だらだら日記goo編

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笑う門には福来る

2007-02-27 21:49:28 | アート・文化

今日はまずNHKサービスセンターの招待券で日本橋三越のフンデルトヴァッサーの展覧会へ。

これがどうもよくわからない、初期の水彩画にはヘッセのような趣があるが、この人の特徴である「渦巻き」が絵画に現れてからは稚拙としか言いようがない表現になる。日本の木版画家と一緒に仕事したようで木版には「豊和」とか「百水」の印鑑が押されている。

どうもなぞめいているが最後のビデオコーナーでようやくわかった。

この人の信条は「直線は人類を破滅に導く」「渦巻きは生命の原点」というものらしい。

どうも渦巻きの中にばらばらのものがひとつに丸くなるイメージを持っていたようだ。

人工的直線を廃して、皮膚の延長線で住まいをとらえようとする。

「建築における合理主義に反対するカビ宣言」なるものをあらわす。

カビが無味乾燥な都市を豊かな生活空間に変えるという事らしい、で、芝生の屋上とか樹木の生えている屋上とかを提案し、そのいくつかは実現している。

しかしながら周りの建物が直線を土台にしているのに螺旋のへんてこな建物はかえって環境に調和しないともいえる、まあ難しい問題だ。

さて三越を後にして貨幣博物館というところへ行ってみる。

はじめていくのだが「お金と福の神」という企画展示をやっていることをチラシで知っていたからだ、入館無料なのもいい。

ではいると驚く、制服姿の警備員がお客と笑いながら会話しているのだ。

「お客さん、最後にこれだけ観ていってくださいよ」なんていっている。

警備員というのは不審者がいないか警戒するものとばかり思っていたこちらは日本橋の真ん中でこんなアットホームな会話をする警備員がいる博物館があることに驚く。

まあ貨幣博物館は日銀の付属施設だから、日銀の見物に来た田舎のお客さんが多くてここはそんな雰囲気になっているのかもしれない。

展示も無料のわりに結構充実している。

「お金と福の神」だが、福をもたらすのはお金ではなく昔からのことわざにあるように笑いではないか、こんな博物館がどんどん増えるといいと感じた。


うつわの革命

2007-02-21 22:01:35 | アート・文化

いやいや入館料が千円に跳ね上がってからの出光は本当に面白い。

いつも趣向を凝らした展示や大胆な推理で僕たちを楽しませる。

今回はうつわだ、「志野と織部」しかし、国宝一点と重要文化財三件を含むこの展覧会はただの名器の寄せ集めの展覧会では決してない。

第一室と第二室で桃山のうつわの革命、すなわち日本的志野茶碗の誕生から、黒織部,黄瀬戸、織部と続くうつわ誕生の歴史を振り返って、さて第三室、ここがメインとなる。

問題はうつわに絵模様が描かれたものがなぜ存在するのかということだ。

展覧会はそれを日本古来の「風流」の精神と関連付けて考える。

いわゆる「かぶき者」たちが身に着けていたファッションと共通するものを茶碗の絵柄に見出し、そこに「風流」つまりは聖性が宿っていると考えるのだ。

たとえば三井記念美術館が所蔵する国宝茶碗が出品されていることはそれが国宝だからという単純なる理由では決してない。

この茶碗に「卯花の垣」を見出したのは江戸時代の茶人片桐石州だが、垣根を描くことで邪悪なものをはらおうとした精神をそこにみてとる。

同じように「橋」に、「車輪」に、「傘」に、「吊るし」にとさまざまな模様が描かれた茶碗を前に展覧会は「聖性」との関係でその象徴を探っていく。

その試みがどこまで成功しているかは知らないがまことにスリリングである。

しかし織部の優品が作られたのは、わずか十年足らずの期間という。

それはなんだったのであろうか。

「今が弥勒の世なるべし」という時代風潮の中で、燃え上がるような精神の高揚だったのであろうか。

せっかくだから陶片資料室にも足を運びたい。

京都中之町で昭和62年に桃山陶器の断片が発見され、美濃のやきもの問屋があったことがわかったという、その断片が並んでいる。

カタログ分厚いのを購入して美術館を後にする、出光はカタログにも気合が入っている。

やきものなどまったく関心のない僕、招待券をくださったJuneさんに心より感謝し、皆さんも桃山人の精神の高揚を感じてほしいと思う。


パリの多様性を感じつつ

2007-02-19 22:06:47 | アート・文化

いい意味で期待を裏切る大展覧会だ。

僕らはパリといえばエコール・ド・パリをすぐ思い出してしまう。

しかしその時代を過ぎてもパリは憧れの地であった、中国から、イスラエルから、アイスランドから美術家はパリを目指したのだ。

実際エコール・ド・パリの展示はこの展覧会の四分の一弱に過ぎない!

国立新美術館の開館記念「異邦人たちのパリ」の展覧会だ。

セクションは四つに分かれ、僕らが予想する「モンマルトルからモンパルナスへ」はその第一部に過ぎない。

それでもシャガールの緑の色は目を引き、キツネの剥製を使ったブラウネルという人の「狼テーブル」は面白く、ジャコメッティのブロンズ作品「テーブル」は奇妙だ。

で、これが終わるとさっさと展示は抽象絵画へと入る。

戦後は動きを取り入れたキネティックアートというものがはやる。

コールダートいう人の天井から吊り下がっている作品は空気の流れによって動く。

アンフォルメルも登場する、日本からは今井俊満が展示される。

ブリヂストンでおなじみのザオ・ウーキーも登場、中国の人だ。

チリのマッタという人の「無秩序の威力」は幅十メートルの大作だ。

スペインのフランコ政権下で死刑に処せられた人へのオマージュというがすごい!

日本からは工藤哲巳が出てくる「あなたの肖像」、環境問題のモチーフがあるという。

こうして芸術も政治や社会との関係を抜きにして語れない時代が来る、1960年代だ。

そして現代へといたる、いちいち書くのはやめるがひとつだけトーマス・ヒルシュホン「直接的彫刻」はすごい。

ダイアナ妃が事故死したすぐ近くに置かれていたモニュメント「自由の炎」が、彼女を追悼する花なんかにより別物になったことに刺激を受けて製作したというがこれが馬鹿でかい!

四つのセクションはそれぞれ導入としてそれぞれの時代の写真が飾られているのもよい、庭園美術館で個展が開かれた田原桂一なんかも出てくる。

いづつやさんも書かれていたが会場が広いので観客が来ても混雑という印象はない。

しかし落ちぶれたとはいえさすがは朝日だ、文化面でのリーダーぶりをまざまざとみせつけた。


初めての美術館へ

2007-02-17 21:42:08 | アート・文化

すっかりおなじみのインターネットミュージアムさんからまた招待券が贈られてきた。

今回は白金台にある畠山記念館の展覧会だ。

交通がどうも不便なので行ったことがない、初めての美術館訪問を明日しようと思う。

初めての美術館ということは、展示室の風景がどんなだろうか、建物はどうか、ミュージアムグッズはどうかと想像をたくましくするだけで楽しいものがある。

さて本日は三の丸尚蔵館の「福やござれ」の展覧会に。

柴田是真や狩野探幽が前期に登場してしまってしまったの感じはあるが、今にも動き出しそうな伊勢海老の工芸品やら宝船「長崎丸」の精緻なつくりは日本工芸の質の高さを示していた。


ぐるっとパス2007

2007-02-13 22:03:38 | アート・文化

プレスリリースで「ぐるっとパス2007」の参加館が発表された。

従来に加えて、サントリー美術館、新宿歴史博物館、古代オリエント博物館、書道博物館、ICCなどが加わっている。

国立新美術館はなぜ加わらないのか。

さらにこれに入場無料と入場割引に分かれる、各館の思惑がいろいろ垣間見られて面白いが詳細を待ちたい。

詳しくは、

http://www.rekibun.or.jp/