共同通信社は、アンケートの好きな会社です。読者に飽きられない工夫なのか、今度は「アンケート」と書かず、「世論調査」と書き換えています。
前回の「皇位継承問題」の記事は、1日で終わりましたが、「憲法問題は」何と5日間続きます。それだけ重要度を高く見ているのか、あるいは可能性が高まっているので焦っているのか。これから明らかになります。まだ読んでいないので何とも言えませんが、5月2日第1日目の記事の見出しがこれです。
「 改憲論議急ぐ必要ない 65 % 」
「 共同世論調査 幅広い合意優先 72 % 」
「 9条改正は賛否拮抗」
7段組みの記事は5面に掲載され、前回と同じくページの4分の1を占める大きな扱いです。記事の書き方も前回同様に、アンケートの実施方法の説明を記事の最初と最後にしています。
・共同通信社は1日、憲法記念日の5月3日を前に、憲法に関する郵送方式の世論調査結果をまとめた。( 最初 )
・調査は3 ~ 4月、全国の18才以上の男女3千人を対象に実施した。( 最後 )
今回も同じ3千人で、時期も重なっています。同じ記者が、同じ回答者に質問状を送っているのではないと思いますので、そうなると複数の記者が関わっていることになります。
・岸田文雄首相が、9月までの自民党総裁任期中に意欲を示す、憲法改正の国会発議に関し、
・「急ぐ必要がある」・・・33 %
・「急ぐ必要はない」・・・65 % と差がついた。
・改憲の進め方は、
・「慎重な政党も含めた幅広い合意を形成すべきだ」・・・72 % が
・「前向きな政党で条文案の作成に入るべきだ」 ・・・24 % を上回った。
・9条改正の必要性は、
・「ある」・・・51 %
・「ない」・・・46 % と賛否が拮抗した。
「皇位継承問題」と同じパターンなので、見出しを見るだけで共同通信社の結論が見えます。( 「幅広い合意優先 72 % 」・・見出し )
「慎重な政党も含めた幅広い合意を形成すべきだ」・・・72 %
反日左翼野党は「慎重な政党」でなく、話し合いの会議を開くことから反対している「何でも反対」の政党です。国民も実態を知っていますから、「幅広い合意を形成すべき」という同社の言葉が、永遠に「憲法改正をしない意味」と解釈します。
「前向きな政党で条文案の作成に入るべきだ」・・・24 %
72%と24%という大差の数字を示し、「憲法改正」の意見がいかに少数であるかを強調しています。しかしこれでは、「9条改正」の回答数と辻褄が合いません。憲法改正意見が少数なら、「9条改正」について、
・「ある」・・・51 %
・「ない」・・・46 % と賛否が拮抗する訳がありません。
「憲法改正」のメインは9条ですから、ここで賛否が拮抗しているのなら、民意は共同通信社の思惑とは違うことになります。最初の10行の紹介ですが、この分で行きますと記事はかなり強引な「情報操作」という気がします。
・改憲に前向きな自民と日本維新の会を支持する層でも、「急ぐ必要がある」との回答はいずれも46%と、半数に届かなかった。
46%とと言えば、四捨五入すれば50%です。半数に届かなかったと断定できる数字なのか。強引というより、無理な説明か?と感じます。
・国民の間で改憲の機運は、
・「高まっている」「どちらかと言えば」 ・・・31 %
・「高まっていない」「どちらかと言えば」・・・67 %
・改憲の必要性は、
・「どちらかと言えば」を含め ・・・75 %
・否定は「どちらかと言えば」を含め ・・・23 %
改憲の必要性を聞くと、9条に関する回答と同じく「必要と考える」人が75%と圧倒的多数です。
それでも同社は「 改憲論議急ぐ必要ない 65 % 」結論を持っていますから、調査の説明を合わせようとします。
・改憲を必要性とした理由は、
・「条文や内容が時代に合わなくなっている」 ・・・60 %
・「新たな権利や義務、規定を盛り込む必要がある」・・・25 %
・改憲を必要性なしとした理由は、
・「戦争放棄を掲げ平和が保たれている」 ・・・47 %
・「今の憲法で不都合はない」 ・・・18 %
・改憲問題に、
・「関心がある」「ある程度関心がある」 ・・・74 %
この数字からは、「改憲必要なし」の結論はやはり導き出せません。そこで同社が工夫したのは、記事の中に数字を書いても丁寧な説明を省略するという方法です。「ねこ庭」では息子たちと訪問された方々に分かりやすいよう、項目ごとに改行していますが、記事は隙間なく並んだ活字です。
説明のないまま、項目と数字がベタに書かれていたら、忙しい人たちはそのまま読み飛ばして終わります。同社は数字の羅列で記事を終わり『解説』欄を別途設け、自分たちの考えを説明しています。
『解説』欄の紹介は後ですることとし、数字の羅列記事の紹介を続けますが、スペースが無くなりました。続きは次回にいたしますので、姑息な共同通信社の姿勢を確かめたい方は、「ねこ庭」へ足をお運びください。