週に一回は横浜に行っているが、時間の関係で今まで観られなかった美術展がある。
今日は四時前に用事が終わったのでそれ、といってみた。
横浜美術館は「ルーヴル美術館」の展覧会だ。
ルーヴルの膨大な所蔵から19Cに的を絞った展示だが、会場出口にアンリ・フォションという人の「激動の19世紀は、人間そして芸術家を根底まで揺さぶり、不安を目覚めさせ、好奇心をあおりー」と掲げられていたごとく、展示は歴史画やら風景画より、時事的絵画を扱ったコーナーや風俗画のコーナーが面白い。
時事的絵画ではナポレオンをたたえたピエール・フランクの「エジプト遠征からのボナパルト帰還前のフランス国家の寓意」が素晴らしい、素晴らしいというよりあまりの大作に度肝を抜かれる。
フランス国家が女性に扮してナポレオンに救いを求めている絵だが、図録では雰囲気がわからない、ともかく本物の絵の前に行くと圧倒される!
風俗画では「四時、サロンにて」が面白い。これはルーヴルのギャラリーの閉館時間をあらわした絵というが、鑑賞者はごった返した室内で退場する気配もないーまあいつの時代も同じものだと感じる。
もう一つ目だった絵はジェリコーの「賭博偏執狂」、この画家は自身うつ病になったそうで、そのため晩年は精神を病んだ名もなき人の肖像を描いたという。
「精神病」というジャンルが確立される近代という時代を映す絵である。
ともあれ、幕末海外に門戸を開いたこの横浜でルーブルの名画に出会ううれしさを感ずる展覧会だ。
ところで、会場で例によってメモを取っていたら、鉛筆の芯が折れてしまった。
そこで監視員に申し出ると羽ペンを貸してくれたが、退室するとき別の監視員に返そうとしたら「どうぞおもちください」といわれた。つまりこのペンはもらえるということだ。
そう思って振り返るとこの美術館のスタッフの対応はとてもよい。
入り口で展示リストを手渡してくれるし、カタログを買うと「雨が降ってますので」とビニールをもう一枚つけてくれた。
常設展示を見終わって出口に行くお客に「ありがとうございました」と声をかけるのも親切だ。
ルーヴルという大美術展とスタッフのとても丁寧な対応が見事にマッチして好感もてる。
やはり図録では特に大作はその真価がなかなか判らないので、ぜひ観にいかれることをお薦めします。
今日は四時前に用事が終わったのでそれ、といってみた。
横浜美術館は「ルーヴル美術館」の展覧会だ。
ルーヴルの膨大な所蔵から19Cに的を絞った展示だが、会場出口にアンリ・フォションという人の「激動の19世紀は、人間そして芸術家を根底まで揺さぶり、不安を目覚めさせ、好奇心をあおりー」と掲げられていたごとく、展示は歴史画やら風景画より、時事的絵画を扱ったコーナーや風俗画のコーナーが面白い。
時事的絵画ではナポレオンをたたえたピエール・フランクの「エジプト遠征からのボナパルト帰還前のフランス国家の寓意」が素晴らしい、素晴らしいというよりあまりの大作に度肝を抜かれる。
フランス国家が女性に扮してナポレオンに救いを求めている絵だが、図録では雰囲気がわからない、ともかく本物の絵の前に行くと圧倒される!
風俗画では「四時、サロンにて」が面白い。これはルーヴルのギャラリーの閉館時間をあらわした絵というが、鑑賞者はごった返した室内で退場する気配もないーまあいつの時代も同じものだと感じる。
もう一つ目だった絵はジェリコーの「賭博偏執狂」、この画家は自身うつ病になったそうで、そのため晩年は精神を病んだ名もなき人の肖像を描いたという。
「精神病」というジャンルが確立される近代という時代を映す絵である。
ともあれ、幕末海外に門戸を開いたこの横浜でルーブルの名画に出会ううれしさを感ずる展覧会だ。
ところで、会場で例によってメモを取っていたら、鉛筆の芯が折れてしまった。
そこで監視員に申し出ると羽ペンを貸してくれたが、退室するとき別の監視員に返そうとしたら「どうぞおもちください」といわれた。つまりこのペンはもらえるということだ。
そう思って振り返るとこの美術館のスタッフの対応はとてもよい。
入り口で展示リストを手渡してくれるし、カタログを買うと「雨が降ってますので」とビニールをもう一枚つけてくれた。
常設展示を見終わって出口に行くお客に「ありがとうございました」と声をかけるのも親切だ。
ルーヴルという大美術展とスタッフのとても丁寧な対応が見事にマッチして好感もてる。
やはり図録では特に大作はその真価がなかなか判らないので、ぜひ観にいかれることをお薦めします。