なんと優雅な女性像だろうか!
ルノアールの描く「ロメーヌ・ラコー」とかクールベの「ロール・ボロー」とか、ファンタン・ラトゥールのルロール夫人とか、絵を観る喜びここに極まれりだ。
Juneさんからいただいたチケットで森アーツセンターの「クリーブランド美術館」の展覧会を観に行くが、読売がこの秋主催する、西洋美術館、損保ジャパンとこことの三大展覧会では最もインパクトの強い展覧会だ。
クリーブランド美術館は1916に開館して1971に増設して、今また三百億円をかけて2012の増館を目指しているという、そこからの約六十点が着ているがほとんどが日本初公開なのもよい。
モネの作品もよい、「春の花」など自然の美しさをそのまま表現し、「赤いスカーフ、モネ婦人の肖像」は窓の外の雪景色に婦人を描いたものだが、婦人は描かれてすぐになくなってしまったという。
彫刻作品がたくさん来ているのもいい。
ドガは生前彫刻を一点しか発表しなかったというが、死後にアトリエから見つかった作品だ。
ロダンはたくさんある、有名な「考える人」はよく観れば右ひじを左のひざの上においていていささか不自然な姿勢だ。
藝大美術館で回顧展があったバルラッハもきているし、ミンヌもある。
再び絵画に戻ればピカソ二十歳の厚塗りの作品「ケープを纏った女」は貴重だ。
ピカソは1900年パリ万博で始めてパリに来たというがそのころの作品だ。
抽象絵画を切り開いたモンドリアンは三点展示され、具象から抽象の流れがわかる。
展示数は六十点と少ないがかえって一点一点ゆっくり鑑賞できる、ちょうど森美術館がやっていないこともあって観客も少ない。
カタログは2500円と高い感じもするがよそに巡回しないのだからその分割高なのだろう。
贅を尽くしたような展覧会だ。