ナスカの地上絵はUFOの着陸基地だという荒唐無稽な説がある。
そのため宇宙人探しにやってきた人々のために地上絵は荒らされたのだという。
実のところ地上絵といっても地面に何かを描いたわけではない、むしろ石を取り除いたのだという、その上を人々が歩くために。
毎日の招待券で科学博物館にナスカの展覧会を観に行く。
科学の展覧会というより、民俗学の成果を表した展覧会で地上絵のことは実のところ多くない、むしろ地上絵を表した人々がどういう人たちかを探る展覧会だ。
驚いたのはミイラが展示されていること、ナスカのミイラは頭に偉大な力が宿ると信じられていて丁寧にミイラにされたという。
で、ミイラを調べると頭の骨を変形させる風習があったとかいろいろ面白い。
展示は土器が中心だ、土器に現された生き物たちが又地上絵に反映している、共通のモチーフがここにはある。
で、ナスカの人々は精霊信仰の下にあったようだ、シャーマンは幻覚剤を飲み精霊と交わり、人々は死後動物祖先へと変身する。
いろいろな生き物が精霊的存在として表されるが、地上では農業との関係で猫が強い生き物として表されたとは面白い。
農業もするが圧倒的に水に乏しい環境にナスカはあった、実はそれとの関係で地上絵も書かれたのではないかというのがこの展覧会の仮説ではある。
TBSが絡んでいるだけあってバーチャル映像などいろいろある。
なかなか見所の多い展覧会だった、科学博物館の後、静岡と九州二箇所を巡回します。