だらだら日記goo編

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美術不況の中で

2006-12-29 22:15:08 | アート・文化

美術館の指定管理者制度や、和田何某の盗作騒動、岡本太郎の「明日の神話」修復など何かと話題が多かった今年であるが、やはり大新聞社とテレビ局の主催する美術展には美術不況といえども人が集まり、大混雑という事情には変わりはなかった。

僕なりの価値基準で今年のベストスリーをあげたい。

・NHK日曜美術館展、芸大美術館。

さすがは天下のNHKだ、作品の質、識者のコメント、ビデオ映像、カタログ、どれひとつとして不満はない、チケットをくださった、インターネットミュージアムさんにも感謝!

・高島野十郎展、三鷹市美術ギャラリー

会場入ってすぐの自画像の目つきの鋭さ厳しさから尋常ならざるものを感じた。

この画家が画壇とまったく離れて一人で制作し、おおよそ彼岸を垣間見たような境地になったことは特筆される。埋もれていた画家はまだまだいるだろう。

・揺らぐ近代ー日本画と洋画のはざまに、国立近代美術館

jennyさんと一緒に行った展覧会だ、これまた知らない画家が次から次へと出てきた。

日本画と洋画のはざまにある不思議な作品をいろいろ紹介してもらった、新聞社の後援がないのもよろしい。

ここまで書いて三つとも無料で観た展覧会であったことに気づく、招待券、「ぐるっとパス」、メールマガジンの抽選と。

金を払った展覧会もひとつ。

・ケーテ・コルヴィッツ展、町田市立版画美術館

はじめはロダンの影響も受けていたようだが、戦争で子供を亡くし、子供を守るということを主題にした彫刻家だ、深い感銘を受けた。

さて来年はいよいよ国立新美術館がオープンし、サントリーも新装開館する、どんな年になることやら。

僕は今年はjennyさんとお会いしたが、来年はyumiさんやJuneさんや遊行さんとかいろんな人とお会いしたい、メールや招待券のやり取りもいいがやはり直接お会いしてお話するに勝る価値はないと思うからだ。

というわけで今年のこのブログは終了します、検索でたくさんの方に来ていただいたことに感謝しています。


運命的な出会いークリスマスの夜に

2006-12-24 22:21:09 | アート・文化

運命的な出会いというのがやはりあるのだろう。

この人の場合は異形の舞踏家、土方巽との出会いだ。

1959年の「禁色」の舞台がこの人に決定的な出会いをもたらした。

その影響で現代の性と生をとった写真集「おとこと女」がうまれたのだ。

写真家の名前は細江英公、そのこれまでの回顧展を写真美術館に観に行く。

細江の展覧会は渋谷の松涛美術館でも以前やって観に行ったが、その当時はなんだかわからなかった。

しかし、川崎市岡本太郎美術館でも土方の回顧展が開催されたりして、だんだん僕の中での理解というか興味が増してきた。ちょうどいい展覧会だ。

さてさて三島由紀夫だ、「薔薇刑」がその後に続くが、これも土方を撮った写真を見た三島が自分も撮ってくれと細江にいったのだという。

その「薔薇刑」よく観ると西洋古典絵画を使った写真が眼を引く。

それにしても細江は土方を知り合ってからなくなるまでずっと作品の主題にした。

時には東北の農民とともに、時には目黒の稽古場で、そしてなくなった日の1986/1/21までー。

しかしもちろん細江は土方ばかりを追いかけていたわけではない。

面白いことに彼は「ライフワークは童話」ともいっている。

その中から犬を主人公にした「たかちゃんとぼく」1997、死んだお母さんの話「おかあさんのばか」2004の写真絵本が今回会場におかれ自由に眺めることができる。

また細江はガウディにも関心を示す「ガウディの建造物は人間の肉体そのもの」といい、「ガウディはもうひとつの禅を発見した」と述べる。

細江の撮影するグエル公園のタイルは確かに曼荼羅的ではある。

最近の細江は「浮世絵うつし」をあらわしたり、もう一人の舞踏家大野一雄を撮ったりする、後者の「釧路湿原で舞う」はすばらしい。

クリスマスイブにこのような展覧会を観ることができたことがうれしい、僕にも皆さんにもよき出会いが訪れんことを!


年末年始も美術展

2006-12-16 22:19:05 | アート・文化

年老いたがまだ元気な母を特養ホームに見舞う以外用事のない、独り身の僕は年末年始といっても特にすることもない、テレビも見ない。

結局いつもどおりに美術の展覧会に行くことになろう。

一昔前は12/29-1/3くらいは普通の会社と同じく休館していた美術館も休まなくなった。

1/2の東京国立博物館の「博物館に初詣」はおなじみだし、相田みつをや、上野の森のダリは元旦もやるようだ。

1/2からやる美術展もいろいろある。

Juneさんから招待券をいただいている江戸東京の「江戸城」も期待大だし、東京新聞からの招待券、写真美術館「地球の旅人ー新たなネーチャーフォト」の展覧会もある。

写真美術館は細江英公の写真展も開催しており合わせて楽しみたい。

しかし年末年始といったら昔からデパートの展覧会だろう、お歳暮商戦もひと段落するとデパートは展覧会になる。

NHKサービスセンターからの銀座松坂屋の「石山寺と紫式部」の展覧会チケットが今日送られてきた、会期は12/28-1/8.

そのほか横浜そごうでは1/2から、有元利夫展、日本橋高島屋ではミュシャ展、日本橋三越では12/27-1/14まで川崎小虎と東山魁夷展などがあるようだがこれらはチケットまだ確保できず。

1/3からは太田記念美術館でギメの浮世絵展、1/4からは世田谷美術館で富本憲吉展と上げていけばきりがない、やはりあわただしい年末年始になりそうだ。


友の会あれこれ

2006-12-15 21:50:29 | アート・文化

美術館の活動のひとつとして「友の会」があるのはいうまでもない。

僕は現在目黒区美術館の友の会に入っており、前は写真美術館にも入っていた。

しかし最近の目黒区美術館のやる気のなさは異様であり、友の会を今年で辞めようと思っている。

写真美術館はこれまた友の会だと割引なのに「ぐるっとパス」だと無料とか納得できないことがありやはりやめた。

友の会活動が盛んなのは世田谷美術館や東京国立博物館だ。

しかし世田谷美術館は半公立の美術館なのに異常に料金の高い展覧会が多く僕は好きではないし、国立博物館は入館料六百円がただになるのはいいがそれほどいく美術館ではないので入っていない。

友の会に入るとお得なのは単に料金が無料になったり割引されるだけではなく、ミュージアムショップの利用の特典や提携している美術館の入館料もお得になることだろう。

しかし目黒区美術館はブンカムラミュージアムの入館料100円割引になるだけで、写真美術館は都が運営する美術館の入館料が割引になるが「ぐるっとパス」を使えばただになる美術館もある。

どんな基準で皆さんは友の会に入会されているのだろうか。


音声ガイドは携帯でどうぞ

2006-12-13 22:14:03 | アート・文化

いつも招待券をプレゼントしていただいているインターネットミュージアムさんから

http://www.museum.or.jp/

今回は東京富士美術館の「華麗なるジュエリー」の展覧会チケットを展覧会カタログと一緒にいただく、しかも三枚も!

入館料が千円でカタログが千円だから四千円分のプレゼントだ、ありがたいことこのうえない。

カタログはもらっているので今回はただ展示を観にいけばよい、八王子の山奥までレッツゴー。

展示は誕生石の物語、誕生石の原石から日本初公開の装飾品、さらには女優サラ・ベルナールや作家ジョルジュ・サンドの写真、ジュエリーを身にまとった富士美術館所蔵の絵画などで構成される。

たとえば僕の誕生日は11月だが、その誕生石はトパーズだ。

トパーズとはギリシア語の「捜し求める」の意味で、この石が取れる紅海の島を当時の人は「トパゾン島」とよんでいたそうだ。

宝石言葉は「友情、希望、潔白」、装飾品としてラリックの「トンボの櫛」なんかが展示されるのがうれしい。

男の僕が見ても宝石のきらめきに魅せられるから世界の女性たちがジュエリーに魅せられるのもよくわかる。

さて変わってここの常設展示「美を旅するコレクション」、60点ほど。

昨年話題をさらったジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「煙草を吸う男」を持っているのがここの美術館で今回も展示されているが、驚いたことに音声ガイドは自分の携帯でどうぞと指示が出ていたことだ。

いわゆるQRコードというやつを読み取ると自分の携帯に解説を送ってくれるらしい。

僕は通信料が馬鹿にならないと思い、絵を眺めるだけにしたがいわゆる普通の美術館の「携帯の電源はお切りください」はもはや時代遅れなのだろうか、なかなか面白い試みだ。

富士美術館は向井潤吉とか日本の絵画も所蔵しているが、今回の展示は西洋だけ、しかし古代地中海世界からウォーホルまですごいコレクションだ。

招待券がなかったら完全に無視した美術館、改めてインターネットミュージアムさんにお礼をいいたい。