全てがここから、再出発します。
 
 私にご不満な、保守の方に言います。私は愛国者ですが、「安倍信者」ではありません。国難をよそに、外国の文学論にうつつを抜かしているのでもありません。一度失った国の独立は、怒りの激情では取り戻せません。敗戦後、まだ73年しか経っていません。失った独立を取り戻すには、二倍、三倍の歳月がかかります。辛抱強く、心を一つにして頑張りましょう。
 
 日本からのたった三品目の輸入規制で、韓国経済は崩壊の危機と言われています。でも大事なのは、ここです。
 
 「相変わらず韓国は日本を軽視し、危機打開のため、米国詣でをしている。」
 
 事大主義の韓国は、問題の発端が誰なのかを知っています。韓国を崩壊させるため、強行手段に踏み切れるだけの情報を、日本政府に渡したのは誰か。日本政府の制裁を黙認しているのは、誰か。韓国は知っているから日本を恐れていません。
 
 息子たちに言います、これが生きた歴史の勉強です。んな国の動きが、いまだに、日本がアメリカの属国である証明です。日本が、アメリカの後ろ盾でしか動けないと知っているから、米国詣でをしています。日本の急務は、「憲法改正」と「皇室の護持」です。
 
 参議院選挙は、国民の力を発揮する機会です。保守の人々は、安倍氏を攻撃する時間があるのなら、憲法改正の意見が国内で普及するよう、反日に負けない努力しましょう。
 
 私は辛抱し、次回も『タイ現代文学』のブログを書きます。財団法人大同生命国際文化基金による、全国図書館への寄贈図書です。どうか、「ねこ庭」へ足を運んでください。ラオスもタイも、日本には大切な国ですから。
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ラオス現代文学全集 - 4 ( ラオス文学を理解するための感性 )

2019-07-11 15:00:06 | 徒然の記
 ドワンチャンバー氏の短編、『その一言が・・』を紹介します。薄給の下級官吏が、羽振りの良い幼馴染と偶然街で顔を合わせ、仲間たちに誘われ高級レストランへ行くという話です。
 
 爪に火をともすように暮らしている主人公は、場違いな店で、次々と出される料理のうまさに舌鼓を打ち、家で待つ妻や子の顔を思い浮かべます。一人でこんな美味しいものを食べず、なんとかして、家族に食べさせてやりたいと、心の中で葛藤します。贅沢な友人たちが、食べきれない量の料理を注文し、勿体無いほど残します。彼には想像もつかない無駄遣いで、自分を待つ家族の顔がちらついて離れません。
 
 家族に薄情ではありませんが、こういう経験をしたことがありません。バブル景気の頃、客先接待のため高級店へ行き、日頃口にしないようなものを味わったことはありますが、それはただそれだけのことでした。
 
 自分も家族も普通に暮らしていましたから、主人公のように切実な思いをしたことがありません。食べ物で深刻に思い悩むような人間も、周りにいませんでした。
 
 貧乏といえば、昔ノルウエーの作家ハムスンの『飢え』を読んだことがあります。凄まじい貧しさでも、あれはむしろ、工夫を凝らした文章の面白さでした。
 
 「真昼のビエンチャン、まるでオーブンで焼かれるような、日差しが照りつけている。」「ブンコーンは、自宅へ向かういつものバスに乗ろうとしたが、体重90キロもあろうかという、肥った人物に声をかけられたので、引きつった笑みを浮かべながら、振り返らねばならなかった。」
 
 これが、作品の書き出しです。「オーブンで焼かれるような日差し」というありふれた言葉と、「引きつった笑み」という、推敲の気配も感じられない言葉に興味を削がれました。
 
 書き出しの二、三行目のため、作家はある限りの力を注ぐと、何かの本で読んだことがあります。書き出しの新鮮さ、奇抜さ、面白さなどのため、作家は何日も呻吟すると聞きます。意識していませんでしたが、こういう退屈な文章を読まされますと、なるほどと思わされます。
 
 著者は革命後、情報文化省に所属し、ラオス作家協会の設立に参加しています。50年以上も小説や詩や随筆等を発表し、外国文学の紹介もしています。日経アジア文化部門賞や、東南アジア文学賞を受賞し、政府から「国家芸術家」の称号も贈られています。ラオスでは有名人で、有力者の一人です。しかし文学に限らず、芸術は肩書きや地位が生み出すものでありませんから、感動の手助けにはなりません。
 
   「ブンコーンは、これだけ立派な店なら、食べる時もきちんとしなければならないだろうと考えて、礼儀正しく控えめに振る舞った。」「とは言っても、周りの者たちが、食べながら互いにガヤガヤと騒ぎ立てる声は、聞いている者の耳の鼓膜が痛くなるほどだった。」
 
 「彼らは、地位のある人物であるにかかわらず、傍若無人に騒々しく飲み食いし、聞こえてくるのは、汚い言葉ばかりだからどうしようもない。なんとまあ、お偉いさんでも、市井の口語や俗語を話すとは ! 」 
 
 昔三島由紀夫は、私小説の露骨な描写に眉をひそめ、「歌舞伎の舞台でストリップをしているようなもの」と、酷評していましたが、なんとなく納得させられます。作者は、小説という立派な舞台で、下手な芝居を演じている役者です。
 
 「ブンコーンは、急いで白く美しい米飯をすくって口に運び、モグモグと噛み締めた。」「炒め物やチャオを米飯の上にかけ、鶏肉をつまんでかぶりついた。」
 
「ああ金持ちは、こんな美味いものを食べるのか。まるまる一羽分の鶏肉が、あっという間に、なくなってしまう。」「そこへ行くと我が家では、たまに鶏肉が何切れか手に入って、煮物をこしらえても、野菜や丸ナスが多すぎて鶏肉がどこにあるのか、わからなくなってしまうというのに ! 」
 
 気前の良い友人が勘定を済ませますと、支払額は、ブンコーンの一ヶ月分の給料と同じでした。友人とその仲間が店を出る時、ブンコーンはトイレに行くふりをして、一人残ります。調理場の入り口まで引き返し、ウェイトレスに頼みます。
 
 「さっきの鶏肉の残りを、包んでくれないかい。」
ウェストレスの顔に、侮蔑の色がちらりと浮かんだのを見て、ブンコーンはすぐに続けた。
 
 「持って帰って、犬に食わせてやるんだよ。」
 
 午後2時近くなって、家に帰り着いた時、ブンコーンは子供たちに、ビエンチャンの高級レストランの鶏肉を、食べさせてやれるという満足感でいっぱいでした。細君は包みを台所へ持って行ったが、すぐ走り出てくると、目を見開いて叫びました。
 
 「父さん、あんた。いったいどこから、豚の骨を拾ってきて、子供にやろうって言うの ! 」
 
 「 何てことだ  ! 見るとそれは、鶏と豚の骨がぐちゃぐちゃに混ざったもので、」「かじって食べようものなら、心臓にグサリと突き刺さってしまいそうだった。  」「さて、いったいどんな悪魔のせいで、彼は犬に食わせるなどと、余計な一言を口にしてしまったのだろう。」
 
 と、これが最後の文章です。
 
 4人のラオス人作家による、17編の内の一つを紹介いたしました。残りの3人も、みな東南アジア文学賞の受賞者で、政府の役人だったり大学の教授だったり、ラオスの著名人です。私は今回で書評を終わりにし、残りの作品は紹介しません。申し訳ないことですが、どうやら私にはラオスの優れた文学を読むための感性が、欠けているようです。
 
 訳者の二元氏には、感謝の言葉を贈ります。
 
 「私の知らない世界を、教えていただきました。この世の広さを、知りました。」
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ラオス現代文学全集 - 3 ( 世界最大のODA援助国だった日本 )

2019-07-10 12:39:49 | 徒然の記
 「公益財団法人大同生命国際文化基金」がやっていることは、もしかすると日本の国策に沿った事業ではないかと、推理をしました。しかし私の推理は犯罪を解明するのでなく、大同生命国際文化基金が、どうして利益にならない事業に力を入れるのかを、知ることにあります。
 
 平成元年から平成12年までの約10年間、日本は世界最大のODA援助国でした。特に平成12年のODA拠出額は約135億ドルで、世界第1位の拠出額でした。今はその面影もありませんが、日本は当時アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国になっていました。
 
 欧米人からは、ウサギ小屋みたいな狭い家に住み、休みも取らず仕事をする日本人は、「働き過ぎ病」と酷評されましたが、それは私たちの親の代からずっと、日本人全員が、焦土となった国で家族のために働いた結果の生き方でした。
 
 気がついてみると貧しかった日本がなくなり、今度は儲け過ぎていると欧米諸国に叩かれる始末です。狙い撃ちされた日本は、円高が一挙に進み、バブル経済を迎えました。昭和57年から62年にかけての中曽根内閣の時は、総理自らが「節約しないで、もっと外国のために金を使いましょう。」と、推奨していました。
 
 第一回目のブログで紹介した下記の叙述と、ここで一致します。
 
 「財団法人大同生命国際文化基金は、大同生命保険相互会社(当時)の創業80周年を記念して、外務大臣の許可のもと昭和60年3月27日に設立しました。」
 
 日本はなんとかして溜まった金を使おうと、頑張っていた時でしたから、大同生命の国際文化基金の設立は、国策に沿った善行として、大いに歓迎されたのでしょうか。ちなみに許可した当時の外務大臣は、安倍晋太郎氏でした。
 
 大同生命国際文化基金について、下疑問が解けましたので、ラオスについて調べました。正直に言うとアジアの地図を出され、ラオスの場所を示せと言われたら、私は答えられません。それほど無縁な遠い国です。
 
 「ラオスは、東南アジアのインドシナ半島に位置する共和制国家。」「東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国、通貨はキープ、人口約691万人、首都はヴィエンチャンである。」
 
 「ASEAN加盟10カ国中、唯一の内陸国。面積は日本の約63%に相当し、国土の約70%は高原や山岳地帯である。」
 
 「国土は南北に細長く、北は中国、東はベトナム、南はカンボジア、南西はタイ、北西はミャンマーと国境を接する。開発途上国であり、市場経済に移行したものの、政治はラオス人民革命党による一党独裁制が続いている 。」
 
 地図で確かめますと、インドシナ半島の右上にあり、南北に細長く伸びた内陸国で海がありません。周囲は、五つもの国との国境線で囲まれています。
 
 「第二次世界大戦中は、日本が仏ヴィシー政権との協定によりラオスを占領した。1945(昭和20)年4月8日に、日本の協力下で、独立を宣言をした。」
 
 「だが大戦後、フランスが仏領インドシナ連邦を復活させようとしたことが原因で、1946 ( 昭和21 ) 年に、第一次インドシナ戦争が勃発。1949 ( 昭和24 ) 年、フランス連合内のラオス王国として、名目上独立した。」
 
 この国も、日本の統治下で独立宣言をし、宗主国がフランスという違いがありますが、第二次大戦後のインドネシアと似ています。インドネシアでは、共産党を敵視するスカルノ大統領が政権を取りましたが、ラオスは共産党政権による一党独裁です。
 
 中国との関係も深いと聞いています。そうなりますと、元ラオス大使橋本氏が言うように、果たして親日国なのか疑問が生じてきます。いやそういう国だからこそ、対価を求めない大同生命の活動に意義があると、言っているのでしょうか。そうであるのなら、その活動は、あの詩人の言葉を理解した上で実行欲しいと願いたくなります。マレーシア人のラジャ・ダト・ノンチック氏の詩で、平成元年  (1989 ) に書かれたものです。、
 
  かって 日本人は 清らかで美しかった
  かって 日本人は 親切でこころ豊かだった
  アジアの国の誰にでも
  自分のことのように 一生懸命つくしてくれた
 
  何千万人もの 人の中には 少しは 変な人もいたし
  おこりんぼや わがままな人もいた
  自分の考えを おしつけて いばってばかりいる人だって
  いなかったわけじゃない

  でも その頃の日本人は そんな少しの いやなことや
  不愉快さを超えて おおらかで まじめで
  希望にみちて明るかった

  戦後の日本人は 自分たちのことを 悪者だと思い込まされた
  学校でも ジャーナリズムも そうだとしか教えなかったから
  まじめに
  自分たちの父祖や先輩は
  悪いことばかりした残酷無情な
  ひどい人たちだったと 思っているようだ

  だから アジアの国に行ったら ひたすら ぺこぺこあやまって
  私たちはそんなことはいたしませんと
  いえばよいと思っている。

  そのくせ 経済力がついてきて 技術が向上してくると
  自分の国や自分までが えらいと思うようになってきて
  うわべや 口先では すまなかった 悪かったといいながら
  ひとりよがりの 
  自分本位の えらそうな態度をする
  そんな 今の日本人が 心配だ

  ほんとうに どうなっちまったんだろう
  日本人は そんなはずじゃなかったのに
  本当の日本人を知っているわたしたちは
  今は いつも 歯がゆくて 
  悔しい思いがする

  自分たちだけで 集まっては 自分たちだけの 楽しみや
  ぜいたくに ふけりながら 自分がお世話になって住んでいる
  自分の会社が仕事をしている その国と国民のことを
  さげすんだ目で見たり バカにしたりする

  こんなひとたちと 本当に 仲良くしていけるのだろうか
  どうして
  どうして日本人は
  こんなになってしまったんだ         
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